この記事をかいた人

- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

──もう少しアフレコについてのお話を教えてください。お互いの演技に対する印象というのはどうですか?
田村:伊藤さんの声がめちゃくちゃかっこいいんですよ。最近の声優さんって整った、可愛らしい声のかたが比較的多いような気がするんですが……伊藤さんが声を発した瞬間に思わず二度見してしまいました。
すげぇ渋い! かっこいい! って。一度聴いたら忘れられない声なんですよね。それに加えて、お芝居が自然で、本当に浅草さんが喋ってるよう。
松岡:本当に。あんなに「じゃよう」とか、カッコつけずに言えるの凄いなって!
伊藤:「じゃよう」はかっこつかないし!(笑)
田村:本人的にはかっこつけてないのかもしれないんですが、かっこいいんですよ。浅草氏の妄想のところだったと思うんですが、声を張るときが凄くて。「もうついていきます!」って気持ちになりました。
伊藤:良かった(笑)。じゃあ私から……。田村さんは私の感覚として頼れる姉貴なんですよ。どっしりしてくださっているおかげで伸び伸びできるし、絶対に正してくれる道しるべ的な存在なんです。
しかも空気を柔らかくするのがすごく上手で。田村さんって「ありがとうございます!」ってすごく言うんですよ。
田村:言いますね(笑)。
伊藤:私は台本に集中してると返事を忘れたりしてしまうタイプなので見習わなきゃなって毎回思います。本当にプロデューサーのようです。お二人とも本当に役に合ってるなと思っています。
松岡さんは……ちょっと上から目線になってしまうかもしれませんが、松岡さんを見てると初心を思い出すんです。すごく勉強熱心でキラキラしてる。このまっすぐさは誰しもが忘れちゃいけないなと思います。気遣いもすばらしくて、ステキだなって。
姉御に対しても色々と質問をしていて、それを聞いて「(あ、なるほど!)」と横で思ったり(笑)。その一生懸命さが眩しいです。
田村:本当に勉強熱心なんですよ。一回聞いたところは翌週には必ず覚えてくる。
松岡:ありがとうございます。的確にアドバイスしてくださるので、本当に勉強になります。
──松岡さんからはどうです?
松岡:さきほども言ったんですが伊藤さんは決め台詞をかっこつけずにキメるってところが凄いです。
伊藤さんしかできない浅草氏なんで、表舞台でたくさんの経験をされてきた方なので“こうして”って言わたらそれ以上の演技をされていてすごい見てしまいます!
伊藤:ワハハハハ! ありがとう。
松岡:田村さんは、実は私が声優になりたいと思ったころから憧れていた方で。「田村さんのようになれ」と言われて事務所に入ってるんです。
田村:え、ウソでしょ!?
松岡:本当なんです。それで田村さんのボイスサンプルを書き起こして練習してたんです。
田村:えええー!!!!
伊藤:凄い! なんちゅうエピソードや。
松岡:だからこんなに早くお会いできると思っていなくて。しかも共演できて、ご本人からご指導いただけるなんて夢のようなんです。
──なんとドラマティックな……!
(全員で自然と拍手)
松岡:田村さんはマイク前で演じられているような背中もカッコいいですし、私のようなものにも手を差し伸べてくださって、そういうお人柄が本当にステキだなと思います。今も昔も憧れです。
今、恵まれている環境にいるからこそ、ここで成長しなきゃなという思いがあります。まだまだですけど頑張ります。
田村:わわわわ……ありがとうございます!
(もう一回拍手)
伊藤:なんかもうっ……! 熱いです! 凄く熱い!(顔を仰ぐ)
田村:というか「私のようなもの」って(笑)。仲間だから!
松岡:ありがとうございます!
──でもきっと、田村さんがそうやって親身にアドバイスされるのは、田村さん自身も先輩方に色々と教えてもらってきた経験があるからなのでは?
田村:そうですね。私は最初“別録り”の意味も分からなかったんですよ。でも、ある先輩から収録後わざわざ「睦美、別録りっていうのはね……」と教えてくれたことがあって。
もう収録は終わっていたからほっといてもいいはずなんですよ。しかも事務所の先輩なわけでもなくて、周囲にさりげなく教えてくださる先輩たちがいて助けられたことがたくさんありました。その恩を返せたらいいなとは思っています。
松岡:本当にありがとうございます……!
──すごくいいお話をありがとうございました……! いろいろと魅力を語っていただきましたが、最後にアニメ『映像研には手を出すな』を楽しむポイントを教えてください。
田村:沢山あり過ぎてひとつに絞りこむのが難しいんですが……。一生懸命頑張ってる姿を見てもらいたいです。
頑張るってことは恥ずかしいことじゃなくて、頑張ると楽しい世界が広がってる。その世界に入り込んで一緒に青春してほしいなと思います。
また、『映像研』のアニメだけあって映像も本当に凄いです……! オープニングとエンディングもすごく良くて好きです。
▲PV第三弾でオープニングテーマ「Easy Breezy」(chelmico)を聴くことができる。エンディングテーマは「名前のない青」(神様、僕は気づいてしまった)。
田村:オープニングはかわいい、エンディングは泣きそうになるんですよ。グッとくるんですよね。主題歌の映像も楽しみにしててほしいです。
松岡:キャラクターがたくさん出てくるのですが、各キャラクターがそれぞれにこだわりを持っているんです。『映像研』以外の部活も、その部活ならではのこだわりがある。
どこかに自分と重なるキャラクターがきっといるはずなので、一人ひとりにフィーチャーして観てもらえたら共感できるところが絶対にあると思います。
それぞれの役に注目して何度も観てほしいです。あと、SEもすごく可愛いのでぜひ注目してください。
伊藤:アニメに限らずですが、何かが生まれるさまって面白いし熱くなるものだと思うんです。日曜の深夜って「明日から本当に憂鬱」って物思いにふけっている時間帯なんじゃないかなと思うんです。
それでも夜更かしして損はないというか、逆に元気をもらっちゃうと思うんですよ。この子たちの熱量を受けてキラキラした毎日を送ってくださいという感じですね。とにかく楽しんでもらいたいです。
[インタビュー/逆井マリ]

神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。


■放送情報
NHK総合テレビ 2020年1月5日(日)24:10~放送スタート!!!
(関西地方は24:45~)※放送予定は変更になる場合があります。
■配信情報
:FOD独占配信 2020年1月5日(日)
毎週日曜日26:00最新話配信
高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。
さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……
「月刊!スピリッツ」(小学館)にて好評連載中の大童澄瞳のデビュー作に、国内外で数々の賞を獲得してきた湯浅政明監督&スタジオ「サイエンスSARU」が手を出した!!
キャラクターデザインは浅野直之、音楽はオオルタイチが加わり“最強の世界”を“最強のスタッフ”でつくり上げる。全世界が注目する電撃3人娘の冒険譚が始まる!!!!
原作:大童澄瞳
(小学館「月刊!スピリッツ」連載中)
監督:湯浅政明
脚本:木戸雄一郎
音楽:オオルタイチ
キャラクターデザイン:浅野直之
美術監督:野村正信
色彩設計:中村絢郁
撮影監督:関谷能弘
編集:齋藤朱里
音響監督:木村絵理子
アニメーション制作:サイエンスSARU
OPテーマ:chelmico「Easy Breezy」
EDテーマ:神様、僕は気づいてしまった「名前のない青」
浅草みどり役:伊藤沙莉
金森さやか役:田村睦心
水崎ツバメ役:松岡美里
百目鬼役:花守ゆみり
さかき・ソワンデ役:小松未可子
藤本先生役:井上和彦