
『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』《異世界》座談会|井藤智哉さん&稲垣好さん&田中美海さん&大野智敬さんが創る、パーティーの絆とキャラクターの個性
キズナファイブと異世界。ふたつのパートを灯悟が繋ぐ
──井藤さんは回想も含めて『絆創戦隊キズナファイブ』としてのレッド、異世界に転移した後のレッドを演じていますが、その辺りの境目みたいなものは意識されていますか?
井藤:個人的にはあまり意識していなかったんですけど、キズナファイブパートは実写の戦隊を演じた経験がある方々がボールを投げてくださっているので、自然と異世界パートよりも誇張したお芝居に切り替わっていた気がします。逆に異世界パートはその場の掛け合いで作り上げていく感じがして、感覚的にはだいぶ違いました。
田中:キズナファイブのパートは別録りが多かったよね。
稲垣:私たち異世界パートの収録が終わった後にキズナファイブのみなさんが来たり、その逆もありました。
大野:分かりやすかったですね。僕ら3人はキズナファイブ側と関わりが薄いからこそ、「戦隊のことを知らない人たち」という感覚が損なわれず、井藤くんはどちらの世界にも顔を出していて。ふたつの世界がリンクしているように感じました。
井藤:本当に全く別の作品を録っている感覚というか。
大野:キャストもガラっと変わるしね。でも、それが綺麗にハマった気がします。
──灯悟は「〜だぜ」という語尾も特徴的なキャラクターですよね。
井藤:そうですね。テストで「“だぜ”が足りてないかも?」と感じた時、「ここにも“だぜ”を付けていいですか」とお願いしたら反映していただけて。役者側の提案や変化球的なプランも受け止めてもらえる柔軟な現場だったので、一緒に作っている感じがして楽しかったです。
大野:僕らとしても、灯悟のアイコンになるセリフなので、沢山言ってくれた方がいいなと思っていました。
稲垣:「絶対このセリフには付かないだろう」と思うところにも付けていて(笑)。
田中:面白かったし、レッドっぽさが出ていいよね。
──特番やイベントなどに出演する時に「だぜ」を付けたら成立しそうです。
田中:一発ギャグみたいになっちゃう(笑)。
大野:先行上映に来ていたお客さんもすごく喜んでいたよ。「本物のレッドだ!」ってなりますし。
井藤:温かく受け止めてもらえて嬉しかったです。
女の子とロボットと……特撮&異世界の良いとこ取りが随所に
──改めてアニメの映像をご覧になった感想をお聞かせください。
稲垣:きれい!
大野:最高!
田中:普通に視聴者目線で見入ってしまいました。私とロゥジー(大野さん)は第01話を知らなかったから、アバンのクライマックス感にびっくりして。「井藤くん、頑張ったなあ」って(笑)。「視聴者のみなさんもきっと引き付けられただろうな」と思うほどのインパクトがありました。
稲垣:私と井藤くんは完成した映像を観る前から聴いていたんですけど、劇伴と挿入歌もすごくて。
田中:一度聴いたら頭から離れないです。
井藤:あれが第01話のアバンですからね。
田中:あのアバン、一番好き!
井藤:あとアフレコの段階で、「マキシマム・キズナカイザー」のCGがほぼ完成していたじゃないですか?
大野:そうだったね。
井藤:そこにも熱量を感じましたし、第02話のイドラのサービスシーンもすごく描き込まれていて。
稲垣:気合を入れるところが分かりやすかった(笑)。
大野:女の子とロボットと。さすがサテライトさんだなって。
井藤:第01話の変身シーンもスーツの光沢感とか、こだわりが詰まっていると思いました。大人たちが目を輝かせながら、愛情を持って作ったことが伝わってきます。
──アニメなのに「キズナファイブ」が登場するシーンは実写の特撮を観ているようで、二次元と三次元を行き来する感覚になりますよね。
大野:段々実写に見えてきますからね。大人の本気を見た気がします。
稲垣:「マキシマム・キズナカイザー」の合体シーンも想像以上でした。
田中:キャスティングにもすごく拘っていて、特撮ファンには堪らないですよね。原作から好きで応援してくださっている方も初めて観る方も絶対に裏切らないというか、愛を込めて、みんなで作っているのがいいなと。メインキャスト以外がなかなか発表されなくて、「早く解禁されないかな?」とウズウズしていました。
大野:ね!「あのキャラクターを演じるのはあの人なんだよ」って早く伝えたかった。
井藤:「キズナファイブ」のメンバーや「絶縁王」のキャストは発表されましたが、まだまだ隠し玉がありますからね。
田中:私たちも発表された時のみなさんの反応が楽しみです。
──音楽制作を担当している日本コロムビアは、これまでに数多くの特撮作品の音楽を手掛けています。
大野:そうなんです。どこまでも本気なんですよ!
井藤:逆にオープニングテーマは、異世界に転移した後の灯悟にフォーカスした曲(牧島 輝「Cuz I」)になっているし、エンデイングテーマ(内田 彩「Explosive Heart」)もイドラの内面を描いているので、パキっと切り替わるのがいいですね。
稲垣:あのOPが流れたらみんなヒーローになれると思います。EDは映像もすごく可愛いし。
大野:あれは刺さったなあ。
田中:EDだけで何回も見返しちゃいました。
井藤:特撮と異世界、それぞれの要素の良いとこ取りが随所に感じられると思います。
「漫画でもアニメでも中吉先生の最高の世界観を楽しんでほしいんだぜ!」
──第04話以降の見どころと演じるキャラクターの注目ポイントをお聞かせください。
井藤:あ、あ〜……声大丈夫かな?
大野:音はいいのよ。文章にしてもらうんだから。
井藤:あっ、そうか!
一同:(爆笑)
大野:ロゥジーは格好良いシーンやコミカルなシーンなど、色々な面を見せますが、基本的にはテルティナ様が大好きすぎるキャラクターです。正直、最初に演じた時はあんなにクセが強くなかったと思います(笑)。もしかしたら、ロゥジーが僕の方に寄ってきているのかもしれません。川口監督や中吉先生がアドリブで入れたボケを「良いじゃん!」と肯定してくれたからこそ、どんどんボケがコミカルになっていきました。
今までコミカルな役を演じた経験をロゥジーに落とし込んで、彼の魅力が深まればという想いがあります。第04話以降も色々な一面が出てきますので、作品を楽しんでいただきつつ、ロゥジーのことも好きになっていただけたら嬉しいです。
田中:異世界で現れる敵がどんな思惑で動いているのか、何故テルティナはイドラの元を訪れたのか、様々な謎が少しずつ分かってきます。
また、ところどころに入る特撮やギャグの要素は『異世界レッド』ならではですし、テンポの良さでストレスなく楽しめると思います。この作品のヒロインと言われているテルティナの可愛さや芯の強さにも注目してください。
稲垣:イドラは戦えるので格好良いし、頭脳派なので、今後も頼もしく感じられる瞬間が沢山出てくると思います。
加えて、この先の話数で最高に可愛くて尊いシーンがあって、川口監督も「ここがイドラの可愛さのピークです」とおっしゃっていました。そのシーンは私も気合を入れて演じましたので、みなさんにも「イドラ可愛い!」と思っていただけると嬉しいです。色々なイドラの表情も楽しんでいただければと思います。
田中:それから、私たちがMCを担当している『戦隊レッドとキズナラジオ』という番組もあるんだよね。
稲垣:絶賛配信中です! 聴きどころはコーナーMCの井藤くんがすごく頑張っているところ。
井藤:そこは胸を張って言えます。
稲垣:井藤くんが“孤独なヒーロー”として頑張っています(笑)。個人的には美海ちゃんとの相性の良さを感じていて、初回から気が合うなと思っていました。
田中:お互いにオタク気質なので(笑)。
稲垣:毎回時間ギリギリまで、楽しくお話しさせていただいています。
田中:今後の回では、もしかしたらゲストさんがいらっしゃるかも。
大野:僕を呼んでくれなかったら絶対に嫌です(笑)。
稲垣:(笑)。『異世界レッド』の収録の裏話や最新情報などをお届けしていきたいと思います。ぜひ聴いていただいて、よろしければアニメを観た感想や質問なども送っていただけたら嬉しいです。
──それでは最後に、井藤さんに座談会の締めをお願いしたいと思います。
井藤:テルティナとロゥジーが登場して、ようやくパーティーが組めました。今後は4人が少しずつ馴染んでいく様子やロゥジーの過去も語られますし、敵味方関わらず個性的なキャラが次々に登場します。
「キズナファイブ」のパートに関しては、登場する怪人の名前にも注目していただきたいです。中吉先生はユーモアたっぷりかつユニークなので、美しい散りっぷりはもちろん、「この怪人の名前、ダブルミーニングじゃん!」という発見もあると思います。
そして熱血漢な灯悟ですが、決して単純なキャラクターではなく、ここからは「キズナファイブ」として過ごしていた時の内面や過去のエピソードも描かれます。灯悟の過去と異世界での活躍を目を離さずに見守っていただけたら嬉しいです。
「マンガでもアニメでも中吉先生の最高の世界観を楽しんでほしいんだぜ!」
稲垣&田中&大野:(拍手しながら)素晴らしいー!
[インタビュー/永井和幸]
作品概要

あらすじ
その野望に立ち向かう、絆で結ばれた5人の戦士たちがいた。
そのヒーローの名は、《絆創戦隊キズナファイブ》!!
キズナファイブの5人は、遂にゼツエンダーとの最終決戦へ。
壮絶な戦いの中で傷付いていく仲間たち。
4人の想いを背に、《キズナレッド》は単身《絶縁王》へと挑む。
激戦の果てに敵と相打ちになるレッド。
命を落とした―――かに思われたのだが、気が付くとそこは《未知の世界》だった!
異世界でも困った人々を救うため、真っ赤なヒーローは冒険者となり今日も戦う!
《異世界×戦隊ヒーロー》でおくる、絆の最強英雄譚!!
キャスト
(C)中吉虎吉/SQUARE ENIX・異世界レッド製作委員会