
「掟ではなく、愛のために」――グレイスがララへ託したのは、夢か、それとも呪いか。『さよならララ』でララが食べた魚の数を最終回まで数えてみます!【5匹目】【第11話考察・レビュー】
2026年7月より放送中、アニメスタジオ・キネマシトラス15周年記念作品『さよならララ』。筆者がグッと来てしまったので、本企画では、"ララが食べた魚"を数えています。
第11話では、ついに魔女・グレイスの過去が明かされました。なぜ彼女は地上を夢見たのか。なぜ自分と同じ運命をララへ託したのか。そして、最後に「掟ではなく、愛のために生きろ」と言い残した理由とは。
最終回直前、人魚たちの悲劇と願いを振り返ります。……魚カウントはもちろん5匹のままです! 忘れていたわけではありません。
ゴンちゃんの魔法の鏡
ウツボに拉致された茉里が目を覚ますと、そこはグレイスが隠れ住んでいた部屋でした。そこで彼女は、グレイスが残した魔法の鏡を通して、人魚の世界の真実を知ることに。
ついに始まった、グレイスと、ララの母・リグモアの過去編。最終話を目前にして、これまで断片的に描かれてきた出来事が、一気に繋がり始めます。
グレイスとリグモアは双子の姉妹。ララと同じく、城へ光をもたらす「プリンセス」として育てられていた。しかし、好奇心旺盛なグレイスは、人間や地上の世界へ強く惹かれていくのです。自由な世界を見てみたい。学ぶところのある人間という生き物と出会ってみたい、と。
変わり者扱いされるグレイスでしたが、リグモアとローワンは、グレイスに一目置いていました。光を失いつつあるこの世界に、新しい何かを与えてくれるような予感をグレイスに抱いていたのです。ただ、彼女はあくまで自分の好奇心や、夢のために地上へ行きたい。城(共同体)のためではない……。彼女の夢は、この世界への息苦しさの現れでもありました。
その願いに、リグモアも心を動かされます。自分も地上を見てみたい。そして、グレイスの夢が叶う瞬間を見届けたい、と。
これまでゴンちゃん、魔女様ことグレイスは、どこか飄々とした不思議な存在として描かれてきました。その正体は、人魚社会の運命に抗い、自分の人生を選ぼうとした存在でした。
夢は、呪いに?
グレイスは禁忌の薬を手に入れ、地上へ向かいます。本当はリグモアと一緒に行きたかったでしょう。しかし、リグモアはローワンを愛し、人魚の世界で生きることを選びました。
それは決して、グレイスを裏切ったわけではありません。グレイス自身も、そのことは分かっていたのでしょう。だから彼女は、ひとり地上へ向かうのです。そして、人間の王子と出会うのでした。しかし、その夢は長くは続かない。
王子への愛が芽生えた瞬間、グレイスもまたララと同じように人魚へ戻ってしまう。そして、待っていたのは王子による拒絶と、あの短剣でした。
リグモアが守った夢
グレイスは、短剣の力にしたがって、王子を殺してしまいます。王子のものと思われる光、魂を短剣がごくりと飲み干すと、グレイスは私たちが知るあの魔女の姿へと変わってしまったのです。人間たちに命を襲われるグレイス。そんなグレイスを守ったのは、リグモアでした。
命を落とす寸前になっても、彼女はグレイスの夢を、光を否定しませんでした。地上を見たいという願いも、人間を知りたいという好奇心も、間違いではなかった。グレイスが歩んできた人生そのものを、姉妹として受け止め、肯定したのです。
しかし、その代償はあまりにも大きいものでした。最愛のリグモア、そしてプリンセスとしてのグレイスを失ったローワンは、人間への憎しみを募らせ、人魚の世界に厳しい掟を定めます。ローワンが守ろうとしたものもまた、家族だったのでしょう。
だからこそ現在のララは、ローワンが守ろうとした掟と、グレイスが命を懸けて託した夢、その両方を背負うことになってしまったのです。
今週の魚食カウント:掟ではなく、愛のために
ローワンによって人魚の世界を追われたグレイスは、その後、自分と同じような想いを抱くララへ禁忌の薬を託します。そしてララもまた、王子様と出会い、恋をして、拒絶される。しかし、その結末だけは違いました。
短剣の衝動に従い、王子の命を奪ったグレイス。一方ララは、その衝動を拒み、自ら泡となることを選びました。グレイスは、自身と違う結末を迎えたララの心に可能性を感じ、自身の、そしてリグモアとの夢を仮託したのです。ただそれは、ポジティブなものではないでしょう。
愛する者の命を奪い、自らも光を失ってしまったグレイス。地上には光があり、人間と分かり合えるという夢は、もはや彼女にとって幻想でしかなくなっていたのでしょう。それでも、その夢を完全に捨て去ることはできなかった。自身とは違う結末を迎えたララに、自分が歩んできた人生は間違いではなかったのだと、どこかで証明してほしかったのかもしれません。だからこそグレイスは、ごんちゃんとなってララの復活を待ち続けました。自分とは違う未来へ辿り着くことを信じながら。そして、そこで出会ったのが幼い茉里だったのです。
幼少期の茉里、ブツブツひとりで喋っていて、あまりにも可愛い。そんな彼女は、突然喋りだした不気味な熱帯魚・グレイスへ、「死なないでいい」と語りかけます。
茉里は、ごんちゃんを飼育し生かしてきたわけです。もちろん、餌をあげ、水槽を掃除し、熱帯魚として飼育してきたという意味でもあります。ただ、それだけではないでしょう。グレイスの夢も、抱え続けた後悔も、茉里は知らず知らずのうちに受け止め続けていた。茉里はリグモアのようにグレイスを救っていたのです。
鏡の中のグレイスは最後に、「掟ではなく、愛のために生きろ」と言い残し姿を消しました。
㊗#さよならララ 公式X
— TVアニメ『さよならララ』公式✨2026年7月より放送・配信中! (@Goodbye_Lara) September 15, 2026
60,000人フォロワー達成✨
たくさんご覧いただき、ありがとうございます!
応援いただいている皆さまに近日中に素敵なプレゼントをしますので、お楽しみにお待ちください😌
TVアニメ「さよならララ」は、今週日曜日にいよいよ最終回を迎えます。… pic.twitter.com/znp7oiDaSr
えーっと、魚カウントは、5匹のままです。一応、カウントはしておきましょう。次回の最終話で、もしかしたら食卓が描かれるかもしれませんし。しかし、11話ラストにて、ローワンの一振りがララを人魚に戻していましたね。グレイスはこのローワンの行為を防ぐために、命を賭したのでしょうか。記憶を失ったりしてなければ良いけど……。
ララ、不憫ですし、悲劇的でもありますね。グレイスは、人魚としての定めに抗い、自分の人生を選ぼうとしました。しかし最後には、その夢と願いをララへ託してしまう。それは結果として、また別の重荷をララへ背負わせることでもある。それを承知で、グレイスは「掟ではなく」と、ララと茉里に言い残しています。真実を知り、ゴンちゃんからの言葉を受けた茉里はどう動くのか。そしてララは、どのような愛を選ぶのか。泣いても笑っても、次週最終回です!
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作品概要
あらすじ
海の王である父と、姉たちに愛されて、すくすくと育ちました。
ある日、ララは地上に生きる人間の王子に恋をしてしまいます。
それは人魚たちの世界では許されぬ、禁じられた恋でした。
それでもララは地上へ旅立ちます。
魔女グレイスにもらった薬を飲み、人間の姿になったのです。
しかしそれは、”本当の愛”を見つけなければ、
泡となって消えてしまう禁忌の薬でした。
人魚のプリンセスでありながら、人間との愛を望んだララ。
けれど———その願いは叶わず、泡となって海へ消えてしまうのでした。
それから200年。
長い時を経て、人魚姫ララは琵琶湖に蘇る。
今度こそ“本当の愛”を見つけるために———
キャスト
(C)キネマシトラス/「さよならララ」製作委員会

































