
「大奥」の深い闇を掘り下げた第二章。再び、陰謀や愛憎が絡みあうーー『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』時田フキ役・日笠陽子さん×大友ボタン役・戸松遥さんインタビュー
『モノノ怪』の現場は「乗せては捨て、捨てたら乗せる」
ーー神谷浩史さんが演じる薬売りの印象やお芝居の感想をお聞かせください。
戸松:役柄的にそれほど掛け合いは多くなかったのですが、ボタンは大奥の規律を重視しているので、薬売りには「外部から来た得体の知れない変な人」という気持ちで向き合っていた気がします。演じるにあたっても嫌悪感があったり、あまり良い印象はない感じで、基本的にツンツンした対応をしていました。
日笠:私の薬売りのイメージは煙や雲みたいな、あるようでないような、ないようであるような。ただ、確実に触れることはできない存在だなと。フキはあまり薬売りと絡んでいないからこそ、その感覚が強いのかもしれません。本当につかめない存在でしたが、神谷さんが演じてくださることで、薬売りの輪郭をクッキリさせて、「ここにいる」という足跡をちゃんと残してくれていると感じました。いち視聴者として観てみると、クッキリしている分、薬売りの役割も明確になっているのかなと。
ーー収録の雰囲気やお二人で掛け合いをされた感想をお聞かせください。
日笠:私たちはデビューも近くて共演も多いし、付き合いも長いので信頼関係ができているんです。何となく「こうくるかな?」と想像もできますけど、それを軽く超えてくるのが戸松遥なので……。
戸松:(凛々しい声で)ありがとう!
日笠:この二人の掛け合いでもあるけど、中村総監督や鈴木(清崇)監督、音響監督の長崎(行男)さんともある意味で掛け合っている感覚がありました。私たちが提示したお芝居を踏まえたうえで、「こうしてほしい」とか「こうしたほうがいいかな」とその場で考えているらしくて。フィーリングを結構大切にしている方たちだなという印象があります。
戸松:初めての現場だと、「どんなお芝居を出してくるのかな?」という緊張感があったりしますが、内容の割には現場の空気感はそれほどピリついてはいなくて。そのおかげで、程よい緊張感を本番まで持っていくことができたと思います。
休憩時間は『モノノ怪』の現場とは思えないほどにゆるい感じで(笑)。日笠ともずっと一緒だったので空き時間に喋っていました。そのメリハリがありがたかったです。
ーー最後に、公開を楽しみにしている方たちへのメッセージをお願いします。
戸松:ひと言で表現するのが難しいくらい、掘り下げ続けることができる作品です。特に第二章は、単なる女性たちのバチバチした争いという枠では収まらない深さがあって。解決しなくてはならない現況の原因や理由が垣間見えるお話なので、ボタン側の視点で観るのか、フキ側の視点で観るのか、または別のキャラクター視点で観るのかで、受け取り方が大きく変わってくると思います。観終わった後、ぜひお友達やご家族で語り合ってみてください。そして、ボタンのように正解を追究していくつもりで、来たるべき第三章を待っていてほしいです。
日笠:私自身もどのキャラクターになって、どうしたいのかを考えさせられました。大奥は中にも外にも様々な人がいて、観てくださる方も男女、親子など色々な立場があると思います。皆さんが感じて、受け取ったものは正解でもあるし、監督や私たちキャストが思っているものとは違うものかもしれません。「もしかしたら違う考え方があるかもしれない」と疑問を持つことで、更に視野が広がって楽しめるんじゃないかなと。
私たち役者はひとつの物事に色々なものを乗せてしまいがちですが、『モノノ怪』では一回積んだものを捨てている気がします。演技プランを積み上げた後に本番で捨てていく過程があって、乗せては捨て、捨てたら乗せる。そんな部分も頭に置いて観ると、第二章の深層にたどり着けるかもしれません。皆さんそれぞれの感性で向き合ってみてください。
[インタビュー/永井和幸 撮影/MoA]
日笠陽子さん
[衣装クレジット/CASANE]
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『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』作品情報
3月14日(金)全国ロードショー
あらすじ
錯綜する思惑、やがて暴走する“火消し”の策略……。時を同じくして、突如として人が燃え上がり、消し炭と化す人体発火事件が連続して発生。モノノ怪の仕業とにらんだ薬売りは事態を収めようとするが、群れで行動し、神出鬼没の怪異に手を焼く。この怪異の正体は「火鼠」の子供たちで、彼らはただ人を襲うだけではなく同時に母を探しているようだが、本体である火鼠の母親はなかなか姿を見せない。火鼠は何故、赤子を狙うものたちを襲うのか。自らを燃してもなお止まらぬ火鼠の情念がもたらす悲劇とは。
薬売りはその謎を解き、モノノ怪を斬るための三様【形・真・理】を突き止めるべく大奥に巣食う闇へと足を踏み入れていく。
キャスト
(C)ツインエンジン









































