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「Plus Ultra~フジテレビアニメラインナップ発表会2018」レポート

新しいアニメ枠「Plus Ultra」や『サイコパス』など新作アニメが発表! 豪華ゲストが登壇した「Plus Ultra~フジテレビアニメラインナップ発表会2018」をレポート

2018年3月8日、東京・フジテレビ本社にて実施された「Plus Ultra~フジテレビアニメラインナップ発表会2018~」。

発表されたタイトルなど、その一部はすでに別記事でもお伝えしている通りですが、ここでは登壇したゲスト陣のトークを含んだ、より詳細な発表会の模様をお届けしていきます。

世界中の視聴者に向けた作品を作る新アニメ枠「Plus Ultra」

ニッポン放送・吉田尚記アナウンサーによる司会の元行われた今回の発表会。最初にフジテレビ・大多亮常務が登壇して明かされたのが、今年の10月からスタートする新アニメ枠「Plus Ultra」です。

「Plus Ultra」は、今年で14年目に突入する長い歴史をもつフジテレビのアニメ枠「ノイタミナ」に加えて増設される新しいアニメ枠。

フジテレビは世界中に様々な番組を提供していますが、中でもとくに世界からの人気が高いのがアニメ。新たに設けられる「Plus Ultra」は、最初から世界中の視聴者を想定した大作を放送していく枠になるのだとか。

大多氏は「フジテレビのアニメ事業部ができてから5年が経ちましたが、映画『夜は短し歩けよ乙女』なども作品が国内外で高い評価を受け、すごく調子がいい。今後は、フジテレビのアニメブランドをさらに確立させていきたい」と、ここからさらにアニメ事業に力を入れていくという意気込みを力強くアピールしていました。

また会場では、「Plus Ultra」のムービングロゴも公開されていたのですが、なんとそのムービングロゴを手がけたのは『AKIRA』などで知られる大友克洋さん。世界中のアニメファンから絶大な人気を誇る大友さんが手がけたロゴにも注目が集まりそうです。

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フジテレビが新たなテレビアニメ枠 「+Ultra」(プラスウルトラ)を発表!

アニメとゲーム、現実の世界が連動したアニメ『イングレス』

そんな「Plus Ultra」初の作品として発表されたのが、Nianticのスマートフォン向けゲームを題材としたTVアニメ『イングレス』。

『Pokémon GO』でも知られるNianticとフジテレビによる大型の共同プロジェクトで、アニメと現実とゲームがすべてリアルタイムに進行するという、これまでにない作りの作品です。

アニメの放送期間中にゲームや現実にアニメの作中と連動した出来事がおこるなど、新しい体験ができるような形を目指して制作が進んでいるとのこと。

また本作で監督を務める櫻木優平さんは、あの宮崎駿監督や庵野秀明監督らと、日本を代表するアニメ監督と仕事を共にしたこともある新進気鋭のクリエイターです。実は『Pokémon GO』で人間キャラクターのモデリングを担当していた縁があり、今回の抜擢につながったのだとか。

そんな櫻木監督自身からも「アニメが現実に影響を与え、現実がアニメに影響を与えるような仕組みができたら面白いと思っています。これまでとアニメとの付き合い方が変わってくる作品になるかもしれません」と、従来にない作品作りを目指していく決意が語られていました。

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『イングレス』2018年10月より放送予定](https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1520513683)

未来世界に渋谷が転移!? 谷口悟朗監督最新作『revisions リヴィジョンズ』

続いて発表されたのが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』などで知られる谷口悟朗監督と、日本を代表する3DCGスタジオ「白組」がタッグを組んで送り出すTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』。

その概要は、300年以上先の未来の世界に、現代の渋谷が町ごと転移してしまうという驚きの内容になっています。

ステージにも登壇した谷口監督は「こういう枠に呼ばれる日が来るとは思っていなかった」とコメントして笑いを誘いつつ、最先端のCG技術をもつ白組ならではの制作手法の一部を紹介。

中でも本作では役者の動きをCGに取り込む、モーションキャプチャーにかなり力を入れており、アクターとの打ち合わせからリハーサルまで行われ、ほぼ舞台稽古のような準備が必要になるほど。

実は谷口監督は元々実写畑の出身で、現在も舞台に関わっていることもあり、これまでの監督自身の経験を活かすことができたのだとか。

舞台となる渋谷の主要な場所をCGで再現する、実写のセット作りのような作業も行っており、実写とアニメの中間のような制作技法が取られているようです。

気になるシナリオに関しても「先の展開が気になる、海外のTVドラマを意識したようなストーリーになる」という発言が飛び出す一幕もあり、谷口監督ファンにとって見逃せない作品となりそうです。

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『revisions リヴィジョンズ』ティザーPV&ティザービジュアルが解禁

渡辺信一郎監督最新作『キャロル&チューズデイ』では、全世界対象のボーカルオーディションを実施!

3作目となるのが、『カウボーイビバップ』や『サムライチャンプルー』など、数々の傑作を生み出した渡辺信一郎氏と『交響詩篇エウレカセブン』『僕のヒーローアカデミア』のボンズが再びタッグを組むオリジナルアニメ作品『キャロル&チューズデイ』。

ステージへと登壇したボンズ・南雅彦社長によると、本作は『スペース☆ダンディ』の後に渡辺監督と暖めていた企画の内の一つで、今年10月に20周年を迎えるボンズにとっても特別な意味を持つ作品なのだそう。

『坂道のアポロン』など、渡辺監督作品では音楽が重要な位置付けに置かれることが多い傾向がありますが、今回はその音楽が主題となっていることも注目のポイントとなっています。

そんな音楽が重要な作品だけに、誰がボーカルを担当するのかが気になるところですが、本作の主人公“キャロル”と“チューズデイ”の歌声を募集するボーカリストオーディションが全世界を対象に開催されることも明らかに。

本作は全世界の視聴者に向けた作品ということで、英語をネイティブで歌えることが応募の前提条件となりますが、グランプリ受賞者には劇中内で“キャロル”、“チューズデイ”の歌を担当できることに加えて、CDデビューも決定済。

南社長からは「新しいアーティストがここから生まれてくれることに期待しています」という、作品の中に留まらない活躍を期待する発言も飛び出していました。

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『キャロル&チューズデイ』2019年4月より放送決定! 全世界ボーカルオーディションも開催!

オタク同士の恋愛を描いた社会人ラブコメ『ヲタクに恋は難しい』

第2部では、2018年4月より放送開始となる、ノイタミナ枠の新作アニメ『ヲタクに恋は難しい』から、桃瀬成海役・伊達朱里紗さんと二藤宏嵩役・伊東健人さんの二人のメインキャスト陣が登壇。

累計550万部を突破したふじた先生の人気コミックを原作に、オタク同士の不器用な恋愛を描く本作ですが、伊達さんも伊東さんも自他共に認めるヲタクらしく、ノイタミナ作品も一アニメファンとして楽しんでいたそう。

声優になったらいつか出演したいとも考えており、今回はその念願が叶う形となったようです。

また会場では成海と宏嵩に加え、樺倉太郎と小柳花子らメインキャラクターの4人が描かれたメインビジュアルも公開に。

この4人の中では、樺倉がもっともライトなヲタクという立ち位置になるのですが、その樺倉を演じる杉田智和さんはキャスト陣の中ではもっとも知識が豊富で、アフレコ現場でも作中のパロディの解説役となっているのだとか。

反対に濃いヲタクである小柳を演じる沢城みゆきさんはそうした知識に疎く、杉田さんからよく解説を受けているそうで、キャストとキャラクターで立ち位置が正反対になっているという裏話も明かされます。

さらに本作のエンディングテーマがhalcaによる「キミの隣」に決定したこと、伊達さんと伊藤さんがパーソナリティを務めるWEBラジオ~オタ恋ラジヲ~「ラジオは専門外ですけどがんばります」の放送が、A&G+にて4月からスタートすることも発表に。

二人は以前から「『ヲタ恋』でラジオがやりたい!」と話していたこともあり、収録に向け今からやる気満々といった様子でした。まもなく始まる放送をお楽しみに!

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『ヲタクに恋は難しい』最新キービジュアルが公開!

少女マンガの枠を超えた不朽の名作『BANANA FISH 』が満を辞してTVアニメ化!

一方、2018年7月から放送がスタートするのが、累計1100万部を超える吉田秋生先生の大ヒットコミックを映像化したTVアニメ『BANANA FISH』。

今回の発表会には、アッシュ・リンクス役・内田雄馬さんと、奥村英二役・野島健児さんが駆けつけ、現在も傑作と名高い本作の魅力を語り合いました。

原作を読んだ際の印象として「本当に少女マンガなのか?という衝撃から始まり、人の一生を追うくらい重みのあるシナリオだなと。読み終えた後は、長編映画を何本もみた後のような気持ちになったくらい、密度の高い作品だと感じました」(内田さん)「読んでいて苦しくて、いろいろな感情がページを開きたくない瞬間があるくらいでした。1ページ1ページを葛藤しながら読んでいましたね」(野島さん)と、それぞれいかに本作が読み応えのあるハードな作品であるかを力説。

また本作には「ハードボイルド監修」という見慣れない役職もあり、その仕事内容はキャスト陣にも知らされていないようで、「普段から帽子にサングラス着用で、日常生活からハードボイルドな方なのでは」という予想も飛び出していました。

一方、最初にテープオーディションを受けたという内田さんは、音声を収録した日の体調が悪く、疲弊しきった状態で収録に挑まざるを得なかったのだとか。

しかし、結果的にはそれがかえって作中のアッシュ自身が置かれた状況に近い演技をすることができたという経緯があったようで、それが合格につながった可能性を考えると、ある種の運命のようなものを感じさせます。

なお『BANANA FISH』は、『ユーリ!!! on ICE』など数多くのハイクオリティな作品を生み出し続けてきたスタジオであるMAPPAが制作。

ノイタミナ枠としては久々の2クールに渡って放送される作品でもあり、全アニメファン・漫画ファン必見の内容となりそうです。

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『BANANA FISH』最新情報

『甲鉄城のカバネリ』は新作劇場中編&DMMによる新作ゲームアプリのリリースが決定!

2016年4月から6月までノイタミナ枠で放送され、圧倒的な映像美と迫力のバトルアクションが話題を呼んだオリジナルアニメーション『甲鉄城のカバネリ』。発表会では新作となる劇場版の新情報が公開されることになり、荒木哲郎監督が壇上へと上がります。

その新作となる劇場中編アニメーションのタイトルは『甲鉄城のカバネリ 〜海門決戦 〜』。TVシリーズの半年後、日本海に面する廃坑駅「海門」へと立ち寄った甲鉄城の戦いを描く正統続編で、生駒や無名といった主要キャラクター達ももちろん登場。気になる公開時期は、2018年中と予定されています。

なお本作ではシリーズ構成をTV版と同じ大河内一楼さんが担当するのに対し、脚本のクレジットは荒木監督になっているのですが、これは最初に大河内さんが作った大筋をベースに、荒木監督がコンテを切ってシナリオ化、そこに改めて大河内さんら脚本チームからの意見を取り入れるという、通常のTVアニメとは異なる制作手法をとっているため。

普段のTVアニメ制作の工程においては、絵コンテの段階でシナリオを変更しても、その後に脚本側が意見を挟む余地がなかったのですが、本作では「コンテに対して脚本側が意見を出せる」という構造を作りたいという意図があったのだとか。

そうした創意工夫の甲斐もあり、荒木監督の口からは「今『カバネリ』の世界でできる限りの、最高のエンターテインメントを作れている手応えがあります」と、その出来映えに自信を覗かせる発言も飛び出していました。

また『甲鉄城のカバネリ』の展開は映画だけに留まらず、DMM ゲームよりソーシャルゲームアプリ『甲鉄城のカバネリ -乱-』が2018年夏頃にリリースされることも決定。

会場では、葉矢(CV:黒沢ともよさん)、要(CV:小松昌平さん)、千尋(CV:梅原裕一郎さん)ら、3人のゲームオリジナルキャラクターの紹介が行われ、それぞれのキャラクターを演じるキャスト陣が本作に込める意気込みを語っていました。

なおゲームは、TVシリーズの最終回と劇場版『甲鉄城のカバネリ 〜海門決戦 〜』をつなぐエピソードが描かれるとのこと。劇場版もゲームも、『カバネリ』ファンにとってたまらない作品となりそうです。

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『甲鉄城のカバネリ』最新作映画が2018年公開決定!タイトルは『甲鉄城のカバネリ〜海門決戦〜』!

『PSYCHO-PASS サイコパス』Next Projectとして、3本のスピンオフ劇場版が連続公開決定!

盛りだくさんの発表会のトリを飾る形になったのが、日本を代表するトップクリエイター陣が集結したことでも話題となったオリジナルアニメーション『PSYCHO-PASS サイコパス』。

その新展開「『PSYCHO-PASS サイコパス』Next Project」として、5人のキャラクターをフォーカスした3本の劇場アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』(『PSYCHO-PASS サイコパス SS』)が、2019年1月より連続公開されることが発表されました。

Case.1「罪と罰」では霜月×宜野座、Case.2「First Guardian」では須郷×征陸、Case.3「恩讐の彼方に__」では狡噛慎也が主人公を務めることも明かされ、今回の発表会には狡噛慎也役・関智一さんと宜野座伸元役・野島健児さん、塩谷直義監督らが登壇。

『PSYCHO-PASS サイコパス SS』は本編のサイドストーリー的な位置付けながら、劇場版の後にあたる最新の時系列が描かれ、シリーズお馴染みのキャラクター達の登場はもちろん、意外な人物も登場するのだとか。

まだ公開まで一年近くの期間があるのですが、驚くべきことにアフレコはすでに3作とも完了済。収録の段階でも絵の大部分ができており、キャスト陣からも非常に収録しやすかったという感想が出ていたほど、制作は順調に進んでいるようです。

また今回の劇場版は、かなり前から塩谷監督が構想していたという思い入れの深い作品でもあるそうで、とくに3本目の「恩讐の彼方に__」の収録を終えた際には、「ようやくここにたどり着いた」という感慨深さに、こみ上げてくるものを抑えきれなかったほどだったのだとか。

キャストの二人にとっても本作への想いは一塩らしく、「僕自身も待ちに待った『サイコパス』がやっと形になってくれました。ここからどういう風に展開していくのか楽しみです!」(野島さん)、「数ある中でも『サイコパス』は、自分にとって特に大切な作品。プロジェクトが続く限り、狡噛を全うしていきたいと思います」(関さん)と感慨深げにコメント。『サイコパス』ファンにとっては、劇場での公開まで待ち遠しい日々を過ごすことになりそうです。

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『PSYCHO-PASS サイコパス』劇場アニメ3作品が連続公開決定

「Plus Ultra」に「ノイタミナ」に複数の劇場作品と、期待作が満載のフジテレビのアニメラインナップ。この他にも森見登美彦の名作小説を劇場アニメ化した『ペンギン・ハイウェイ』が2018年8月に公開予定となっており、今年は全アニメファンにとって、フジテレビから目が離せない一年となりそうです。

[取材・文/米澤崇史]

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