
“会話だけなのに尊い”――夏アニメ『フードコートで、また明日。』宮崎ヒヨリさん×青山吉能さん、ふたりの推し語り&“心の距離”のリアル/インタビュー
豪華キャスト陣の声が無常にスワイプされていく……
──山本はヨーチューブで、都市伝説、陰謀論、UFOなどの動画を見ているというのも面白かったですね。
青山:ここで山本の人柄が出ましたよね。そういうのが好きだったりするんだ!って。あと、配信者のことを、デコが広いと和田にしつこく言われて怒るんです。
ここは結構悩みました。好きなものを否定されたら怒りたくなるけど、山本はどのくらいそれを表に出すのかなって。台本だと「デコ、広くないってば!」になっていたんですけど、アフレコで「、」を取ることになったんです。怒っているときって、文節とか区切らないじゃないですか。
そこで、バッと怒る感情を出しちゃっていいんだとなり、山本のことをまた知れた気持ちになりました。でも怒るって、信頼している相手に対してじゃないとできないことだから、やっぱり和田のことは相当信頼しているんですよね。
あと、「登録者100人くらいのときから見ているんだけど……今じゃ百万人を超えてて」ってセリフの、ちょっとした古参アピールもいいですよね。そんなこともするんだ!ってなりました。
宮崎:確かにー。その見方はしていなかったです!
青山:でもその気持ちもわかる~!と思って。やっぱり推しが羽ばたく姿っていいですよね。オーディション番組でも、最初は人気も実力もなかった子が、デビューしていくのを見るのがたまらないわけですよ! そこから経験を積んで有名になっていく姿を見ると、もう関係者づらというか。テレビの前で腕組んで見てますから(笑)。
──第3話だと、エイベル公爵が出てくるアプリゲームの声優がやたらと豪華だというのもありましたね。
青山:第3話の収録のとき、私たちの前の時間帯でアフレコをしていらしたので、皆さんもよくわからないなか収録されたと思います(笑)。
──ひと言で終わるようなキャスト陣ではないですからね(笑)。ちなみに、間宮くるみさん、野島裕史さん、江口拓也さん、前野智昭さん、杉田智和さんなんですけど……。まだそのシーンがどうなったかわからないと思うので、今から見てもらいますね。(と、実際のそのシーンを見てもらう)
青山:ひどい!!
宮崎:あはははは(笑)。
青山:最後まで言わせてもくれないんだ! 途中でスワイプされてる…(笑)。
宮崎:これ、今後どこかで使われるとかないんですか?
スタッフ:考えます……。
──第1話と第2話からも、少し話を聞いてみたいのですが、第1話で、和田が女子高生の会話にブチギレているのが面白かったのですが、実際「えー、すご――い」って、同じ言葉を返す人っていません? たとえば、何言っても、必ず「マジっすか」で返してくるとか。
青山:確かにいるかもしれないです。
宮崎:このエピソードを見ながら、確かに「えー、すごーーい」だけで成立するよなと思いました。
青山:話しているほうは、相手がどういう反応をするかとか、あまり興味がないんでしょうね。だからそれはそれで相性がいい2人なんだろうなぁ。
宮崎:私もすっごく一方的にしゃべってくる友達がいて、私も「そうなんだね」だけで返しているんですよ。向こうはそれで「話しやすいわ〜」って思ってくれているみたいなので、これでいいんだなと思いました(笑)。逆に和田って一方的にしゃべるほうじゃないですか。その和田が、「それ人間じゃないよ!」と言っているのが面白かったです。そんなに会話にこだわりがあったんだ!という。
──自分たちの会話はエンタメだと言っていましたからね(笑)。あとは、山本の英語力ですかね。
青山:頑張りました。和田の話を聞きながら英単語の勉強をしているくらいだから、相当上手なのだろうと。だから私は、英語を読むのも聞くのも書くのも上手でなければならない!と思って頑張りました。
宮崎:終わったあと、みんなから「フーー!」って言われていましたよね。すごーい!って。
青山:本当に温かかった! 女子高生役のキャストの方が一緒に盛り上がってくれました。
──第2話だと、山本が男(バイト先の店長)と話しているのを見て、彼氏と勘違いする和田がかわいらしかったです。
宮崎:ここは和田の表情がころころ変わる感じが出ていて、好きなんです。
──ぷいってしている感じでしたね。で、それを察して、それとなく店長だよと伝える山本という。
青山:様子がおかしいことに、すぐ気づくんですよね。
宮崎:そういうところも優しいんですよね。あれは違うから!って言わずに安心させてくれる。
青山:変なすれ違いコントもせずに、それとなく気づいてフォローしてあげる。その後の和田の喜び方も、感情が出ていて良かったです。
──バイト時間を削ってまで、和田と駄弁る時間を確保する山本って、すごく和田のこと好きですよね。
青山:セリフの端々に見える和田への信頼は、このあとも加速していきます。
宮崎:どんどん仲良くなっていくので。山本って結構クールな印象があるけど、かわいいし愛情深いんですよね。動物に対してもそうだし。
青山:和田のことを動物だと思っているフシはあるかもね(笑)。感情表現もわかりやすいし、犬みがあるから、かわいがりたくなるんですよ。
──それと、山本は犬の映画を見て泣くことがわかりましたね。しかも思い出しながら、また涙ぐむという。
宮崎:ここで泣く山本、すごく好きです!
青山:ここはオーディションのセリフでもあったのですが、山本は淡々としているのでどのくらい感情を出していいのかわからなかったんです。でも普段感情を表に出さない人がうっかり人前で泣いちゃうときのトーンって、きっと泣き慣れてない声だと思ったので、そんなアプローチをしたと思います。
宮崎:逆に和田の泣き方ってギャグに振り切っていて、全部に濁点が付くような感じなんですよね。山本は繊細で純粋さがあったなと思いました。
──EDテーマ「となりあわせ」を和田と山本で歌っていますね。
宮崎:ひとりで帰り道を歩いているときに相手のことを考えているような印象があったので、ひとりでいるときの和田を演じているような感じでした。なので、また別の一面が見せられたかなと思っています。
青山:ひよたが歌ったあとのレコーディングだったので、ひよたの声を聴きながら歌ったんですけど、一緒にカラオケに来たような感じがしました。山本って歌ったりするのかな?と思っていましたが、気取っていないいつも通りの和田の声があったので、フードコートの延長線で、どこかのカラオケボックスなんだな、ここは。という気持ちで歌えて楽しかったです。
──最後に、今後はどんな展開が待っていますか?
青山:特に大きな展開があるわけではないんですけど、それがいいというか。なので、皆さんも肩の力を抜いてゆっくり観てほしいです。フードコートで、皆さんの身近にいるであろう女子高生の会話を、盗み聞きしてくれたら嬉しいです。
宮崎:最終話に向けて、物語の大筋になっていくところがちらちら見え始めるんです。ちょっと出てきた話題やキャラクターが、組み合わさっていくところが面白かったりするので、そんなところも楽しんでいただけたらいいなと思っています。
[文・塚越淳一]
作品情報
あらすじ
クラスではそれぞれ⼀⼈きりで過ごす和⽥と⼭本は、別々の⾼校に通っているものの、毎⽇のようにショッピングセンターのフードコートに集まっている。
と⾔っても、何をするでもなく、ただただたわいもない話をして、笑ったり、泣いたり、怒ったり……。
そんな⼆⼈のゆるい放課後を、少し覗いてみませんか?
キャスト
(C)2024 成家慎一郎/KADOKAWA/フードコートで、また明日。製作委員会




































