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『ID:INVADED』SPイベントレポート・インタビュー

日本でもさらに盛り上げて――あおきえい監督、津田健次郎さんら声優・スタッフ陣登壇『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』スペシャルイベントレポート・インタビュー

現在放送中のTVアニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』が、2月2日(日)にイベントを開催。5、6話上映とスタッフ・キャストによるトークに加え、キャスト出演のインスタレーションショーも観られるというスペシャルな内容で観客を楽しませました。

登壇したのは、あおきえい監督、小玉有起さん(キャラクター原案)、碇谷敦さん(キャラクターデザイン&総作画監督)、津田健次郎さん(酒井戸、鳴瓢秋人役)、細谷佳正さん(百貴船太郎役)、榎木淳弥さん(若鹿一雄役)と、MC岩井勇気さんの7名。ここでは、イベントレポートと終演後の出演者コメントを併せてお届けします。

熱演のインスタレーションに浸る

『イド』のインスタレーションショーといえば、昨年12月にも開催。そのときは津田さんがステージに立ち、モーションキャプチャーで動きが同期した酒井戸とともに観客を『イド』の世界へといざないました。今回は、これの第2弾。津田さんのほか細谷さんと榎木さんも参加し、“本人が役を演じシーンを再現する”というまた新しいインスタレーションショーを見せてくれました。

会場となったのはTMCスタジオ(東京メディアシティ)。バラエティやドラマなどの撮影が行われる大きなスタジオを1つ貸し切り、奥行きのあるステージを設営していました。ステージ前方には紗幕がかけられており、ステージ手前(紗幕)と奥ステージ(後方の壁)にそれぞれ映像を映し出して立体的な空間を作り出していました。3人は本当に『イド』の世界にいるようで、始まった途端その迫力に息を呑みました。

再現されたのは、百貴と若鹿が井戸端で井戸を観察しているシーンや、コックピットに座る鳴瓢と百貴の会話シーンなど。1〜6話からピックアップされ、約5分のショーに構成されていました。前述のコックピットのシーンでは、「2度と? 5度との間違いじゃないですか?」という瞬間、恐ろしい表情を浮かべた鳴瓢がいっぱいに浮かび上がるという演出も。これが、津田さんの芝居をグッと引き立てていました。

ちなみに、このシーンの会話に関しては、以前のイベントで細谷さんがコメント。アフレコで第一声の「おつかれ」に細心の注意を払ったと言っていたのですが、ここで改めて再現されました。同僚だった鳴瓢を駒のように使わなければいけない百貴の、特別な思いがにじむ台詞。観客は切ない表情でステージを見つめていました。

「もっと広まって欲しい」あおき監督の思い

5、6話上映後のトークでも、インスタレーションショーの裏話や感想が語り合われました。『イド』には日常会話で使われないような難しいワードが多いことから、セリフを覚えるのにもひと苦労したという3人。そのため「一緒にご飯を食べているときに、細谷さんが突然セリフ合わせをはじめたんです。津田さんに突然『おつかれ』って言ったり……」と、榎木さん。これには榎木さんも津田さんも戸惑う瞬間があったそうですが、「おかげでセリフがしっかり入った」と満足げに明かしました。

そんな榎木さんには、インスタレーションショーで紗幕に映し出されたパネルを拡大するといった場面がありました。これについて「僕の動きに連動しているわけじゃなくて、映像のタイミングに合わせないといけないんです。もし合わなかったら格好つかないですよね」とポツリ。結果完璧に合わせていたのですが、本番中は緊張の連続だったことを伝えました。また、あおき監督が「20分くらいやってほしい。丸々1話とか」と切望すると、「完全再現とかしてほしいですよね」とすかさず榎木さんも同意。

その後は、アフレコ現場のことやキャラクターのこと、上映されたばかりの6話のことなどが語られました。劇中ではシリアスなシーンばかりの『イド』ですが、アフレコ現場の雰囲気について津田さんが「凄惨なシーンをやっているけど和気あいあい」「オンオフ切り替えられる非常にいい現場でした」と語りました。

そのうえで、酒井戸と鳴瓢の演じ分けについて「第1話の段階で、決められるところは決めた」とのこと。酒井戸にはある程度決まったセリフもあることから、そこを軸にヒロイックに見せているそうです。また、細谷さんは百貴について「シリーズすべてを通して、いろんな立場の人間とコミュニケーションを取る人物」と解説。劇中ではいろんな表情を見せており、芝居にも反映されていることを伝えました。

モノローグ以外はガンマイクで収録するという、珍しいスタイルをとっている『イド』。通常のアフレコマイクより集音性が高いため、“必ずしも立っていなければいけない”ことはないのだとか。そんな環境で、榎木さんが果敢にチャレンジしているそう。葬儀場で若鹿がしゃがんでいるシーン(第6話)では、リアリティを追求ししゃがんだままセリフを発したそうです。

さらに細谷さんからも榎木さんの裏話が明かされ、ガヤ収録ではキャストのみなさんがブースの中央に立てたマイクのまわりをぐるぐる回るって収録(本作の収録環境に限り)するそうですが、榎木さんは対角線上に突っ切るといった動きも見せていたそうです。劇中あまり動くことがない井戸端のキャストだからこそ、葬儀場など変化の見られるシーンでは挑戦したくなるようです。

そんな6話の葬儀場シーンでは、井戸端スタッフの服装も喪服に。細かなところでは、「若鹿のカチューシャがオレンジから黒になっています」と碇谷さんが明かしました。また、東郷も「最初はいつもの(グレーの)スーツだったんですけど、変えたほうが良いんじゃないかと」と、黒にしたそうです。観客からは、「言われてみれば!」と言いたそうなざわめきが起きていました。

また、6話といえば松岡が本堂町を名探偵に指名し、コンビを解消する展開も。夕日をバックに、松岡が本堂町に指名した理由を告げるシーンは、あおき監督が「自分で演出していて悲しかったです。アフレコでも、西凜太朗)さんのお芝居を聞いて余計に悲しくて」と語ると、続けて本堂町の動きについて裏話を披露。

「本堂町が松岡に駆け寄ってピョコッとお辞儀するじゃないですか。あそこで軌跡を作画しているんです。僕らは『おばけ』と呼んでいるんですけど、『イド』では唯一あのシーンだけで使っている手法で」と明かしてくれました。これによりコミカルな動きになり、直後にある松岡の重いセリフが映えるのだそうです。観客だけでなく、キャスト陣も興味津々で耳を傾けるひととき。この場にいる全員が『イド』に夢中です。

『イド』の脚本を書いたのはご存知、舞城王太郎さん。トークでは舞城さんがシリーズ構成を作らず、1話ずつ順番に脚本を書き上げていったことも明かされました。そうしてひとまず最終話まで書き上げたものを1話から見ていき、表現として“飛ばしすぎた部分”や破綻を直す作業を行ったそうです。そのぶん手間がかかっていますが、緻密な内容になっているのは確か。6話まで観てそれを実感している観客たちからは、頷く姿も観られました。

終盤では、金沢や名古屋、博多など、各地で開催する上映会やBlu-ray BOX、DVDの告知のほか、「公式ツイッターをフォローして!」「SNSでいっぱいつぶやいて!」といった呼びかけが登壇者全員からありました。さらに、あおき監督は北米や中国でも評価が高いとしたうえで、「日本でも負けじと盛り上げてほしい。手応えはあるんですが、もっと広まって欲しいんです」と熱弁。観客から大きな拍手が送られていました。dアニメストアやNetflixなど多くのサイトでも配信中の『イド』。まだ観ていない人も、ぜひ。

(C)IDDU/ID:INVADED Society
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