
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第11回:中尾役・津田健次郎さん 前編|中尾の人生が本格的にスタートした瞬間。「自分はどう生きていくのか」という問いを突きつけられていく
「お前ら、そんなにいいヤツだったんだ?」
ーー非常に熱量の高いアフレコ現場だと伺っています。中尾を演じる際は、全体の空気に合わせて演技をされるのか、それとも一歩引いた視点から演じられるのでしょうか?
津田:穏やかに進んではいますが、全員がシリアスもギャグも、どちらも熱量高く取り組んでいるという印象です。中尾に関しては、すごくマイペースなんですよ。特に序盤、中尾は東島たちとの絡みが少なかったこともあって、同じ現場でアフレコしていても、ある種の独自路線を進んでいた気がします。
ーーそういう意味でも、伊藤、石毛、佐藤ら子分たちとの関係性は重要だったのではないでしょうか?
津田:子分たちとの関係については、中盤から大きく動き出していきます。中尾的にも、「お前ら、そんなにいいヤツだったんだ?」と思わされる場面があるんです。そこで見くびっていた彼らに対して、実はすごく愛情を持って接してもらっていたことに気づいたのかなと。
ーー中尾自身は、彼らとの絆に気づいていなかった訳ですね。
津田:例えば、時に命をかけて守ってくれるとか。現状は、そういう存在であることに中尾が気づき始めた段階ですね。個人的にも、最初はポンコツな3人組というイメージだったんですけど、その印象がどんどん変わっていきました。
ーー演じているのもベテランの声優陣です。
津田:普通に考えると、もっと若手の役者さんが演じそうなポジションなんですけど、あの3人……(笑)。
ーー鶴岡聡さん、落合福嗣さん、阪口大助さん、という結構なベテランが(笑)。
津田:これがすごく効いているというか。演技力を求められているからこそのキャスティングだと思います。それがまさに今現場でドライブして、すごく活き活きと演じてくれている印象です。
ーー現場での掛け合いも楽しそうですね。
津田:すごく賑やかです。ショッカー強盗をしていた頃から、ちょっと馬鹿なテンション感がありました。そういう中で、中尾だけが「何やってるんだ、俺……」みたいな感情をどこかに抱えている。そのテンションの差によって、ギャップを生んだり、逆に引っ張られたりと面白いバランスを生んでいます。
ーー第11話では、3人が中尾を「コンバットガール」というアイドルのライブに誘うシーンも印象的でした。
津田:そうですね。今後はコンバットガール関連で、意外な展開が待っています。中尾もそうですし、東島たちの方も「こんな展開になるんだ……!」とか。演じていても、物語の構成に良い意味での裏切りが多くて。そういった創意工夫がエンタメとしての面白さを上げているような気がします。
[インタビュー/小川いなり]


























































