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『異世界おじさん』子安武人×福山潤×小松未可子《現実世界組》声優座談会

夏アニメ『異世界おじさん』おじさん役 子安武人さん×たかふみ役 福山潤さん×藤宮役 小松未可子さんが語る、思い出のゲームと作品の魅力|《現実世界組》声優座談会

賑やかだったアフレコの思い出、最高の役者が集まったからこその面白さ

――キャラクターを演じてみていかがでしたか? アフレコでの感想をお聞かせください。

子安:2人が本当に面白かった!

小松:いやいやいやいや! おじさんが一番面白いですよ。

子安:僕はこの中では一番面白くないと思う。至って普通だなと思いながらやっているんですよ。

小松:そんなことはないです! 第一声からクレイジーでした!

子安:クレイジーだった?

福山:本当にクレイジーでした。

子安:本当に?

小松:もうにじみ出ていました。

子安:クレイジーさがにじみ出てたって、ちょっとひどくない(笑)。

小松:あははは(笑)。

福山:今回の収録スタイルとしては、コロナ禍もあるし、おじさんは異世界のグランバハマルのシーンと行き来しないといけないこともあって、子安さんが1人のブースに入っていたんです。

僕らは通常のアフレコブースで、同時には録っているんですけど部屋が分かれていて、それによってセリフがかぶっても別録りしなくてもいいという良さはあったんですけど、そのぶん子安さんはずっと孤独にやっていたんです。ただ、こちらとしては子安さんの声だけが聞こえてくるから、より面白いんですよね。

子安:ホントにひどいな~(笑)。

――おじさんがグランバハマルで孤独だったところにも通じますね(笑)。

子安:僕は1人で作業しているのと変わらなかったというか、声は聞こえてくるけど、全然かまってくれないし。

福山:時々いじると、やっぱり反応はしてくれるんですよね(笑)。

子安:お芝居で言うと、あれが面白かったよね。小さい頃の藤宮。最高だったよね(笑)。(※子供の頃の藤宮は今からは想像できないような男勝りな性格だった)

小松:おじさんに言われたくはないですけど(笑)。

福山:でも、やるたびに精度が上がっていってた。

子安:初めてやったときは手探り状態で、恥ずかしいのかな?って思ったけど、2回目からはノリノリでやっているな~って思ったよ。

小松:実は(幼少期の)藤宮って共感しかなくて(笑)。当時の女子の性別があるようなないような感じというか。藤宮は完全に男寄りでしたけど。

子安:見てくれはおじさん以上だったけどね(笑)。

小松:それでも、ちょっとわかるというか。私も男子に混ざってドッジボールしたりしてたし、私のほうが若干男子より上にいるような感じだったので。

福山:小学生くらいだと、女子のほうが強かったりするしね。

小松:エピソードにもありますけど、キュンとしてからは急に女の子になるじゃないですか。あれもよくわかるな~って(笑)。

子安:でも藤宮とたかふみって、わかり合ってるよね? 好きなのは。

福山:認識はしているのかもしれないですけど、たかふみですからね……。

子安:はっきり言って、たかふみってクレイジーだからね(笑)。

福山:本当に一番ヤバいヤツだと思います。

――最初は、おじさんがヤバいのかな?と思うんですけど、途中からたかふみも相当だと思うんですよね。

子安:普通の顔をしているからそうではないイメージがあるんだけどね。

福山:おじさんがいて良かったねっていう(笑)。

子安:おじさんがいなければ、ただのクソ野郎だったから(笑)。おじさんを通して人間らしさを教育されている感じがするよね。まぁ、おじさんもすべてゲームから得た知識なんだけど。

福山:彼のサイコパス感は、行き着けば行き着くほど面白くなるなと思って演じていました。

子安:あと、2人のツッコミはホントに面白かった。

福山:小松さんがちゃんと合わせてくれるんですよ。

子安:2人の息はすごく合っていたよね。

福山:打ち合わせもしていないことをしちゃった!って思っても、付いてきてくれる。出番をトチっても合わせてくれるんです。

子安:本当にすごいよね。『異世界おじさん』って、キャストが本当に素晴らしいんですよ。役者さんに任せておけば面白い!みたいなところも考えて決めてくださったのかな?と思うくらい、能力の高い人が集まっている感じはしました。それはもうゲストに至るまで! 本当に驚くようなゲストが来てくださっていたので。それはもう、こんなところにそこまでする?っていうくらい。

小松:ただ、その破壊力がすごいんですよね(笑)。

子安:一声聞いただけで、もう十分!って感じだったからね。

福山:「この役、誰がやるんですか?」って名前を聞いて爆笑が起こるということがよくあったので。だから、コロナ禍になってから現場で一番笑っていたかもしれない。

小松:まず家でVTRをチェックする前に原作を読んでひと笑いして、映像を見ながら合わせて笑って、現場が一番爆発力のある笑いになる、みたいな。

子安:本当は僕もみんなと顔を見合わせて笑いたかったんですけどね……。

小松:でも子安さんと一緒にやってたら、面白くて一生進まない気がする。

――お二人からしても、おじさんの声は最高でしたか?

小松:もう最高すぎて、別のブースで良かったなと本当に思いました。

福山:子安さんの本当にずるいなと思うところが、大きな声を出すとただただ面白いんです。それは誰がやっても面白いわけではないんですけど、子安さんはただ大きい声を出すだけで面白い!

子安:それは若干自覚しているんだけれど(笑)。きっと俺は大きな声を出せば面白いから、とりあえず大きい声を出しておこう、みたいなことあるから。

福山:来るとわかっていても、想像ではないものが来るんです。しかもそれが外れているのかと言われるとそうではなく、僕らの想像ではないものをやってくださるので面白い。

逆にたかふみと仲良くなっていって、2人とも様子がおかしくなるところを子安さんに先にやられてしまうと、僕のハードルがぐんと上がるんです。

子安:2人で竜になるところは久々に楽しかったね。

福山:大のオトナが2人で奇声を発するっていう。

小松:意味がわからなさすぎますよね。

子安:新人でガヤを一生懸命やっている頃を思い出したりして楽しかったなぁ。何でこんなことで楽しいんだろうって。

――3人は異世界側を、どう見ていたのですか?

福山:エルフさんもメイベルさんも、みんな実は一緒に録っていたりするんですよ。おじさんが隔離されていたぶん(笑)、こちら側は絡むこともないので、異世界と現実世界で入れ替わりながらやっていたんです。

小松:異世界チームもちょっとおかしいですよね。キャラクターが、ちょっとずつおかしいから。

子安:現実組はちょっとハートフルコメディみたいなところがあるけど、そうじゃないもんね。

福山:メイベル役の悠木 碧さんは、やる前に腕をぶん回しながら、いっちょかましてやるか!っていう気合いを入れているのを何となく感じるんですよ(笑)。

小松:何を言っているかわからないくらいのニュアンスで言うところで、音響監督の明田川仁さんに「たぶん、本当に何を言っているかわからないくらいにやると思うけど、そこまではやらなくていいからね」って先に言われていたりしましたから(笑)。あおちゃんが想像を超えたものを持ってくるものを見越してディレクションされているのを見ていて、信頼感と期待値の高さがそれぞれの役者さんにあるのがわかって、面白いなって思いました。

――皆さん、おじさんと相対するから、そのくらいの濃さでやらないといけないんでしょうね。

子安:僕は何もしていないですけどね。至って普通です。

小松:これは褒め言葉として捉えてほしいんですけど、異世界でのおじさんの変態感がすごいんですよ(笑)。

福山:変態を演じているのではなく、変態なんです。

子安:なんだよ、それは(笑)。

小松:でもおじさんが、カッコいいなと思うところもあるんです。

子安:カッコ良かったですか?

福山:たぶんおじさんに憧れる人はいると思います。

小松:異世界のおじさんは、人の良さも出ているからカッコいいんですよね。

――少し話題を変えまして、記憶を消す魔法「イキュラスキュオラ」というのが出てきますが、皆さんがイキュラスキュオラしたい思い出などはありますか?

福山:忘れたことは多いけどなぁ。ここ数年、あまり考えていないし、基本、自分を肯定すると決めて生きているんですよ。忘れたいことっていうより、それがあるから今の俺があると決めつけてやっているし、そうしないと保っていられないんですよね(笑)。

だから、自分よりも他人に忘れさせたいというものならあると思いますけど。

小松:私が中学生くらいの頃、ホームページを作るのが流行ったんです。みんなサイトを作っていて、ハンドルネームを作るじゃないですか。あれってめっちゃ個性が出ると思うんですけど、私、蒼架って付けていました(笑)。蒼に、十字架の“架”で。

福山:それは、結構こじらせていますね(笑)。

子安:でも、全然いいじゃないですか! 

小松:私、当時は絶対にこれを芸名にすると思っていたんですよ(笑)。今となっては、それにしなくて良かったなと思いますけど。

福山:それ系ならあるな。初めて携帯を持ったときにメールアドレスを設定したけど、今にしてみるとみんなよく登録してくれたなと思うくらいの下ネタで(笑)。あれは酷かった。

――詳しくは伏せておきますね(笑)。では最後に、TVアニメ『異世界おじさん』を楽しみにしているファンの方へ、メッセージをお願いします。

福山:異世界転生モノとしてもそうですけど、日常モノ、ホームコメディ、全部の要素があるし、ノスタルジーを感じる人は感じるかもしれません。

子安:あと美少女モノね。

福山:そうですね。美少女もかわいいんですよ。この歳になって萌えって本当にあるんだなと思ったんです。そのくらいキュンと来るんです。

子安:どこにキュンときたの?

福山:それはぜひ探してほしいんですけど(笑)。そのくらい、いろいろな角度から楽しめると思いますし、彼らの不可思議な生活に憧れを抱くと思いますので、ぜひぜひ楽しんでください。

小松:本当にいろいろな要素が詰め込まれた作品で、おじさんが取っかかりにはなると思うんですけど、おじさん以外のキャラクターもよくよく考えたら、おかしくない?っていうくらいギャップがある人たちの集まりなんです。

でも、そのバックボーンのエピソードも出てくるので、おかしな彼らに愛着が湧いてくると思います。いろいろな人に刺さる話題もあると思いますし、個人的にはたまに出てくる3人でご飯を食べるシーンが好きなんです。ピザのシーンとか。

子安:あのワンカットで家族のような雰囲気を醸し出しているよね。

小松:そうなんです! 絵で見るとシュールなんですけど、ホッとするんです。そういうシーンもあるので、いろいろな楽しみ方をしてください。

子安:『異世界おじさん』と言って何を期待して見てくださるのかはわからないですが、見始めたら、「え!? 思っていたのと違う」ってなると思います。そう思ってからが非常に面白いと思うんですよね。

異世界帰りから、回想を使って物語が進んで行って、ゲーム好きなおじさんの話かと思いきや、異世界でもちゃんと冒険をしていて、でもカッコ良く転生をしているわけではない。見てくれではないとか人種ではないとか、今の時代にも刺さるようなメッセージもある作品なので、今まさに見てほしい作品です! 面白い作品ですので、まずは最後まで見てください!

[文・塚越淳一]

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異世界おじさん
2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのセガ愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!作品名異世界おじさん放送形態TVアニメスケジュール2022年10月6日(木)〜2023年3月8日(水)AT-X・TOKYOMXほか※最新第8話以降は11月24日(木)~順次放送予定話数全13話キャストおじさん:子安武人たかふみ:福山潤藤宮:小松未可子エルフ:戸松遥メイベル:悠木碧アリシア:豊崎愛生エドガー:鈴村健一ライガ:岡本信彦沢江:金元寿子スタッフ原作:殆ど死ん...

TVアニメ『異世界おじさん』作品情報

2022年7月6日(水)より、BS11、TOKYO MX、AT-Xほかにて放送開始

 

イントロダクション

2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。

病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。

……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。

絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。

おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのセガ愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。

動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!

 

スタッフ

原作:殆ど死んでいる(WebComicアパンダ連載/KADOKAWA刊)
監督:河合滋樹
シリーズ構成・脚本:猪原健太
キャラクターデザイン・総作画監督:大田和寛
アニメーション制作:Atelier Pontdar

 

キャスト

おじさん:子安武人
たかふみ:福山潤
藤宮:小松未可子
エルフ:戸松遥
メイベル:悠木碧
アリシア:豊崎愛生
エドガー:鈴村健一
ライガ:岡本信彦
沢江:金元寿子

 
公式サイト
公式ツイッター

(C)殆ど死んでいる・KADOKAWA刊/異世界おじさん製作委員会
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