
生田絵梨花さん、春アニメ『本好きの下剋上 領主の養女』EDテーマ「今も、ありがとう」に込めた“家族への愛”と自身の思い出を語る【インタビュー】
ミュージカルやドラマなどで実力派女優として活躍する一方で、得意のピアノと共に日常に寄り添う歌を紡ぐソロアーティスト、生田絵梨花。2026年4月22日に自身初のフルアルバム『I.K.T』(I Know Tomorrow)のリリースを控えるなか、同作に収録の新曲「今も、ありがとう」が、TVアニメ『本好きの下剋上 領主の養女』のエンディングテーマとして話題を集めている。
家族や仲間を守るため、領主の養女になる道を選んだ主人公・マイン(ローゼマイン)の変わることのない家族への想いを、生田は優しく温かな歌声と万人の心に響く真っ直ぐなメッセージと共に表現している。ソロアーティストとして初めてアニメの主題歌を歌う彼女が、『本好きの下剋上 領主の養女』の世界に寄り添うために考えたこと、本楽曲に重ねた自分自身の気持ちや思い出について、話を聞いた。
家族と別れても消えない“愛”――マインの物語に重なる想い
──『本好きの下剋上』シリーズの印象・感想についてお聞かせください。どんな部分に魅力を感じますか?
生田絵梨花さん(以下、生田):ファンタジーの世界でもありながら、家族の愛が溢れている作品だと思います。特に私がエンディングテーマを担当させていただく「領主の養女」編は、主人公のマインが本当の家族の元を離れて、領主の養女・ローゼマインとして生きる道を選んだところからお話が始まるのですが、やっぱり家族と離れ離れになるというのは、とても大きな出来事じゃないですか。人間ドラマとしてもすごく見応えがありますし、自分の心の琴線に触れるシーンがすごく多くて、「この先どうなっちゃうんだろう?」って続きが気になりながら楽しく拝見しています。
──『本好きの下剋上 領主の養女』の主人公・ローゼマインは、本に対する情熱が人一倍強い女の子です。それにかけて生田さんの“本・読書”にまつわるエピソード、思い出の一冊をお伺いしたいです。
生田:子供の頃、母によく絵本を読んでもらったのは覚えているんですけど……でも、思い出の一冊となると、生まれて初めて人からプレゼントしてもらった本、「しあわせを生む小さな種」ですね。その方は私が尊敬している舞台の先輩で、初めて舞台でご一緒した時、私はグループ活動がすごく忙しかった時期で、そんな余裕のない私を見てプレゼントしてくださったんです。当時は目まぐるしいなかで必死に生きていたのですが、この本をきっかけに、「日常のささやかな幸せにも気付けるようになりたい」「自分の庭の花に毎日丁寧に水をあげられるような生き方をしてみたい」と思うようになって。すごく影響を受けましたし、今でも迷ったらその人に会いに行きます。
──生田さんが歌うエンディングテーマ「今も、ありがとう」は、『本好きの下剋上 領主の養女』のどんな部分に寄り添った楽曲だと思いますか?
生田:最初に楽曲の方向性を決める話し合いを行いまして、作品の舞台が中世ヨーロッパ風の世界観ということで、ケルト音楽っぽい曲調やアレンジ感でいくことから制作がスタートしました。歌詞は家族への感謝や愛を伝える言葉がベースになっていて、ローゼマインの気持ちや境遇に寄り添うものになっています。そういった想いは、身近な人にこそなかなか伝えるタイミングがないものなので、出来上がった歌詞を見た時に、自分の生活においてもグッとくる部分がありましたし、ローゼマインの生きている世界観としても、家族と離れ離れになっている今でも感謝しているし大好きという思いがあること、ローゼマインの心にもすごく寄り添っている楽曲だと感じました。
──レコーディングではどんなことを意識しながら歌いましたか?
生田:私の中の勝手な印象なのですが、ケルト音楽には懐かしみや故郷感を感じるので、そういう温かい歌を歌ってみたい気持ちがありました。歌う時は、この楽曲における情景や匂いや温度感を、実際に五感を使って感じるようにイメージして。日常的にある生活、普段は当たり前のこと過ぎて意識はしないけれど、いざ離れてしまうと実は一番尊い時間だったことに気付く、回想のなかの日常。そういう情景を浮かべながら歌いました。
──生田さんの歌声がとても暖かくて。きっとローゼマインの気持ちだけでなく、自分自身の気持ちも重ねることができたのはないでしょうか。
生田:歌っている時は、私自身の家族やいつも身近で支えてもらっている方々の顔を思い浮かべていました。それとこの曲の歌詞には、とてもストレートで真っ直ぐな言葉が詰まっているので、家族にそういう言葉を伝える時のちょっと照れ臭くなるような感じも、そのまま声色として乗せられたらいいな、と思いながら歌いました。
聴く人の記憶に寄り添うエンディングテーマ
──ちなみに生田さんは普段、家族に感謝の気持ちを直接伝えるタイプですか?
生田:常々伝えたいと思ってはいるのですが、いざそれを伝えても、思っていたよりもそっけなくなってしまったり、なぜか動きがぎこちなくなります(笑)。自分が家族からそういう気持ちを伝えられると嬉しいですし、他人のそういうエピソードを聞くとすごくほっこりするので、私も「ちゃんと伝えよう!」と思うのですが、やっぱり照れ臭くなってしまって……。
──家族にこの楽曲を聴いてもらったら、生田さんの気持ちが伝わると思います。
生田:実はもう聴いてもらいました!新曲ができた時は毎回、家族に聴いてもらっているんです。この曲も音源だけでなく、アニメのエンディング映像とMVも観てもらったのですが、母は「この曲、すごく好き」って喜んでくれていました。詳しく感想を聞いたわけではないのですが、この曲のメッセージ性もそうですし、耳に残る楽曲ということもあって、気に入ってくれたのかなと思います。この曲を収録したアルバム(『I.K.T』)のリリース日が母の日に近いこともあって、いいプレゼントになったかもしれないです(笑)。
──この曲の歌詞には“母の手のぬくもり 髪を結んでくれたあの 笑顔が今も宝物”など、家族との思い出の時間が具体的に描写されています。生田さんにも、そういったふと思い浮かぶ家族との思い出はありますか?
生田:私も子供の頃、母によく髪を結んでもらっていました。小さい頃の私はずっとロングヘアーで、いつも二つ結びとか三つ編みをしてもらっていたので、“母の手のぬくもり”は私も感じていましたね。他にも手紙を渡して“今は読まないでね”という歌詞のくだりも「わかる!」と思いました(笑)。「いやいや、私がいる前じゃなくて後で読んでよ!」みたいな。そういう意味でも自分的に沁みるポイントが多い楽曲です。
──生田さんだけでなく、きっと『本好きの下剋上 領主の養女』を観ているたくさんの人たちも、この曲を通じて家族との大切な時間を思い出すでしょうし、素敵なエンディングテーマになりましたよね。
生田:うん、本当にそう思います。皆さんのそれぞれの思い出と重ねて聴いてもらえると嬉しいです。この曲は昔の思い出や感謝と共に“今”に繋がる想いを歌っていて、その“今も、ありがとう”という気持ちは今後もずっと更新され続けていくと思うんです。その時々の想いをこの曲を通して歌っていけること、育てていけることが楽しみです。
[文・北野創/写真・小川遼]
楽曲情報
【発売日】2026年5月6日
【価格】2,699円(税込)
【収録内容】
≪CD≫
「今も、ありがとう」「夏恋風」
≪Blu-ray≫
「今も、ありがとう」MV、MVメイキングムービー収録
作品情報
あらすじ
ひとりの少女の情熱が世界を動かす――
魔力を持つ貴族が支配する<エーレンフェスト>
書物なき世界で本作りに奮闘するマインだったが、
その身に秘めた強大な魔力が陰謀を招く。
下町の家族や仲間を守るため、彼女は領主の養女・ローゼマインとして生きる道を選ぶ。
大切な家族と別れ、自分の名前さえ捨てて――
常識の通じない貴族社会で、本への情熱と家族への想いを胸に、
ローゼマインの闘いが始まる!
キャスト
(C) 香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会2026





























