アニメ
『魔法少女サイト』芹澤 優が命を削って演じ切る穴沢虹海とは【連載】

【連載】TVアニメ『魔法少女サイト』芹澤 優さん(穴沢虹海役)インタビュー|「魔法少女になった子たちは、みんな命がけ。私も命を削って、精一杯演じていきたい」

絶賛放送中のTVアニメ『魔法少女サイト』。先日放送された第3話では、国民的アイドルグループ「いぬあそび」の「にじみん」こと穴沢虹海が本格的に登場。アイドルとしての華やかで可愛らしい姿が描かれただけではなく、潮井梨ナに親友を殺されたという悲しい過去や、パンツ型ステッキの強力な力などが明らかになりました。

アニメイトタイムズの連載企画第3回では、にじみん役の芹澤 優さんにインタビュー。声優でありアイドルでもある芹澤さんに、アイドルであるにじみんを演じる際の思いや、芹澤さん自身が出演した第3話の実写スペシャルエンディングなどについて、語っていただきました。

▲穴沢虹海(CV:芹澤 優)

▲穴沢虹海(CV:芹澤 優)


■■■連載バックナンバー
【連載1】大野柚布子×茜屋日海夏×鈴木愛奈×芹澤 優×山崎はるか
【連載2】大野柚布子×茜屋日海夏

にじみんは、考えたことは口に出し、思いついた通りに行動しちゃう子

──第3話では、にじみんが本格的に登場しましたね。

穴沢虹海役・芹澤 優さん(以下、芹澤):にじみんは、自分の演じているキャラクターではありますが、本当に可愛い子だなってすごく思います(笑)。人懐っこくて、いつも犬みたいに尻尾をフリフリしているような子なので、そういう雰囲気はすごく意識しています。

作品的に、ここまでに登場した女の子は、怖かったり、暗かったりする子ばかりだったので、初めて明るいキャラが出てくる形になるんですよね。にじみんの登場で、作品の空気も変わった気がするし、物語的にも次の段階に入っていけたのかなと思いました。にじみんも、何も考えていないわけではないけれど、他の子に比べると本能のまま行動するところがあるので(笑)。

──連載第1回の座談会でも作品やキャラクターの第一印象を伺いましたが、改めてもう少し深く教えて下さい。

芹澤:すごく「切れてる」作品だなと思いました。いじめって、多くの人が経験をしたり身近に感じたりしたことはあっても、なかなか触りづらいデリケートな題材だと思うんです。でも、それをこんなにもはっきりと題材にしていて。しかも、単にいじめを描いてるだけではなく、そこにファンタジーの要素が入ってくることで、読んでいてすごく引き込まれたし、魔法少女たちがどういう選択肢を選んでいくのかが気になりました。

この作品の魔法少女は、みんな苦しんでることや葛藤していることがあるので、モノローグが多かったり、心の中ではいろいろなことを感じていたりというシーンがたくさんあるんです。でも、にじみんは、普段は不幸を自分の中にしまって、パーッと明るくできる。それも、努力してそう振る舞っているのではなく、元々、考えたことは口に出し、思いついた通りにすぐ行動しちゃう子なんですよね。

──現実では言わないような言葉を発することには、お芝居ならではの楽しさも感じるのでは?

芹澤:そうですね。きっと観ている人も、言いたいけれど言えないという事はたくさんあると思うので、にじみんや(奴村)露乃が思った事をバシバシ言う姿は、観ていて気持ちが良いんじゃないかなと思います。

私自身は「言いたいことが言えなくて苦しい」みたいなことは、あまりないんですけどね(笑)。あ、でも、アイドルをしている時のにじみんは、超国民的アイドルグループのメンバーなので、その気分を味わえるのは良いですね! 私も超国民的アイドルになりたいです(笑)。

──アイドルのにじみんと、復讐に燃えるにじみんとでは、演技の振り幅も非常に大きいと思いますが、どのように切り替えているのですか?

芹澤:たしかに、さっきまですごく楽しく話していたのに、急に憎悪の感情に全身が満たされたりするんですよね。そういう時、どれだけ瞬時に「殺してやる!」というイメージを体中に満たすことができるかは、オーディションの時も考えたし、今もけっこう研究しています。

──どのような研究を?

芹澤:私は、にじみんのように身近な人の死を経験したことが無いし、「殺してやる!」という感情も持ったことがないので。女の子が女の子を殺害した事件の記事や、そういった内容の作品を読んだり、ニュースを観たりして、悔しい気持ちというか、ダークな感情を自分の中に溜めました。普段そういう感情はなかなか無いので(笑)。

──逆に、アイドルの時のにじみんは、イメージを捉えやすかったのでは?

芹澤:はい。あまり考えすぎたりせず、最初ににじみんのことを知った時のイメージ、ニコニコ笑って尻尾を振ってるような雰囲気のまま、セリフにできたら良いなという感じでした。

 

魔法のステッキを手に入れて、嫌な状況を変えられる。その爽快感はすごい

──第3話までにじみんを演じてきて、特に重要だと思ったポイントを教えて下さい。

芹澤:固くならないようにすることは、すごく意識しています。にじみんは、気を使ったり、遠慮をしたり、お世辞を言ったりすることが本当に無い子で。(朝霧)彩ちゃんたちと同じ14歳なんですけれど、精神面はちょっと子供なんですよね。だから、私が「ちゃんと演じなきゃ!」とか、「こんな風に演じよう」とか考えすぎちゃうと、すごくカチカチになってしまう気がしていて。できるだけ自然に、にじみんとして笑顔で立っていれたら良いなと思っています。といっても、それが一番難しいんですけどね(笑)。

にじみんは、いつも自然体だけれど、テンションはすごく高いんです。私が(意識して)テンション上げようとすると、どうしても硬くなってしまうので、楽しい妄想をしたりして、力を入れずテンションを上げるようにしています(笑)。


──不幸な少女たちが魔法のステッキを手に入れて戦う、という設定については、どのような印象を受けましたか?

芹澤:気持ちいいですよね。私にも、教室で一人になってたりした時期はあるんです(笑)。でも、現実には、そういう時にすぐ解決できる方法はなかなか無くて。とりあえず、やり過ごすしかないじゃないですか? そのうち良い友達ができて、「私も頑張ろう」みたいな気持ちになり、状況が変わっていったりするものだと思うんですよ。でも、この作品では、魔法のステッキという希望が物理的に現れて、自分で嫌な状況を変えられる。その爽快感はすごいなって思いました。

1話に、すごく気持ち悪くて嫌な先輩が出てくるんですけれど。彩ちゃんのステッキで飛ばされて、電車に轢かれちゃうんですよね。彩ちゃんはわざとやったわけではなく、不可抗力なんですけれど、そのシーンを見て「よし!」と思ってしまう自分がいて……ダメダメって(笑)。

──彩は、魔法のステッキを手に入れても、自分の意志で復讐したりはしないですよね。

芹澤:だから、私は彩ちゃんを見ていると、歯がゆくて歯がゆくて(笑)。「もう! 彩ちゃん!」みたいな気持ちになります。でも、一緒にいる露乃がすごくドライなので、すごくバランスが良くて。二人はセットで大好きですね。

 

にじみんのイメージを壊したらどうしようという不安もあった

──第3話のエンディングは、にじみんのキャラソン『...私だけ見てて♥』で、映像は芹澤さんが実写で登場するというスペシャル仕様でした。

芹澤:まさかという出来事で、本当にありがたいです。ある日、お仕事のスケジュールを見たら、「魔法少女3話 実写MV」と書いてあって、「これ何ですか?」って。それから、実写でエンディングをやらせていただけるという話を聞いて、最初は「どうしよう……」と不安でした。

今までもキャラクターとしてMVを撮っていただいたことはあったんです。でも、それがテレビでエンディングとして放送されるとなると……。全国放送のテレビでアニメを観る人の人数って信じられないくらいたくさんいるじゃないですか。私のMVを観ようと思ってネットで探してくれたファンの人とかではなく、番組を観ている人が必然的にエンディングも観ることになるので……。

『魔法少女サイト』という作品が好きで観ている人のにじみんのイメージを壊しちゃったらどうしようという気持ちがすごく強くて、「にじみんみたいに可愛くしなきゃ!」って思いました。だから、にじみんのツインテールを作るために、エクステを付けて髪も伸ばしたんです。今、本当はボブなんですよ。

──プレッシャーも大きかったのですね。では、まずは、レコーディングでのエピソードを聞かせて下さい。

芹澤:レコーディングは、アニメのアフレコが始まる前にあって、スタジオには、松林(唯人)監督もいらっしゃっていました。この曲はすごくカッコ良いロックなんですけれど、最初は、その中でも、にじみんの可愛さを出す感じで歌うのかなと思っていたんです。でも、「キャピキャピした歌い方は止めてください」と言うディレクションがありました。

にじみんはトップアイドルだから、曲によって、可愛かったり、カッコ良かったりという歌い分けができるということだったんです。だから、単なるにじみんのキャラソンというよりは、「にじみんが歌うロックな楽曲」ということをすごく意識しました。

とはいえ、「私だけ見てて」というフレーズや、「ぎゅっ」という擬音とか、曲の中にもにじみんぽさはいっぱい出ていて。そういうところで、にじみんの可愛い部分を出せれば良いなと思って歌いました。

 

命を賭けた戦いや選択肢にどう向き合って、どう成長していくのか

──MV撮影でのエピソードも教えて下さい。

芹澤:ダンスショットや、犬小屋の前で可愛く遊んでいるシーンとかがあったんですけど、ダンスショットでは、ダンサーさんも参加してくださって、ライブっぽい感じで撮りました。でも、自分のグループ(i☆Ris)の時やソロの時のダンスとはちょっと感覚が違って。自分ににじみんを憑依させて踊りたいとすごく思いました。

にじみんは、いつも目がまん丸でキラキラしていて、尻尾を振ってるというイメージがあって。いつも人の目をずっと見て喋れるような子だなって思うんです。MVでも、その雰囲気はできるだけ出したくて、「今は、芹澤 優じゃなくってにじみんなんだ!」と、ずっと自分に言い聞かせながら撮影しました。


──キャラクターを憑依させながら踊ることは、芹澤 優として踊るよりも、さらに難しいことなのでは?

芹澤:にじみんがアイドルをやっている時と、私がアイドルをやっている時は、けっこう似ているところもあると思うので、難しいという感覚はあまりありませんでした。それに、ちょうど3話のアフレコの3日ぐらい前がMVの撮影の日だったので、すでに3話の台本を頂いてたんですよ。だから、撮影の合間合間には、控え室で台本を読んで、ずっとにじみんを感じながら撮影ができました。

──この記事が公開される時には、第3話も放送されていますね。

芹澤:すごくドキドキです(笑)。正直、不安もあるのですが、できる限りにじみんを憑依させたので、楽しんでもらえるんじゃないかな……と願っています。あ、衣装には首輪もあるんですけれど、あの首輪が、私にすごくにじみん感をくれました。本当に犬に使う首輪で、けっこう大きくて重いんですけれど、スイッチになった感じでしたね。付けることで、スッと、にじみんに入り込める感覚がありました。

──最後に、第4話以降の見どころなどをお聞かせ下さい。

芹澤:『魔法少女サイト』は、普段なかなか正面から向き合えないことに、しっかりと向き合っている作品だと思っていて。その中で、キャラクターたちが何を選んで、どう生きていくのかを、すごく感じられる作品です。

私、魔法を使うと寿命が削られるという設定がすごく良いなと思っていて。だからこそ、魔法少女になった子たちは、みんな命がけなんですよ。命を賭けた戦いや、命を賭けた選択肢にみんながどう向き合って、それによってどう成長していくのか。その姿を皆さんに最後まで見届けて欲しいと思っています。その中で皆さんにも、幸せとは何か、不幸とは何か、といったことも考えてもらえるんじゃないのかなって。

原作を読んでいる方は分かると思うのですが、にじみんはただ可愛いだけじゃなくて。今後も大きな展開があるんですよね。私も命を削って、精一杯演じていきたいと思いますので、最後までよろしくお願いします!

[取材・文/丸本大輔]

 
作遺品情報
TVアニメ「魔法少女サイト」

<放送情報>
4月6日よりMBS/TBS/BS-TBS
“アニメイズム”枠 他にて放送開始!
・MBS:4月6日より毎週金曜26:25~
・TBS:4月6日より毎週金曜25:55~
・BS-TBS:4月7日より毎週土曜24:30~
・SBS:4月17日より毎週火曜25:58~
・ATV:4月23日より毎週月曜25:28~
・AT-X:4月11日より毎週水曜22:30~
(※リピート放送:毎週金曜14:30~/毎週火曜6:30~)
Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信!
※放送日時は変更になる可能性がございます。

抗わず生きるか、抗って死ぬか

<INTRODUCTION>
どうやらそのサイトは不幸な人間しか出会えないらしい。だから彼女たちは選ばれた——。

どこにも居場所のない彼女は、いつも死ぬことばかり、考えている。学校ではクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々。朝霧 彩。中学2年生。14歳。

ある日、彼女は不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。

彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃、そしてほかの“魔法少女”とともに、苛烈な運命に巻き込まれてしまう。

これは、魔法の力を手に入れた不幸な少女たちの、友情と青春、そして運命を変える戦いの記録。

<STAFF>
原作:佐藤健太郎(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:松林唯人
シリーズ構成:伊神貴世
キャラクターデザイン:渋谷 秀
サイト管理人デザイン:岩永悦宜
サブキャラクターデザイン:久留米 東
プロップデザイン:小澤 円
美術監督:秋葉みのる(スタジオじゃっく)
色彩設計:のぼりはるこ(緋和)
撮影監督:山根裕二郎(いなほ)
特殊効果:松本乃吾、松尾幸奈(いなほ)
3DCG:山本祐希江、塩野修平、山根裕二郎(いなほ)
編集:岡 祐司
音響監督:納谷僚介
音響制作:スタジオマウス
音楽:井内啓二
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:production dóA
製作:「魔法少女サイト」製作委員会

<CAST>
朝霧 彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤 優
雫芽さりな:山崎はるか
朝霧要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
サイト管理人 漆:中尾隆聖
直人圭介:安里勇哉

TVアニメ「魔法少女サイト」公式サイト
TVアニメ「魔法少女サイト」公式ツイッター(@mgsanime)

(C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会
おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング