【アニソンの歴史を振り返る2005年編】アニメ『創聖のアクエリオン』AKINO from bless4「創聖のアクエリオン」【連載vol.79】
1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第79回は、2005年にアニソンタイムトラベル。TVアニメ『創聖のアクエリオン』より、AKINO from bless4の「創聖のアクエリオン」です。
「あなたと合体したい」という強烈なキャッチコピーも話題になった本作。TVCMでこの曲を聴くことも多かったですよね。
河森正治監督の大ファンである塚越さんに解説をおまかせしましょう!
ぼくらは一万年と二千年前から
もともと菅野よう子のサントラを集めることだけを趣味にしていたときに聴いたので、アニメ自体は後追いだったのだけど、そもそもこの曲もアニメのあとに多くの人に知れ渡った気もする。
この曲に関しては、河森監督が打ち合わせで「1万2千年前に渡したラブレターを取り返しに来るという死ぬほど恥ずかしいエピソードがあるんだけど……」と言ったことに菅野よう子がインスピレーションを得て、すぐに曲を作ったというエピソードと、bless4のAKINOの弟であるAIKIに歌ってもらおうとしたら声変わりをしていて、AKINOが歌うことになった、なんていうエピソードがあって、いくつかのインタビューで読んだ覚えがある。
アニメは神話の話なのに、オープニングテーマだったこの曲は歌謡曲テイストだったことが衝撃だった。
『マクロスプラス』でも『天空のエスカフローネ』では、なんて美しい曲を書くんだと思ったし、そこから『COWBOY BEBOP』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では音楽好きに評価をされた。
なので、流れ的にもう少しスタイリッシュな感じなのかなと思ったら、いきなり《一万年と二千年前から 愛してる》という歌詞がドバンと飛び込んできて、なんなんだこれは!? と。
しかもそれに続く《八千年過ぎた頃から もっと 恋しくなった》がもっと分からなくて最高だった。作詞は岩里祐穂さんという、アニソン好きにはおなじみの方だけど、どういう発注をしたらこういう歌詞ができるのだろう、というか作詞家の先生って、やっぱりすごいんだなとしみじみと思った。
と言いつつ、実は普段よく聴くのはゴスペル風にアレンジされた「Genesis of Aquarion」だったりする。bless4の4人はとても魅力的だし、取材してもとても良い人たちなのです! 天晴。
塚越淳一プロフィール
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
塚越淳一のアニソントラベラー|バックナンバー
vol.1:RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」vol.2:LiSA「紅蓮華」
vol.3:オーイシマサヨシ「君じゃなきゃダメみたい」
vol.4:亜咲花「SHINY DAYS」
vol.5:飯島真理「愛・おぼえていますか」
vol.6:UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」
vol.7:紗倉ひびき&街雄鳴造「お願いマッスル」
vol.8:鈴木雅之「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」
vol.9:水瀬いのり「ココロソマリ」
vol.10:ChamJam「Clover wish」
vol.11:フランシュシュ「徒花ネクロマンシー」
vol.12:太田貴子「デリケートに好きして」
vol.13:Rhodanthe*「Jumping!!」
vol.14:MADKID「RISE」
vol.15:早見沙織「夢の果てまで」
vol.16:坂本真綾「クローバー」
vol.17:Run Girls, Run!「Share the light」
vol.18:shami momo「町かどタンジェント」
vol.19:TM NETWORK「Get Wild」
vol.20:the pillows「Happy Go Ducky!」
vol.21:supercell「君の知らない物語」
vol.22:μ’s「Snow halation」
vol.23:レン(楠木ともり)「To see the future」
vol.24:ワルキューレ「一度だけの恋なら」
vol.25:22/7(ナナブンノニジュウニ)「ムズイ」
vol.26:うしろゆびさされ組「うしろゆびさされ組」
vol.27:SEATBELTS「TANK!
vol.28:小倉唯「ハピネス*センセーション」
vol.29:畠中祐「not GAME」
vol.30:i☆Ris「アルティメット☆MAGIC」
vol.31:よりもい「ここから、ここから」
vol.32:Galileo Galilei「青い栞」
vol.33:WANDS「世界が終るまでは…」
vol.34:後ろから這いより隊G「太陽曰く燃えよカオス」
vol.35:伊藤美来「守りたいもののために」
vol.36:宮野真守「光射す方へ」
vol.37:鬼頭明里「Tiny Light」
vol.38:和氣あず未「Hurry Love」
vol.39:ペコリーヌ、コッコロ、キャル「Lost Princess」
vol.40:森口博子「水の星へ愛をこめて」
vol.41:中島愛「髪飾りの天使」
vol.42:新越谷高校女子野球部「プラスマイナスゼロの法則」
vol.43:ORESAMA「Trip Trip Trip」
vol.44:あいみょん「空の青さを知る人よ」
vol.45:中野家の五つ子「五等分の気持ち」
vol.46:Official髭男dism「FIRE GROUND」
vol.47:坂本真綾「約束はいらない」
vol.48:麻倉もも「ユメシンデレラ」
vol.49:Mrs. GREEN APPLE「インフェルノ」
vol.50:堀江由衣「バニラソルト」
vol.51:チーム "ハナヤマタ”「花ハ踊レヤいろはにほ」
vol.52:大槻ケンヂと絶望少女達「あれから(絶望少女達2020)」
vol.53:鈴木みのり「FEELING AROUND」
vol.54:放課後ティータイム「U&I」
vol.55:ClariS「コネクト」
vol.56:OxT「UNION」
vol.57:千石撫子「恋愛サーキュレーション」
vol.58:田村ゆかり「おしえて A to Z」
vol.59:GRANRODEO「Can Do」
vol.60:内田真礼「ギミー!レボリューション」
vol.61:FLOW「DAYS」
vol.62:雪ノ下雪乃&由比ヶ浜結衣「Hello Alone」
vol.63:May'n/中島愛「ライオン」
vol.64:森川美穂「ブルーウォーター」
vol.65:森口博子「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」
vol.66:加藤登紀子「時には昔の話を」
vol.67:川添智久「STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~」
vol.68:Fire Bomber「SEVENTH MOON」
vol.69:高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ