
『TO BE HERO X』黙殺役・中村悠一さんが思う応援の効果|「自分の力以上のものは出せないけれど、やってきたことに対しての返事や答えになる」
応援は、自分がやってきたことに対しての返事や答えになっている
──中村さん自身は、信頼や応援で力を発揮できたなと思ったことはありますか?
中村:うーん。決して自分だけの力で渡り合ってきたとは思いませんが、具体的にどうと言われると難しい。ただ、応援があったからこそできたこと、挑めたことはあると思っていて。例えば、声優・役者になりたいと思ったこと自体がそうなのですが、僕の時代からこの業界って狭き門だったんですよね。目指した皆が皆なれるものじゃなかったですし、生活が保障されているような仕事でもなくて。それでも、うちの両親は僕を信頼して、応援してくれました。そのおかげで、今があると思っています。
あと、僕は地方から上京して声優を目指していたこともあって、生活費を払うだけでも大変で。でも、瞬間的にお金が必要になる場面ってあるじゃないですか。例えば、この業界で言うと打ち上げや飲み会。そういうときにお金がないってなっても、役者の先輩や同期が「今日は出してあげるから行こう」と言ってくれたんです。僕はこれも応援のひとつだと思うんですよね。
──なるほど。
中村:だって、ふたりで行く食事ならまだしも、大勢が参加するような飲み会に中村一人が来なくたって、別に問題ないわけですから。それでも、お金を出してまで連れて行ってくれるというのは信頼してもらえているからだろうし、応援だよなって。そのときに見聞きしたものが、今の自分につながっていると思うこともあるので、力が発揮できるかどうかはさておき、やっぱり信頼・応援は必要なものではあると感じています。
──ファンの方からの応援が力になって後押しされた、などの経験はありますか?
中村:これが、難しいもので。応援の気持ちは本当にありがたいのですが、だからと言って、それが僕のお芝居をするうえでの力になるかは…
──この作品のように信頼値によって芝居がすごくなる、力になるという訳ではないですもんね。
中村:そうなんですよ。さっきの話と逆になってしまいますが、結局は自分の中から生み出したものしか声として出力できないですから。信頼してもらえたとしても、応えられるかどうかは別問題。自分の力以上のものは出せないというのが現実なのかなって。
──信頼は必要だけども、結局最後に頑張るのは自分。
中村:矛盾は感じていますけど、そうかもしれないです。でも、応援は、自分がやってきたことに対しての返事や答えになっていると思っていて。このルートを歩んでよかったという気持ちになりますし、次への力をもらえているなと感じています。
──この作品にも、そういう側面がある気がしています。
中村:僕も、そう思いますね。
黙殺編最後のブロックのエピソードを見て、一安心しました
──改めて、中村さんが感じている本作の魅力を教えてください。
中村:2Dと3Dの融合や使い分け、エピソード毎にキャラクターデザインが異なっているという試みが、僕はすごく好きですね。黙殺編は2Dで描かれていますが、他のヒーローではCGを取り入れているときもあります。昨今のアニメはアニメーションに統一感を持たせるようになっていますが、僕は今回のような作り方も面白いと思っています。
新しい試みをすることによって賛否両論が起きるかもしれないところを挑戦していることに対して、僕は敬意を払いたいです。
──中村さん自身も挑戦されることは大事にされている。
中村:そうですね。例えば作品への出演が決まったときは、演じるキャラクターで今回はどういうことに挑戦してみようかと、何かしらの課題や目標を自分のなかで作っています。ときに失敗するときもありますが、そうやって挑戦は続けていますね。
──最後に、今後の見どころをお話いただければと思います。
中村:ヒーローごとのエピソードはオムニバス形式で短めではありますが、その分、濃縮されたお話になっていると思います。今後の黙殺編では、これから黙殺がどうしていくのかということが主に語られていくので、これまで彼が登場した場面を踏まえて見ていただけたら、より楽しんでいただけるんじゃないかなと。
個人的には、黙殺編最後のブロックのエピソードを見て、一安心しました。彼にも何かしらの救いの手が差し伸べられると思いますので、じっくり楽しんで見ていただけると幸いです。
[インタビュー&文 M.TOKU]
作品情報
あらすじ
ここでは、「信頼」がスーパーヒーローを生み出す。
人々が「彼は空を飛べる」と信じれば、その男は飛行する能力を手に入れる。
逆に特殊な力を持つヒーローでも、信頼を失えば能力もまた失われる。
信頼はデータとして集計され、その数値によってヒーローのランキングが変動する。
2年に一度、トップランクのヒーローたちが集い繰り広げるヒーロートーナメント。
そこでのパフォーマンスによって「信頼値」が更新され、ランキングは再構築される。
ランキングの頂点に立つ絶対的なヒーロー、人はそれを「X」と呼ぶ――
キャスト
(C)bilibili/BeDream, Aniplex




















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