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『あやかしトライアングル』富田美憂インタビュー【アニメリスタート記念特集 第1回】

『あやかしトライアングル』風巻祭里♀役・富田美憂さんインタビュー|視聴者の視界を遮っていた「シロガネ被り」がプロの技でパワーアップ!?【アニメ放送リスタート記念特集 第1回】

常に頭の片隅に“ちっちゃい千葉さん”を置いて演じました

――前半の話数で特に大変だったことなど、思い出深いことを挙げるならどこでしょうか?

富田:大変だったのは、やはり2人で1役を演じることですね。祭里を演じたからこそ、その難しさを初めて経験できました。

――イベントやインタビューなどでも話していましたよね。改めて、どのようにして臨んだのか、詳しく教えてください。

富田:第1話の収録前に、千葉さんと「祭里のキャラを作る、すり合わせ会」みたいな日があったんです。第1話は、Bパート後半ぐらいまではずっと千葉さんが(男の)祭里として喋っていて、それをあとから私がトレースしなきゃいけなくて。普段なら台本の自分のセリフのところだけ印や書き込みをするんですけど、私(女祭里)の登場以前に千葉さんが受けたディレクション、千葉さんの喋り方や語尾の処理の仕方の癖、そういったものを全部メモしながらやりました。

それ以降は、「千葉さんだったら、こういうリアクションを取るよな」と、常に頭の片隅に“ちっちゃい千葉さん”を置いて演じていたんです。それは2人で1人のキャラクターを作っていく楽しさであり、ほかの作品では経験しない難しさでもありましたね。

――メモは、例えばどういうことを?

富田:「自分の慣れたテンポで芝居をしない」ということは、毎回台本の1ページ目の白紙部分に書いていました。私が喋りやすいテンポで喋るときの癖ってあるんですが、千葉さんに合わせなきゃいけないので「ここは癖を出さないようにする」とか。すずに肩をポンポンと叩かれてフッと振り向くときのリアクションでも、普段の私ならこうやるけど、千葉さんはこうやるよな、という意識を常に頭に置いていましたね。

――序盤は、モノローグを含めて男祭里と女祭里の両方が登場しますけど、途中から女祭里しか登場しない回がありますよね。

富田:そうなんですよ! そのときは、第1話で千葉さんと一緒に録ったときの記憶と、たまに回想や幼少期のシーンが出てきたときの情報しか頼りがなくて……。割りと情報が少ない中で、必死にやっていました。

――不安になりますよね?

富田:不安でしたね。よくある「大人になった姿を男性が演じて、幼少期を女性が演じる」のとも感覚的には違うので、すごく難しくて。毎話苦戦しました。

――幼少期と青年や大人とでは、男性といっても違いますからね。難しさがありつつ、先ほど話していたように楽しさもあったと。

富田:ありましたね。特に、話数が進んで“千葉さん節”が体に入ってきたタイミングとか、慣れ始めてからは楽しかったです。でも、思春期の男子がどう考えるのか、やっぱり私は女子だから気持ちがわからなくなることもあって。私には弟が2人いるので、高校生の弟に学校での感じとかクラスの女子にどう対応しているか、みたいなことを研究として聞くこともありました。

――弟さんはちゃんと答えてくれましたか? 思春期の男子だと、姉にそんなこと聞かれても答えてくれなさそうですが。

富田:実家にいた頃はそうだったんですけど、私が実家を出てからは程良い距離感になったのか、割と話してくれるようになりましたね。ただ、こういうインタビューで弟の話をすると、ネットで見た弟から「あまり俺の話をしないでくれる?」とたまに苦情も来ますが。そのときは「でもね、君のおかげで私はお芝居できてるよ」ってうまく流しています(笑)。

――そうやって、思春期の男子の心情を理解していたわけですね。

富田:そうですね。好きな子に対するドギマギとかは、私も学生時代に経験しているので、すずのモノローグにうんうんと共感することはあるんですけど、そこが男女の違いの面白くて難しいところだなって。

普段のすずとは違うあのシーンは、すごくドキドキしました

――そのほか、ストーリー内容でもハレンチなところでも、アフレコでの思い出でも構いませんので、楽しかったことや印象的だったことをお聞かせください。

富田:シロガネ役の玄田(哲章)さんは、結構アドリブを入れていらっしゃって、見ていて楽しかったですね。逆に、台本に「にゃーん」と書いてあるけど、玄田さんはどうやって言うんだろう? と思っていたら、本当に字面通り「にゃーん」とあの声で言うこともあって。ほかの現場でご一緒させていただいたこともありますが、こんな玄田さんは初めて見たという意味でも、シロガネの言動は毎回すごく楽しかったです。「祭里とすずがちょっとハレンチな雰囲気になったときに、それをぶち壊しに来るシロガネ」という流れも好きなんですよ。

アフレコでは、もうひとつすごく印象的なシーンがありました。(第2話で)祭里がお風呂に入っているときに、すずに化けたシロガネが、すずのふりをして近づいてくるシーンがあるじゃないですか。普段のすずならこんなこと言わないけど、なんか甘ったるくてドキドキするなぁ……ってところは、いたたまれない気持ちになりながら演じていたので、祭里と一緒で私もすごくドキドキしていました。

――こんなこと現実にはないよ、とわかっていてもドキドキしちゃいますね。

富田:そうなんですよ。祭里も、すずにしては変なこというなぁ、でもなんかドギマギする、みたいな気持ちだったのかなと思います。そのあとに、容赦なく全裸でお風呂場から出ていって走る祭里も、いいのかなって(笑)。

――全裸のままかと思いきや、途中で祓忍の衣装になりますからね。

富田:祓忍装束、格好いいですよね! 技や術の名前を叫ぶ少年漫画っぽいシーンも出てきますが、私は祓忍装束に着替えるときの「着装」という合図が好きで。毎回、アフレコでは「絶対に決める!」という気持ちでやっていました。普段のわちゃわちゃしたシーンも好きですけど、そういう決めるときは決めるシーンとのギャップもすごくいいなって思います。

(C)矢吹健太朗/集英社・あやかしトライアングル製作委員会
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