この記事をかいた人

- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

──第二十一話はひさしぶりにほっこりするエピソードも登場しました。木村さんのご印象を教えて下さい。
木村:婦女子の会がかわいくて好きです(笑)。婦女子の会が行われたこと自体は台本を読んで知っていたんですけど、録っている面々はその時にいなかったんですよね。だからあとから映像を見て「ああ、こういう感じだったのか」と。
──堯人さまがそこにいるんだと(笑)。
木村:タカ子さんですね。薫子も元気そうで安心しました。重いシーンが続いていたので。
──薫子は別の場所からの参加ではあったものの、ここで現れると思わず。安心しました。
木村:別の場所にいながらも美世のことを気にかけてくれる薫子、いつでも場を温かくしてくれる葉月が、このタイミングで出てきてくれるって……なんか良いですよね。
──その一方で、「これから何かが起こるんだろうな」と思わせる堯人さまの予言、そして新の「君を困らせるものは、全部俺が壊します」という言葉とこれまでとは違う表情に、少し肝が冷える場面も。
木村:そうですね。収録時点では先の展開を知らずに演じていたので、さらに、いかにもなにかありそうな男に最後に囁かれていたことも含めて不穏だなと。
──木村さんはそのさきの展開をあえて知らないまま演じられていたのですね。上田さんもあえてそうしているといったことをおっしゃっていました。
木村:僕も原作を読まないほうが演じやすいタイプなんです。もちろん作品にもよるんですけど。
──第二期で登場するキャラクターの中で、特に気になるキャラはいますか?
木村:やっぱり薫子ですね。彼女の「友だち」というひとつの切り口がすごく好きだったんですよね。ストレートに「友だちに……」と言うキャラはいないので、それを言える薫子と、それを言われる美世の組み合わせが可愛らしくて。美世はそんなことをこれまで、言われたことがなかっただろうなと。そして、それがあってのその後の展開というのがまた痛ましい。
──でも最後の最後に、絆を深めて。
木村:そうですね。あけすけじゃないキャラクターが多いので、ああいうシンプルな人間って、それだけでホッとします。
──新の今後の動きが気になるところではありますが、木村さんがもし新に何か声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか?
木村:(少し考えて)……難しい質問ですよね……。どうなんだろう。「まあ、幸せになれよ」かな。いろいろ大変だろうけど、最後は自分で選んだ道を進んでいけるといいね、って。ただ、彼が人生をかけてきた役割を……なんか消化しきれていないような気もするんですよね。なにか見いだせると良いなとは思うんですけどね。
彼は薄刃家のことと美世のことを考え、それこそが自分の使命だと思って生きてきたわけですが……とは言え美世は美世で清霞といることで安定しているわけで、「目的」はまだはっきりしていないんですよね。結局、彼の人生の意味はどこにあるのか、その答えを見つけられるといいなと願っています。
──そういう意味では清霞はストレートな性格なような気がします。
木村:確かにそうなんですけど、僕たちが視聴者としての視点から見ているからこそそう思えるのであって、実際に街や職場で出会ったら、新の方が気さくで話しやすいと感じるかも。清霞のことはむしろ「この人怖そう」と思うかもしれませんね(笑)。
でも、漫画やアニメはキャラクターの本音や素の顔を知ることができるからこそ面白いんですよね。本音を知る機会ってリアルな生活の中ではほとんどないじゃないですか。清霞に限ったことじゃなくて、フィクションの世界を見ていると「本音を知らなかったら、このひと怖いよな」と思うところはありますね。
──今後の展開について、視聴者に楽しみにしてほしいポイントはありますか?
木村:「彼らはちゃんと乗り越えられる」というところですね。いろいろな試練が立ちはだかりますが、どう乗り越えていくのかをぜひ見守っていただきたいです。甘水腹立つとは思いますけど(笑)、安心して最後まで見届けてもらえたらと思います。
[インタビュー・逆井マリ]

神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
