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TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』森田成一×杉山紀彰×梅原裕一郎が目指した120パーセント【インタビュー】

「主人公だけが突出して格好いいのは、逆に格好悪い」森田成一さん、杉山紀彰さん、梅原裕一郎さんが語るTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』――全員で目指した“120パーセント”【インタビュー】

 

一護と過ごした時間が、雨竜の選択に与えたもの

──今回は、ハッシュヴァルトと雨竜の戦いが大きな見どころのひとつになっています。どのような思いで収録に臨まれましたか?

梅原:終わりに向けて物語が進んでいくことに対して、寂しさはありました。

ハッシュヴァルトとしては、これまでバズビーとの戦いなどでも、それほど感情を表に出さないように描かれています。なので僕自身も、感情を盛りすぎないように演じてきたんです。ただ、最終決戦では、石田雨竜との対話を通して、ハッシュヴァルト自身が自分の気持ちを言葉にしていきます。そうして自分の気持ちを言葉にしながらも、生き様のようなものは最後まで変わらなかった。そのことも含めて、ハッシュヴァルトには、ある種、救われた部分もあったのではないかと、演じながら感じました。

──ハッシュヴァルトの強大な力に立ち向かう雨竜からも、これまでとは異なる一面や心の内が見えたように感じました。杉山さんは「禍進譚」に向けて、どのように演じられましたか?

杉山:ハッシュヴァルトとの戦いについては、ハッシュヴァルトという強敵とどう相対していくのか、彼がどれほどの力を持っているのかというところも含めて考えました。でも……なんていうんでしょうね。「禍進譚」に進む前、一護たちと別行動を始めた段階から、自分が命を落としてでも、滅却師(クインシー)としてやらなければならないことがあるという覚悟で動いています。ですから、ハッシュヴァルトとの戦いを迎えたからといって、そこであらためて気持ちが大きく変わったわけではないのかなと。

いろいろなことを考えていたとは思うんですよね。一護たちが戦っている間、周囲に邪魔をさせないことや、時間を稼ぐことも考えていたでしょうし、自分の命についても考えていたはずです。最終的に生きるか死ぬかはわからなくても、やれるだけのことをやり抜くしかない。ある意味では、達観していたのかもしれません。言葉にするのは難しいんですが、「禍進譚」に入ってから、あらためて何かを決意したというよりも、雨竜が最初から考えていたことが、ここで描かれたのだと思います。一護から「どうしたいんだ」と問われる場面があり、そのうえで「僕はこれをやる」と決めている。死んでもおかしくないという覚悟を持って戦っているからこそ、変な焦りや気負いもなく、やれるだけのことをやるだけだったのではないでしょうか。

──まさに雨竜らしいですね。

杉山:そうですね。絶対に勝てるとも、絶対に負けるとも思っていない気がするんです。やれるだけのことをやった結果、どうなるかはわからない。僕が思うのは、雨竜は最初からいろいろなことを考えて計画を立て、自分なりの考えで動いているんですけど、一護と長く一緒にいたことで、一護の考え方や行動様式に少し染まっている部分もあると思うんです。

出たとこ勝負のようになる場面でも、「あいつなら、こう言うだろう」と考えることがあるでしょうし、一護に対する理解も以前より深まっている。具体的に言及することはなくても、気がつけば雨竜自身も、一護と似た選択や行動を取るようになっているのではないかと感じました。

 

森田さんが語る最終クールの演技設計

──森田さんは「千年血戦篇」が始まった際、月牙天衝を放つ声について、「まだ30パーセントくらいに抑えている」とお話しされていました。今回の「禍進譚」の第1話から第3話では、声の力を何パーセントくらい出したのでしょうか?

森田:第1話から第3話までは、そこまででもなかったですね。前の「相剋譚」で言うと、60パーセントくらいだったんじゃないですか。

──60パーセントですか。

森田:はい。「禍進譚」の第1話から第3話では、月牙十字衝にしろ月牙天衝にしろ、戦いのなかで比較的早く技を出していましたよね。「ここでドンと入れる」という完全な決め技のような感じではなかったので、「禍進譚」のレベルで30パーセントから40パーセントくらいで、あまり変わらなかったのかもしれません。「禍進譚」を通しても、フルスロットルではなかった気がします。

──物語全体のバランスを意識されていたのでしょうか。

森田:そうですね。必殺技だけをフルスロットルで演じてしまうと、かえってごちゃついてしまうと思ったんです。必殺技だけを100パーセントにするのではなく、ほかの部分にも力を分散させて、芝居全体で100パーセントになるようにしていった気がします。

最初の頃の『BLEACH』では必殺技で勝負が決まるという、いわゆる王道のヒーローものとして受け止めていましたし、そういう形で一護を構築していこうと考えていました。でも、今回の『BLEACH』に関しては「そうではない」と、物語を演じていく中でわかったんです。一護も物語を構成するひとつのパーツになり、みんなの力を合わせたものが“必殺技”になっていく。そのほうがいいだろうとイメージが変わりました。だからこそ、主人公だけが突出して「バーン!」と決めるのは、少しダサいのかもしれない。

── 一護だけではなく、全体で戦うということですね。

森田:そうです。今回の最終決戦、そして「千年血戦篇」に関しては、そのほうが格好いいと思いました。

── 一人で100パーセントを担うのではなく、全員で120パーセントを目指すようなイメージでしょうか?

森田:そうですね。目指すところは、そこになるんじゃないでしょうか。ご覧になってわかったと思いますが、先ほど梅ちゃんも話していたように、いろいろな場所で戦いが同時に起こっていて、それぞれに見せ場があります。そうなると、主人公だけが突出して格好いいというのは、逆に格好悪いと思うんです。

「ここはこういう見せ方」「こちらはこういう見せ方」と、それぞれに合った表現をする。『BLEACH』自体がスタイリッシュな作品なので、そのほうが格好いいのではないかと思いました。

──「千年血戦篇」が始まった頃に梅原さんへ取材した際、「森田さんは月牙天衝を30パーセントほどの声量で演じているそうです」とお伝えしたら、「半端ないですね」と驚かれていました。

一同:(笑)

杉山:収録でも、テストの段階から本気で演じていますからね。僕が「森田さん、少しセーブしなくて、声は大丈夫ですか?」と言うくらいで(笑)。

森田:「大丈夫、大丈夫」ってね(笑)。リハーサルで声を出しておかないと、本番で出せないんですよ。そこで「よし、声ができた」となる。江夏豊さんと同じですよ。マウンドに立ってから、投げながら肩を作っていく。江夏さんは、その前にブルペンへ行かなかったそうですから。

杉山:なるほど(笑)。

森田:僕は昭和の人間ですから。全然大丈夫です(笑)。

梅原:いや、もうすごすぎますよ。

──ファンの皆さんも、この先の展開を楽しみにされていると思います。本日の作品をご覧になる方々へ向けて、最後にメッセージをお願いします。

森田:東京で行われるライブ・ビューイングを含めた先行上映会が、世界で最初の上映になりました。さらに、ワールドツアーとして、さまざまな国でも上映されています。。最終クール「禍進譚」は世界中の『BLEACH』ファンから注目されていますし、皆さんが本当に待ってくださっています。放送の反響がどのようなものになるのか、とても楽しみです。

 
[インタビュー/逆井マリ]

 

作品情報

BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-

あらすじ

最後の聖戦、迫る――。

『週刊少年ジャンプ』で連載され、シリーズ累計発行部数は1億3000万部を超えるなど、完結後も世界中で根強い人気を誇る『BLEACH』。

2004年10月より放送を開始したTVアニメは、これまでに360話以上が制作され、長編劇場アニメも4作を数える。

そしてついに、シリーズの最終章 “千年血戦篇”のアニメプロジェクトの幕が上がる

監督とシリーズ構成は、数々の作品で卓越したビジュアルセンスを発揮してきた田口智久。

キャラクターデザインの工藤昌史、音楽の鷺巣詩郎は、最初期からアニメ『BLEACH』を支え続けるオリジナルメンバー。

アニメーション制作もこれまでのシリーズ同様、ぴえろ(スタジオぴえろ)が担当し、第3クールからは、田口智久を総監督とし、第2クールまでチーフ演出を務めていた村田光を新たに監督に迎え、ハイクオリティのアニメーション制作を目指すぴえろ(スタジオぴえろ)の新ブランド「PIERROT FILMS」が制作を担当する。

まさしく「最終決戦」にふさわしい実力派スタッフ陣で挑む、ファイナル・シリーズ。

はたして、黒崎一護がたどり着くのは――。

キャスト

黒崎一護:森田成一
石田雨竜:杉山紀彰
井上織姫:松岡由貴
茶渡泰虎:安元洋貴
志波岩鷲:高木渉
朽木ルキア:折笠富美子
阿散井恋次:伊藤健太郎
浦原喜助:三木眞一郎
四楓院夜一:ゆきのさつき
京楽春水:大塚明夫
砕蜂:桑島法子
鳳橋楼十郎:樫井笙人
平子真子:小野坂昌也
朽木白哉:置鮎龍太郎
六車拳西:杉田智和
日番谷冬獅郎:朴璐美
更木剣八:立木文彦
浮竹十四郎:石川英郎
藍染惣右介:速水奨
猿柿ひよ里:高木礼子
有昭田鉢玄:長嶝高士
矢胴丸リサ:石塚さより
愛川羅武:稲田徹
グリムジョー・ジャガージャック:諏訪部順一
ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク:清都ありさ
毒ヶ峰リルカ:豊口めぐみ
雪緒・ハンス・フォラルルベルナ:市来光弘
ユーハバッハ:菅生隆之
ユーグラム・ハッシュヴァルト:梅原裕一郎
アスキン・ナックルヴァール:武内駿輔
ジェラルド・ヴァルキリー:小山剛志

(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 

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