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夏アニメ『英雄教室』川島零士×木野日菜インタビュー【連載第4回】

夏アニメ『英雄教室』川島零士さん(ブレイド役)×木野日菜さん(クーフーリン役)インタビュー|クーが初登場した第3話、ブレイドの親子漫才のようなやり取りも見どころ【連載第4回】

「できすぎない」ように微調整するのが難しかったです

――クーの演じ方についてお聞きします。可愛さとドラゴンとしての要素もあるわけですが、どのようなことを意識して役作りしたのでしょうか?

木野:オーディション資料や書かれている文章、そこから原作を読んでイメージを膨らませていったのですが、クーのセリフを見たときに「この見た目とセリフだったら、私だったらこうやりたいな」と頭の中にぽんぽこぽんぽこ浮かんできたんですよ。「こういう風にやってみたらもっと可愛くなるかもしれない」「こういう風にやったら楽しくなるかもしれないな」って。

川島:そういうことありますよね。

木野:頭の中で考えて、自宅で練習してボソボソと口に出してみた瞬間、なんだか知らないけどしっくりきたんですよ。不思議とそういうときって役に決まったり、最終のオーディションまで残ったりするので、これはいけるかもとちょっと思いました。早くオーディション用のテープを録るためにマネージャーに聴いてもらいたい、早く演技したいという気持ちだったのを覚えています。

川島:木野日菜さんは(クーのイメージカラーである)黄色好きですか?

木野:大好きです。

川島:イメージカラーによって性格や作品の役どころがあるじゃないですか。好きな色+黄色から受けるイメージが相まって、やりやすいと感じたんですかね?

木野:確かに、すごくやりやすいキャラクターだからこそぽんぽこ出てきたんだろうし、ちょっと自分と似ている要素もあるのかなと思います。

――似ている要素は、例えばどういうところが?

木野:人に接するときの顔とか(笑)。

――顔!?

木野:資料に表情がいっぱい描いてあるんですけど、クーはギャグ顔も多くて。それを見て「楽しいな」「この顔ならこういう声だったら面白いんだろうな」と思っていたんです。

――人見知りと言っていましたけど、表情は結構出る方なのですか?

木野:仲良くなった人には、表情がいっぱい変化しちゃう方だと思います(笑)。

――クーみたいに、結構構って欲しいとか?

木野:構って欲しいですね。

――クーが「かーまーえー!(構え!)」と言っているのも可愛いですからね。それも含めて、クーの声をアフレコで直接聞いて川島さんはどうでしたか?

川島:初めて聞いたのは第3話のテストだったと思うんですけど、クーの声を聞いて「かわいい……」って声が漏れちゃいました(笑)。

木野:漏らしてくれるんですよ。川島さんが可愛いと言ってくれるから、これでいいよと言ってもらえているようで、すごく自信になりました。

川島:クーだけじゃなくて、ほかのキャラクターもどんな声でくるのか頭の中でイメージするんですけど、クーは圧倒的にイメージを超えてきたなと思って。この声は自分の声帯からはまったく近しくない音じゃないですか。女性でもアーネストのようにキリッとしているとか、ソフィのようにぼーっとしているキャラはわかるけど、僕の頭の中で追求したことがなかった感じだったので、(言葉にならずに)「か、か、かーっ!!!」ってなりましたね(笑)。

木野:あはははは!!

川島:男性キャラでも女性キャラでも、そのアニメが終わるまでに表現や技術的に盗むものがないかなと考えるんですけど、クーの可愛さは男性では上手く表現しえない可愛さがあるなと思います。

木野:でも、実際の収録はすごく難しくて、何回もディレクションをいただきました。自分の中になかったぐらいの細かな微調整具合で。第3話以降はクー感満載で演じられるんですけど、第3話ではまだ抑え込んでいる部分や悩んでいる部分、偽りの姿として表している部分があったので、そこが本当に難しかったです。

――資料を見て思ったクーのイメージを最初から全開で出してしまうのは物語的におかしい。かといって、かけ離れてしまうのもそれはそれで変ですからね。

木野:そうなんです。威張るにも何種類にも威張るやり方があって。私が思っていた威張るより、もっと子供寄りの「上手く威張れない感じに威張る」とか。

川島:大人の威張るとは、確かに違う感じですよね。

木野:威張ることが「できすぎて」ダメだとすごく言われました。「できる」と「できない」の微調整がすごく難しくて……。後半にいくにつれてクー自身も成長していきますが、第3話は本当に幼い状態で演じて欲しいというのが、監督やスタッフの皆さんのイメージであったので、それに寄せていく作業でした。初登場だけどガッツリ出てくるからこそ、調整が難しくて、頭がいっぱいになりながらの収録でしたね。

クーとブレイドの親子漫才のようなやり取りも見どころ

――では、第4話以降の見どころについて、クーはどんな活躍が見られるのかを中心にお聞かせ下さい。

木野:今後は学園のみんなとどんどん仲が深まっていき、一緒にいる時間が増えるからこそ、ぶつかり合って、悩むことも多くなります。第3話では見られなかったクーの格好いいところや、逆にコミカルなシーン、ブレイド以外のみんなに懐いてく姿も見られますので、楽しみにしてもらいたいです。

川島:クーはブレイドが言ったことを言葉の意味がわからずにとりあえず復唱する癖があるから、親子漫才みたいなところもいっぱい出てきます。収録では、テストや本番で僕が言ったことを一瞬の間にトレースして、かつ子供っぽくクーのフィルターを通して「クーがブレイドの真似をしたらこうなるだろうな」と、僕がやり方を変えるたびに木野日菜さんもやり方を変えてくれるので、次は何を投げようかな? と思っていました。

木野:楽しかったよね。

――それって一緒に収録する醍醐味ですよね。

木野:ほんとそうなんですよ。分散収録だとアドリブも入れにくいですし。一緒に収録するからこそ広がる、このわちゃわちゃ感が声になってみんなに届くのかなって思います。

――木野さんから見た川島さんの演技の印象はいかがですか?

木野:ブレイドはどういう声なのかな? 王道的な声なのかな? と頭の中でいろいろイメージしていたんですけど、それよりも川島さんがやられた方がより魅力的だと感じました。王道で元気で、ちょっとアホっぽいけど真っ直ぐなキャラクターになっていて。川島さんのことはこの収録が始まる前から一方的に知ってはいたんですけど、クールな役やリアルな演技が素敵だと思っていたんです。

そうしたら、ブレイドのようなキャラクターをこんなにコミカルに演じられて。私が感じる川島さんの持ち味といいますか、魅力的なところであるリアルでそのままの飾らない声、真っ直ぐ伝えるところが、ブレイドの真っ直ぐさとうまく融合しているなと感じました。ブレイドの女心がわからないところも、あっけらかんと演じているのがいいなって。

川島:嬉しい。あの木野日菜さんにそう言っていただけるなんて。

木野:みんながべた褒めすると思いますよ。

――ブレイドのような役は今までそんなにやってこなかったんですよね?

川島:そうなんです。まさか僕が勇者の役をやる日がくるとは。『英雄教室』の収録をした頃は、コメディ作品をあまりやったことがなくて。ブレイドは幅が広いから僕の持ち味の中でも使っていなかった領域を出せるというか、それに耐えうるキャラクターだろうな、裏声で変な声を出したとしてもたぶんハマるだろうなと思っていました。一般常識がわからないからこその感じも出せたらなと。

木野:ブレイドって結構近くないですか? 川島さんに。

川島:僕も自覚があります(笑)。

――声を抜きにしてでも構いませんので、ブレイドのような男性は木野さん的にどうですか?

木野:ブレイドって嘘をつかないじゃないですか。本当に真っ直ぐな人で。人を傷つける嘘はもちろん言わないですし、人を傷つけない嘘だとしても言わないというか。あったままのことを話してくれる、すごく信頼できる人だなって思います。女心はわかっていないですけど、そこもクスっと笑いに変えてくれる力があるし、ぜひ友達になってもらいたいキャラクターですね。

(C)新木伸・森沢晴行/集英社・英雄教室製作委員会
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