
『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』原作者 ペンギンボックス先生×主題歌 ロザリーナさんインタビュー|「出会いの話であり、別れの話であり、子ザメがお友だちを作っていくお話でもあるので、この歌詞やタイトルは感慨深いです」
MVのロケ地は実は本作とも縁深いあの場所
──モヒカンあにきの話題が挙がりましたが、とかい編にはたくさんのキャラクターが登場しますね。
ペンギンボックス:いろいろな人が登場しすぎて、キャラクターデザイン含めスタッフさんには大変な思いをさせてしまったと思います(苦笑)。でも皆様のご尽力のおかげで、すごく楽しい作品になっていて。次々に現れる登場人物が、次々に友だちになっていく……そのワクワク感もすごく魅力的だなと思っています。背景美術も本当に素晴らしくて。原作にはない“絵本”的な温もりがあって、映画だけの世界観があって。キャラクターだけではなく、すべてを含めて楽しめるんじゃないかなと思っています。
ロザリーナ:私は試写会の前に、ほぼ完成状態のものを一度見させてもらったんです。そのときはストーリーを追いかけることに夢中だったんですけど、改めて試写会で観たときには、全体をじっくり見ることができたんですよね。そしたら、すごくいろいろなところに気づいて。例えば、背景に魚にちなんだものがいっぱい散りばめられていることにも気づいて。見方が変わりました。一回観るだけでは気づかない発見がたくさんありました。
ペンギンボックス:私もいち視聴者としてそこは楽しませてもらったところがあって。フライヤーにもなっている、渋魚の真ん中を歩いている子ザメが描かれているキービジュアルも、ものすごい情報量で。最初に見たときビックリしました。
ところで、ひとつ私からもロザリーナさんにうかがいたいのですが、「where you come from」のMVのロケ地ってもしかして……。
ロザリーナ:大洗水族館(アクアワールド茨城県大洗水族館)です!
ペンギンボックス:やっぱり! わ、すごく嬉しいです。日本でサメと言えば大洗水族館で、「これはもしかして……」と。
ロザリーナ:あの日、撮影の合間に普通に水族館を楽しんでしまって(笑)。普段だったら「チンアナゴだ、かわいー」みたいな感じで見ていたんですけど、「where you come from」な脳みそになってるから、すべての生き物を「どこから来たんだろう」と見てしまうんですよね。スタッフさんや水族館の方に「この子はどこから来たんですか?」と聞いて回ったりして、「へー太平洋から来たんだ……」「クリオネって日本にいるの!?」とか、いろいろな発見があって。命あるものはみんなルーツがあるんだと改めて感じましたね。
ペンギンボックス:すごい素敵な見方……! もし次に子ザメと大洗水族館がコラボできたら、「どこから来たの?」をテーマにした展示も面白そうですよね。
ロザリーナ:実はちょうど翌日から、(大洗水族館での)子ザメちゃんのコラボがはじまっていたんです。
ペンギンボックス:ああ、あの時期だったんですね! でも確かに、「where you come from」をクローズアップして見たら楽しい展示になりそうですね。もちろん水槽の横に小さく書かれていることも多いですが、それぞれのお魚にとっては大きなことですものね。
ロザリーナ:先生はもともとサメが好きなんですか?
ペンギンボックス:そうですね。サメも大好きですし、水族館そのものが大好きなんです。あそこまでサメが見られるのは、大洗水族館や先日コラボレーションさせていただいた海の中道マリンワールドだと思います。たくさんの種類のサメと出会える水族館は限られていて。
ロザリーナ:そうなんですね。大洗水族館にはたくさんの種類のサメがいて見応えがありました。でもじっくりと見たら、結構な迫力で「こわっ!」ってなって(笑)。でも小型のサメもいて思わず「小さいね」なんて話しかけてしまいました。
ペンギンボックス:トラフザメかな? 小さくて可愛くて、なにを考えているかわからないようなサメもいれば、シロワニのような大きなサメもいますよね。
ロザリーナ:そうそう、大きなサメがいて! 鋭い歯に驚きました!
ペンギンボックス:すごいですよね。でもあの子は意外とおとなしくて、人に危害を与えるようなことはないんですよ。見た目に対して慎ましやかで、そこは子ザメに近いのかなって感じがします。
──興味深いお話ばかりで、 あっという間にお時間になってしまって。では最後に、映画をご覧のかた、子ザメファンの方たちにお一言いただけたらと思うのですがいかがでしょうか。
ペンギンボックス:監督やプロデューサー、編集、アニメーションスタッフの皆さん……本当に多くの方が子ザメを好きになった上で作ってくださったことを感じていました。愛でできていると言っても過言ではありません。映画はもちろん、これからも楽しんでもらえるイベントなどを用意しています。ぜひ『映画 おでかけ子ザメ とかいのおともだち』を観に、ご家族や友だちと劇場にお出かけいただけたら嬉しいです。
ロザリーナ:このご時世で、日常をふっと忘れさせてくれる癒しの世界がここにあります。子ザメちゃんの周りには邪悪がないんですよね。子どもはもちろん、大人が見ても心がほどけるんじゃないかなって。……というのと、いち子ザメファンとしては、できればウェブアニメの第1話から辿って、映画での“成長した子ザメちゃん”に会いにいってほしいなと思っています。きっと見え方がきっと変わるはずです。
[インタビュー・逆井マリ/写真・佐藤ポン]
作品情報
あらすじ
そらと別れ、歩き出した子ザメちゃんの目に、キラキラした都会のポスターが飛び込んでくる。そのとき子ザメちゃんの上をサメの形をした雲が通り過ぎていく。
そしてその雲に誘われるように、子ザメちゃんは都会へ向かう電車に乗り込むのだった。輝くネオン、人々が行き交うスクランブル交差点、たくさん人たちが揺られる満員電車。“とかい“を舞台に子ザメちゃんの小さな大冒険が始まる!
キャスト
(C)ペンギンボックス・KADOKAWA/おでかけ子ザメ


















































