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『SPY×FAMILY』Season 3 甲斐田裕子インタビュー

TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3甲斐田裕子 インタビュー|シルヴィアを演じる楽しさを語る「役者は日々戦い、探求の連続ですね」

 

キャラクターごとにフォーカスしたお話が多いSeason 3

──Season 3 の中で、注目ポイントをお聞かせください。

甲斐田:「MISSION:41」はお当番回で楽しかったです。ここのお話にも爆弾の時と同じくらい好きな「自分の頭で考え続けろ」というセリフが登場します。大事なキーポイントになるようなことを彼女が言っていますが、原作の遠藤先生が言いたいことを彼女が代弁しているような気がします。

このお話も現代にも通じるところがある。どこに真実があるのか実際はわからない。情報は次々変化し世論も目まぐるしく変わる。それに右往左往する新人諜報員が登場します。彼らの世界も私たちの世界も SNS とか情報化社会の中で、溢れる物事の中から取捨選択をしていかなくてはいけない。どの情報を信じるのか信じないのか、感情や印象だけでは正しい判断はできず、歴史を知ること、実際に目にすること、知識や経験、教養から複合的に見えてくるもの……。

いつの時代もそうなのかもしれないけど、最後の「自分の頭で考え続けろ」、これがすごく大事だなって思っています。でもなかなか難しいですよね。アニメを見ている方々にも、ただ物語を見てるだけでなく自分ごととして、キャラたちの右往左往を感じてもらえるといいなと思いながら演じました。

 

 

──気になるエピソードはありますか。

甲斐田:**Season 3 には、戦争やキャラクターたちの過去が出てきます。戦争という過去を抱えた彼らがそれをどう乗り越えて今を生きているのか、また現実世界には今も戦争地域がありアニメで描かれる以上の状況が実際に起きているんだというのを地続きに考える機会になったらいいなと思います。

それからSeason 3は、キャラクターごとにフォーカスした話が多いです。フランキー・フランクリン役の吉野(裕行)さんも「今まで分しゃべった」と言っていました。モジャモジャと〈夜帷〉の回も非常に大好きなので楽しんで欲しい! それぞれのキャラクターの深堀ができる話数がいくつかあるので注目ほしいです。特にMISSION:41!そして最終話に向かっての映画のような流れも楽しみです。

 

TVアニメ『SPY×FAMILY』の魅力

──TVアニメ『SPY×FAMILY』の好きなところをお聞かせください。

甲斐田:最高の原作があって、その画が動いて、声や音楽や効果音が入ることで、またそこに深みが増すのがアニメーションの面白さであり、特に『SPY×FAMILY』は、いいキャスティングだなと、いつも新キャラクターが出る度に思うんです。Season 3 ではダミアンの母のメリンダ・デズモンドが初登場するんですが、「メリンダ役は誰がやるんだろう?」と思っていたら、キャストがわかって「なるほど!」と思いました。

この作品は種﨑(敦美)さんがいい仕事をしているなぁと思っています。アーニャという独特のキャラクターをとても魅力的に膨らませるお芝居と声。彼女の努力をいつも陰から見ています。そしてその周りのキャストも見事にうねりを起こしているから惹き込まれる作品になっている。作品は一人では作れないですからね。

さらに緩急の計算された演出と、素晴らしい音楽!やっぱりアニメは総合芸術なんだなと実感する作品です。

 

 

──作品の中で、好きなシーンや印象に残っているエピソードはありますか。

甲斐田:この作品のSeason 1でひとりぼっちだったアーニャ、ロイド、ヨルの3人が疑似家族になっていくまでの話がすごく好きで、一番好きな話数は、MISSION:1「オペレーション〈梟〉」。(家で留守番のアーニャが父の尾行しようとして、何度もロイドに見つけられるシーン)天井に隠れていたアーニャがロイドに見つけられると、「ちちすごいみつけてくる」と言うんですけど、そのセリフがなぜかだいぶ刺さっています。そういう信頼できる、わかってくれる人を見つけたと喜び、そして最後の「ちちものすごいうそつき でも…かっこいいうそつき!」までの流れが大好きです。

そこから疑似家族になって、安心できる人たちを見つけて、だいぶアーニャの本性、黒いアーニャが見えてくるのも面白いんですけど、「家族」を再び失わないために一人奔走してる姿でもあって健気です。時々調子に乗っちゃうけど(笑)。

あとはそうだなぁ、〈夜帷〉というキャラクターも大好きで、彼女が雨の中に飛び出して葛藤しつつ決意を新たにするMISSION:21が印象に残ってます。普段はいじらしいほどの狂気じみた「好き」を内に抱えてる彼女の、涙。楽しく見られる『SPY×FAMILY』の物語の中で時々描かれるシリアスなシーンは心に刺さる引き締めになっています。

──収録現場の雰囲気はいかがですか。

甲斐田:コロナ禍だった時はみんなで一緒に収録ができなかったですが、今はみんなでできるので、夢のようです。

それぞれいいキャラをした実力ある役者がそろっていて、チームワークもいい。時々、ベテランが来てくださるので、バランス的にもすごく理想的ないい現場だと思います。若手は私も含めですけど、先輩の背中を見て、いろいろ学んでいくことが多いですし、コロナ禍を経て、そういう現場が復活して良かったと思っています。やっぱりね、隣に立つ共演者の空気や熱を感じながらしゃべると計算してなかった感情や音が出てくるんです。そういうなんとも言えない揺らぎが、行間を豊かにしシーンに厚みをもたらしてくれる。あとマイク前に立つ空気感でその役者の人となりも見えたりする、それを観察するのも好きです。

 

 
アーニャ役の種﨑(敦美)さんとは、『SPY×FAMILY』の収録現場だけでなく、他の作品の現場でもよく芝居の話をします。疑問点や悩みがあると、「どうしたらいいのか」と聞いてきてくれて、「私も同じような悩み持ってたよ、私はこうしたよ」「そこは気にしない方がいいよ」など色々答えます。お互いリスペクトし合って、一役者同士として話ができる関係はいいなと思います。

種﨑さんの魅力は、お芝居はもちろん、いつも上を目指し悩み続ける姿勢。いろいろな作品で共演してますがナチュラルなお芝居がとても素敵です。他の人には出せないニュアンスを持っていて、独特の空気感があります。かわいい女の子も男の子もどんな役もやるのに、「大人の女性をどうやったらできるようになりますか?」と常に探究心の塊。探求する子は自分の新しい道や引き出しを見つけるんですよね。

かくいう私も最近、自分の中の引き出しを探し、増設している日々です。年を経ると似たような役が舞い込みがちですが、ありがたいことに新しい試練をいくつかいただいて研究しています。非常に嬉しいです。役者はいつだって悩んでいるし、一生悩み続けるんです(笑)。日々戦い、探求の連続ですね。

──最後に、本作のファンのみなさんへメッセージをお願いします。

甲斐田:相変わらず面白いTVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3をぜひぜひ堪能していただけたらなと思います。私も一視聴者として楽しんでおりますので、一緒に最終話まで満喫しましょう。

──ありがとうございました!

 

作品情報

SPY×FAMILY Season 3

あらすじ

人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――

世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。

東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。

西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。

その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。

内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。

〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。

だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!

3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。

ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。

キャスト

ロイド・フォージャー:江口拓也
アーニャ・フォージャー:種﨑敦美
ヨル・フォージャー:早見沙織
ボンド・フォージャー:松田健一郎
フランキー・フランクリン:吉野裕行
シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子
ヘンリー・ヘンダーソン:山路和弘
ユーリ・ブライア:小野賢章
ダミアン・デズモンド:藤原夏海
ベッキー・ブラックベル:加藤英美里
フィオナ・フロスト:佐倉綾音

(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

 

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