
「クソみたいな世界」を変えるのは、「奈落」に落とされた少年の煮えたぎる“怒り”ーー『ガチアクタ』ルド役・市川蒼さん×ザンカ役・松岡禎丞さん×リヨウ役・花守ゆみりさんが底なしの魅力を「ガチ」で語り合う!【インタビュー】
ボンズフィルムによるこだわりの映像が「ガチ」すぎる
ーーアニメの映像をご覧になった感想をお聞かせください。
市川:アクションシーンの迫力がすごいです。また、この作品の象徴であるグラフィティアートも物語のアクセントにもなっていて、よりアニメとしての魅力が増していると思いました。
花守:映像の迫力に負けないくらい、岩﨑琢さんの音楽も格好良いんです。「『ガチアクタ』にピッタリの曲を作る!」という強い愛情を感じます。
市川:もはや曲自体が一人のキャラクターみたいに思えるほど、確立した存在感を放っていますよね。
松岡:あと、「斑獣」もすごいです。『ガチアクタ』と(アニメ制作の)ボンズさんはすごく相性が良いなと思いました。
花守:得意なことを前面に押し出しつつも、しっかり『ガチアクタ』色になっています。キャラクターみんな活きた動きで、観ていて楽しいです。
市川:この作品のキモである、それぞれのキャラクターの目力の強さも感じられます。
松岡:「原作がそのままアニメになった」としか言いようがないですね。
ーーそれぞれが使用する人器もすごく格好良いです。
花守:そうなんです! 映像で観たら格好良すぎて、「私もこんなハサミ欲しい!」と思っちゃいました(笑)。リヨウを演じていると、ハサミが特別なものに感じられます。
市川:しなやかさと力強さが両立していますよね。それを見せる構図も最高でした。
花守:足で操っているのがまた格好良いんです。演じていく中で、「私もこんな風にハサミを動かしたい!」というイメージが生まれました。
市川:ザンカが“棒”を触る時の手つきが艶めかしくて。すごく愛着を持っていることが一目で分かるし、細部までこだわり抜かれたカットだと感じました。
松岡:ルドがザンカと対峙した時、トイレのラバーカップを手にしたところは原作を読んだ時も鳥肌が立ちました。
市川:ザンカがあんな顔になるのも分かりますよね。しかもあのシーンでは、すごく美しい音楽が流れるんですよ。それまではストリートっぽい音楽が流れていたのに、川のせせらぎのような爽やかな音が……(笑)。
松岡:「何を見せられているんだろう?」と不思議な気持ちになりました(笑)。猫も人間みたいな声を出していて。
花守:制作スタッフさんの「ザンカをイジメちゃおう!」というこだわりを感じます(笑)。
市川:こだわりと遊び心が満載の映像です。
ーー最後に、本作の見どころとキャラクターの注目ポイントをお聞かせください。
花守:いち視聴者としてアニメを観た時、声・音楽・絵の全てが強烈な力を持っていて、お互いに殴り合っているような心地良さを感じました。三位一体での殴り合いを観続けていくうちに、視聴者の皆さんもいつの間にか釘付けになっているはずです。
リヨウとしては、「ミステリアスな彼女の原動力はどこにあるのかな?」としばらく気になるかもしれませんが、その理由が分かるまで視線を注いでいただけると嬉しいです。ルドと同じように、実は皆さんも彼女の手のひらの上で転がされている。そんな感じで、彼女の魅力にハマっていただけたらなと。彼女の底知れない魅力や抱えている秘密、その全てを愛してください。
松岡:『ガチアクタ』の魅力を一口で説明するのは難しいので、まずはアニメを観ていただきたいです。
原作でもアニメでも、ルドたちは必死に命の炎を燃やしています。まず原作を読んでいただければ、どっぷり世界観に浸って、「この作品に出会えてよかった」と思えるはずです。そのうえで、アニメのPVを観てください。あの市川くんの叫び声の凄まじさに鳥肌が立ちましたし、何度観たのか覚えていないくらい、自分自身もヘビロテしました。
自分が演じるザンカは、よくあるクール系のキャラクターではありません。彼の仲間想いな一面には理由があります。『ガチアクタ』のキャラクターは明るく陽気に見えますが、意外と重い過去を持っていて。物語が進むにつれて、それぞれ丁寧に描かれていきます。アニメはもちろん、ぜひ原作の最新巻まで読んでいただきたいです。
市川:文字通り、見どころしかないアニメになっています。キャラクターの表情や音楽、それぞれの人器、劇中の背景まで、様々な部分に注目して、何度でも楽しめるように作られているんです。1回では満足できないほどの仕掛けが散りばめられています。
晏童秀吉さんのグラフィティアートを通じて、「高架下の落書きのイメージがあったけど、実は練られたメッセージが込められているんだな」と感じるようになりました。スタッフの皆さんのこだわりが詰まっていて、観るたびに新たな発見があります。遊び心がありつつ、「ガチ」さもある内容を楽しんでいただきたいです。
特に第1話と第2話はルドという人間、作品の世界観を表現する大事なポイントになっています。ルドが下界で掃除屋のメンバーと出会って、一緒に行動していく中での意識の変化や成長していく姿を見守ってほしいです。掃除屋と敵対する荒らし屋との激しいバトルも楽しんでいただけたらと思います。ルドと一緒にこの世界の謎を解き明かしてください!
ーーこの作品ではモノを大切にすると魂が宿って人器になるので、「今まで以上にモノを大切にしよう」という想いが強くなりました。
花守:そういう意味では、サステナブルな作品と言えるかもしれません。
市川:視聴者の方もそれぞれの人器を大切にしていただいて。
花守:そこを押していきましょう! 楽しいだけでなく、サステナブルなアニメです!
[インタビュー/永井和幸 撮影/MoA]





















































