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『文豪ストレイドッグス』「黒の時代」を宮野真守さん&宮本充さんが振り返る

『文豪ストレイドッグス』「黒の時代」を宮野真守さん&宮本充さんが振り返る! 太宰と森、それぞれの選択に込めた想い【レポート】

「絶望も怒りもない」。太宰が森のもとを去った理由

森の真意を悟り、対峙する場面で太宰が抱いた絶望や怒りをどう表現したのか。上村さんが問いかけると、宮野さんから「絶望も怒りもないかな。強いて怒りを感じるのであれば、その考え方を理解できてしまう自分に、かもしれない」と意外な答えが返ってきました。森の選択が組織にとっての最適解であることは理解できる。それでも太宰がそこに留まらなかったのは、織田作という友人の元へ行きたかったからでしかないといいます。

森から離れるきっかけとなったのは織田作の死だったのではないか。宮本さんがそう投げかけると、宮野さんは「生きる意味を、人はみんな探していると思うんです。それは太宰だけじゃなくて、僕ら自身もそうだと思うんですよね。自分がどう生きるべきかとか、どう生きたらいいのかなとか」と頷きます。そして「太宰はああいうところに身を置いているからこそ、それこそ生き死にが絡んでくる。生き死にを考えたときに、誰と出会えたかどうかは非常に大事で、この人のために生きたい、この人がいるから生きていけると思えたことが、太宰の救いだったんだなと」と続けました。

大それた理由があったわけではないと宮野さんはいいます。織田作という変わった人物といると楽しく、一緒にいればいるほど楽しくて、それが友達というものなのかと思えた。だからこそ、あの場面で「友達」という言葉を口にできたのだと続け、「悪いこともいいことも自分にとっては大差ないのであれば、織田作が『そのほうが幾分か素敵だ』と言うのなら、そっちをやってみようかな。ただただそう思える、そういう人に出会えたことが太宰にとって大きかったのかな」と結びました。

続いて、森は太宰と織田作をどう見ていたと思うか、と話題が移ります。宮本さんは「僕はもう羨ましいなと思っていましたね。織田作はかっこいいし、太宰も好きだし」としながらも、森は織田作を駒として使い、その冷徹さによって太宰が去っていくのだといい、「やっぱりつらかった。寂しかった。もう行かないでくれと思いながらも、そんなことは露にも見せず。あの別れのシーンは好きでしたね」と振り返りました。

森が登場するのは第1話と第4話のみで、第2話と第3話は収録に立ち会っていなかったという宮本さん。改めて全話を見直したうえで、ひとつの物語として本当に面白かったと話します。そして挙げたのが、織田作を失った太宰が居酒屋で種田長官と向き合う最終盤の場面。散々悲しい思いをした後、いつもの調子に戻った太宰は「人を救う仕事ができますか?」と口にします。そんな太宰の姿は織田作との出会いがあったからこそ。宮本さんは「いい関係だよね」と頷きました。

上村さんも、『文豪ストレイドッグス』は救済の物語であり、その原点である「黒の時代」がここまで丁寧に描かれたことの意義に触れ、原作小説を映像化するうえで、かなり大事なお話だったのではないかと話しました。宮野さんは「びっくりしたもんね、このシリーズの構成の成り方で」と応じ、こうした作り方だからこそ作品もキャラクターも理解でき、アニメから作品に触れた人にも届けられたのではないかと続けました。

「DEAD APPLE」復刻上映、五所川原市とのコラボも決定

イベントの終盤には、作品に関する情報が発表されました。まず、映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』が12月25日(金)より全国30館で期間限定の復刻上映を実施。さらに、ABEMAにてTVアニメ『文豪ストレイドッグス』第1シーズンと第2シーズンの一挙配信が開催されることも告知され、配信後は2週間のアーカイブ配信も予定されています。

加えて宮野さんから、太宰治の生誕地である青森県五所川原市とのコラボ企画が発表に。太宰治記念館「斜陽館」を中心とした市内で、2027年1月から春にかけて実施される予定です。描き下ろしビジュアルや特別展示、スタンプラリーに加え、宮野さんによる録り下ろしボイスの施策も用意されるといい、宮野さんは「録り下ろすみたいなので、ぜひ青森まで足を運んでみてください」と呼びかけました。

そして「太宰治先生もこうなるとは思っていなかっただろうね」とこぼす宮野さんに、上村さんも「まさか自分の作品の名前が異能力になるなんて」と応じ、会場に笑いが起こりました。

イベントの最後には、3人からメッセージが送られました。宮本さんが「楽しかったです」と切り出し、宮野さんは、改めて「黒の時代」を見返して考えさせられる部分が多かったと振り返り、「『文豪ストレイドッグス』という作品としてじゃなくとも、人が生きるってどういうことなのかとか、そういうものに対しての大切な思いとか言葉がたくさん散りばめられた作品だったなと思います」とコメント。そのうえで「ぜひ皆さんもこれからも愛して楽しんでほしいですし、もしよかったら見たことがないという方にも勧めていただいて、いろいろお話を交わし合ってみるのもいいんじゃないかな」と呼びかけました。

上村さんは、たくさんのキャラクターが登場する本作について、どこを切り取っても後々繋がってくる部分が多いと語ります。中島敦を演じる立場としても、「DEAD APPLE」で敦が口にする「幾分か素敵」という台詞は織田作あってのものだといい、「織田作がこの『黒の時代』で紡いできたものを、敦がバトンタッチと言ったらあれかもしれませんけれど、そういうふうに繋いでいっているような感じが、どこを見てもある」と、改めて感じたことに触れました。

そして10周年というタイミングで見返してほしいと呼びかけ、「今まで『文豪ストレイドッグス』の愛をたくさんいただいてはいるんですが、改めてもっと、ここ好きだなとか、そういう思いでいっぱいになってくれたらすごく嬉しいなと思います」と締めくくりました。

『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』作品情報

文豪ストレイドッグス DEAD APPLE

あらすじ

まよい、あがき、さけぶ だって僕は生きたかった
ヨコハマの裏社会に血嵐吹き荒れた「龍頭抗争」から6年後──。
不可解な「霧」のなか、異能力者が自らの力を用いて命を断つという事件が世界各国で発生し、
500人を越える死者を生んでいた。
内務省異能特務課は、これを「異能力者連続自殺事件」と命名。
武装探偵社に、関与が疑われる謎深き異能力者・澁澤龍彦の確保を依頼する。
しかし、時を同じくして太宰が消息を絶つ。
さらに、事件の背後には魔人・フョードルの影がゆらめき......。
異能力者たちに次々と襲い掛かる、かつてない強敵。
街が大いなる悪夢に飲みこまれんとするなか、敦は鏡花と共に澁澤の居城へ走る。
だが、そこに現れた芥川から思いもよらぬ真実を告げられ......。

キャスト

中島 敦:上村祐翔
太宰 治:宮野真守
芥川龍之介:小野賢章
中原中也:谷山紀章
泉 鏡花:諸星すみれ
国木田独歩:細谷佳正
江戸川乱歩:神谷浩史
谷崎潤一郎:豊永利行
宮沢賢治:花倉桔道
与謝野晶子:嶋村侑
谷崎ナオミ:小見川千明
福沢諭吉:小山力也
森鴎外:宮本充
エリス:雨宮天
織田作之助:諏訪部順一
坂口安吾:福山潤
フョードル・D:石田彰
澁澤龍彦:中井和哉

(C)2018 朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグスDA製作委員会

アニメ「文豪ストレイドッグス」公式サイト
十周年特設サイト
アニメ「文豪ストレイドッグス」公式X(@bungosd_anime)

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