
『怪獣8号』第2期 保科宗四郎役・河西健吾さん&鳴海 弦役・内山昂輝さんインタビュー|今は大きな盛り上がりの前の「凪の時間」。保科がどんな行動をして、鳴海がどんな表情や強さを見せるのか、楽しみにしてほしい
第2期は第3部隊以外にもスポットが当たり、各部隊のカラーが鮮明になった
──第2期では鳴海以外にも新キャラが増えましたが、河西さんはその影響や変化をどのように感じていますか?
河西:第1期は立川基地が主戦場だったので、第3部隊の面々が中心に描かれていましたが、カフカやキコルが第1部隊に入隊したこともあって、他の部隊にもスポットが当たるようになりました。第1、第2、第3、第4といろいろな部隊がいるので、そこにフォーカスすることで、必然的に各部隊ごとの色が出てくるなと。例えば第1部隊は、クセがあるけど強い鳴海の下に小隊長クラスのメンバーがあれだけそろっているので、鳴海にはカリスマ性があるんだろうなと思いました。
第18話で保科に対して鳴海が「ワレ、誰の許可取ってワシのナワバリに足を踏み入れとんじゃ」と吹っ掛けてきたら、「許可なら隊長の更に上の本部から取っとりますんで、お気遣いなく」と言い返して。「第1ってこんな感じなんだ」「第3ってこんな感じなんだ」と今までなかった各部隊のカラーが見られて。新しいキャラクターが増えたことで、より幅が広がった感じがします。
──鳴海の部下の東雲の印象は?
内山:いいキャラクターですね。実力はすごいし、性格的にも勝気なところがいいなと思います。キコルと張り合うシーンもあるので、2人の関係性にも注目していただきたいです。
河西:「しののめ」は言いにくいのが、玉にきずで。
内山:鳴海が部下に命令する時、「東雲!」と言うのが難しいのがちょっと(笑)。
──第2期では9号がどんどん強くなり、対抗する手段も狭まるなか、保科も大きな決断を下しました。
河西:圧倒的な9号に対して、保科も過去に前例がない、自我を持った10号を兵器化して、自身がのっとられる危険性も承知の上で着装する覚悟ができるのがすごいなと思いました。
──第1期の最終話(第12話)で、カフカが怪獣8号だと正体が明らかになってしまっても仲間を救おうとしたことも影響があるのでしょうか?
河西:カフカがいなければ、立川基地は全滅していたわけですから。序盤ではカフカに何か秘密があると怪しんでいる節がありましたが、カフカの人間性なども見てきたことで、彼のいる日常が当たり前になっていて。
またカフカが自分に力が足りないと思って、努力を重ねて這い上がろうとする姿に、過去の自分の姿を重ねたところも少なからずあると思います。頑張る人は応援したいし、カフカが怪獣になったとしても、立川基地のみんなで彼を守ろうという気持ちはあったんじゃないかなと思います。
──キコルの父である四ノ宮功長官が2号スーツを着装して9号に立ち向かうものの敗北し、2号の能力や長官の記憶なども奪われてしまったのも衝撃的でした。
内山:僕もすごく驚きました。功さんは鳴海にとっても大きな存在だったし、その後も9号が長官の姿になって語りかけてきたりと衝撃的な展開の連続でした。
長官が命をかけてまで2号スーツで戦ったのに、それでも9号は倒せないし、「どうすればいいのかな?」と防衛隊も市民の人々も絶望したでしょうね。その中で鳴海たち、残された防衛隊のメンバーは、各自レベルアップしないと9号を倒せないし、平和を守れないという想いを更に強く持ったと思います。
──振り返れば、第1期でかつてカフカがいた怪獣処理業者の一人の姿で登場した時は、ここまで強大な敵として立ちふさがるとは思っていませんでした。
河西:それまで人間の言葉を普通に話せる怪獣がいなかったこともあって、結構異質だなとは感じました。
内山:捕食した人の知識や能力を取り込んでしまうのも恐ろしいですね。
保科がどんな行動をして、鳴海がどんな表情や強さを見せるのか、今後の展開を楽しみにしてほしい
──シリアスさが漂う第2期ですが、収録の雰囲気はいかがですか?
河西:ほぼ全員で収録できたので、みんなの声が聴けてありがたかったです。
──怪獣が分散して出現したため、第1部隊、第3部隊が別々に戦っていたり、隊の中でも分かれて戦っていましたが、自分が戦っていない時はブースの外で待っていたんですか?
内山:基本的には毎回前半と後半に分けてそれぞれ通しで収録していたので、自分の出演シーン以外もスタジオで見ていました。
河西:第1部隊が戦っている時は第3部隊のみんなで「第1部隊すごいな」って見ていました(笑)。そして第3部隊の番になったら「よし、行こう!」とスイッチを入れて。
──休憩中の裏話があれば教えてください。
内山:第1部隊の長谷川役の安元(洋貴)さんが多趣味なので、僕は海外サッカーの情報をいろいろ話していました。
河西:亜白隊長役の瀬戸(麻沙美)さんが隣に座ることが多かったんですけど、「あのゲームがね……」とゲーム好きなのが判明して。
内山:ゲーム好きといえば鳴海なのに(笑)。
河西:ゲームとかお互いの趣味の話をすることが多かったですね。
──お話がシリアスだと、休憩時は逆に和やかになるんでしょうか?
内山:そうですね。カフカ役の福西(勝也)さんは熱心にお仕事されているし、キコル役のファイルーズ(あい)さんも明るいし、それ以外も各世代の方がバランスよくいるので、いい雰囲気で収録できていると思います。
──もし怪獣9号のように人から知識や能力などを奪えるとしたら、何か欲しいものはありますか?
河西:僕は高い身長が欲しいです。もうちょっと背が伸びてほしかったなと今でも思っているので。
内山:確かに怪獣は大きいですからね(笑)。
河西:僕は今の身長で長年いるので慣れましたけど、昔は「もうちょっと身長があったら楽しめたかな」と、ないものねだりみたいなものはありました。
──でも身長が高い人はよく頭をぶつけるそうなので、良いことばかりではないかも。
河西:確かに江口拓也くんは大変そう(笑)。
内山:僕は河西さんの関西弁の能力が欲しいです。
河西:『怪獣8号』の関西弁は大変なんです! 関西弁といってもいろいろな地域の人がいて、「うちではこう」とか「それは違う!」など、それぞれ我を持って主張するので、口論になることが多々あって(笑)。
内山:保科の関西弁はこの地域のものみたいな決めごとがあるんでしたっけ?
河西:保科は京都の人間で、僕は大阪出身なので、ちょっと違うんですけど、方言指導とかはなく、「お任せしていただいて、ありがたいな」と思って現場に行ったら、「いや、うちの関西弁はこうなのでこう思います」と言うスタッフさんもいらっしゃって。そこでの駆け引きが最初の頃はありました。「任せてほしいな」と思いつつ、「わかりました」と(笑)。
──最後に、今後の見どころのご紹介をお願いします。
河西:「9号災害」の前のお話や、各隊長や隊員たちが各々どう怪獣9号に対処していかなければいけないのかという盛り上がりの前の凪の時間なので、そこを楽しんでいただきつつ、これから先に起きる大きな“何か”に向けて、視聴者の皆さんも心構えをしながら待っていただけたら嬉しいです。
保科としては、10号を兵器化して戦う決断はしているので、これからどう行動して、どう戦っていくのかにも注目していただけたらと思います。
内山:大変な危機が訪れた状況の中で、各キャラクターが今までよりも強くならないといけないと自覚して、苦しい修行をしたり、葛藤を抱えながらも頑張って成長しようとする姿が描かれていきます。これまでとは違った雰囲気のストーリーもありますので、毎週楽しんでいただけたらと思います。
あと鳴海に関しては、功さんへの想いも強かったと思うので、9号を倒したいという気持ちはより大きくなったと思います。
これまでも鳴海のシリアスな顔やコミカルな顔が見られましたが、これからも鳴海のいろいろな表情や強さを魅力的に表現できたらいいなと思っています。
作品情報
あらすじ
異動命令が下った第3部隊の新人たちがそれぞれの任務先に向かうなか、彼の前に現れたのは、第1部隊を率いる防衛隊最強の男・鳴海弦だった。
隊員としてのカフカを必要としない鳴海に対し、自信の力を認めさせるため「怪獣8号」の強大すぎる力と向き合うことになるカフカ。
しかしその陰では、「怪獣9号」の脅威が迫っていた…。
継承される意志と力、新たな識別怪獣兵器(ナンバーズ)適合者の誕生、そして防衛隊を襲う史上最大の危機が訪れる――。
キャスト
(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社



















































