
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第16回:サンダーライコ役・渡辺明乃さん 前編|サンダーライコに求められた“パワー”。彼女の真骨頂は“ここから”?
サンダーライコに求められた“パワー”とは?
ーーサンダーライコを演じるにあたって、意識されていたことはありますか?
渡辺:サンダーライコはバトルが多くて、よく叫んでいるのですが、そういった戦闘シーンと普段とのギャップを意識していました。普段喋っている時は静かなのですが、バトルモードに入った瞬間に一気にギアが入る。その切り替えは、演じていてとても面白かったです。
ーー戦闘シーンと普段のギャップについては、ディレクションがあったのでしょうか。
渡辺:ショッカー戦闘員たちの中では、サンダーライコは明らかに強い部類に入るので、普段の台詞のところは「静かに、余裕のある感じで」というディレクションがありましたね。それもあって、普段のシーンではあまり力みすぎずに演じています。
ーー監督とのやり取りで印象的だったことはありますか?
渡辺:この作品は皆さん叫ぶ台詞が多いのですが、もちろんキャストやキャラクターごとに叫び方は違いますから。事前に「自分はどんな感じでいこうか」と考えていたんです。最初の収録では、監督から「ばっちりでした!」とOKを出していただけたので、すごく嬉しかったですね。監督は“パワーのある叫び”が欲しかったそうなんです。
ーー求められた叫び方が“パワー系”だった。
渡辺:決して、女性キャラクターの皆さんの叫びにパワーがないわけではないんです。ただ、女性声優の中の“叫びの圧の品揃え”において、パワータイプの声がひとつ欲しかったのだと思います。サンダーライコはそれを期待されていたんですね。芸達者な皆さんの中で、パワータイプとして頑張りました(笑)。
他のキャラクターもしっかりした肉付きをしていらっしゃいますけれど、その中でもサンダーライコは身体が大きくて、筋肉や脂肪がしっかりと乗っているんです。だから、叫び声にもパワーが欲しかったのかなと。タイプの違う叫びであれば、「女性VS女性」で声が食い合ってしまうのではなく、声がぶつかり合えるんですよ。
茅野愛衣さんのストレートにかっこいい女の人の叫びや、ファイルーズあいさんの奇想天外な叫び……。ユカリスに関しては、三葉といる時のギャップもあって、キャラクターならではの面白さもありますよね。それぞれのキャラクター性に合わせた叫び方など、色んな形の面白さを感じています。
少しずつ心が動いていく演技にも注目
ーー先ほど叫び声のお話もありましたが、特に序盤のサンダーライコは感情があまり動いていない印象でした。
渡辺:そうですね。明確な目的を持っているので、「感情はあまり動かさないでほしい」と言われていました。感情どころか顔も無表情で、ただただ任務をこなしているくらいのイメージです。
一方で話数を追うごとに、「少しずつ心が動いていくニュアンスを出したい」というディレクションもあって。だから、出番があるたびに少しずつ感情を動かそうと演技を変えていましたね。
ーーそういった段階を踏んで、サンダーライコの“可愛さ”が見えてくるんですね。
渡辺:そうなんです。今後の話数では、特にそれが表れていると思います。台本を読んだ時は、「サンダーライコの“可愛さ”と“強さ”をうまく入れ込んで作ってくださったんだな」と感じました。
きっとスタッフ陣も彼女の“可愛さ”を出したかったのではないでしょうか。登場回数は決して多くはありませんが、その要所要所で彼女の魅力や人間味がちゃんと印象に残るように、丁寧に脚本を書いてくださっていますからね。そのおかげで、自分の中でもどんどん“サンダーライコ”が形になっていったという感覚があります。
[インタビュー/小川いなり 文/柴山夕日]


































































