2期でも変わらず二人の間を流れるゆるやかな時間を堪能してほしい――『天官賜福 貮』日本語吹替版 謝憐役・神谷浩史さん&花城/三郎役・福山潤さんインタビュー|「俗物」ばかりな新キャラたちにも注目!?
見どころは物語の「静」と「動」。二人の間に流れるゆるやかな時間を堪能してほしい
――改めて、2期の見どころを挙げるとすれば?
福山:今回、物語が大きく動いていく中で謝憐が任務のために鬼界にやって来て、花城と再会するところが最初の見せ場かなと思います。天界や鬼界というものは中国独自の観念なので、僕も収録しながら学んでいる感じではありますが、天界の人たちが鬼界に足を踏み入れた時にどう振舞うのか、もし見つかってしまったらどうなるのだろうか? という部分が物語の「動」だとすれば、再会した花城と謝憐の間に流れる時間や感情は「静」であって。その「静」と「動」の部分が前半戦の見どころだと思います。
神谷:やっぱり待望の続編が見られるということでしょうか。今作から初めて見ようと思うと少しハードルが高いかもしれません。2期を見る前に、1期を見ておいたほうがいいと思います。
福山:素晴らしいクオリティの映像美だけでも楽しめると思いますが、この2期から見たらストーリーや人間関係などがまったくわからないと思います。
神谷:1期から演じている僕らでさえもまだわからないことが多いですから(笑)。
――アニメ『天官賜福』シリーズの魅力とは?
福山:映像表現として綺麗で見目麗しい世界が作られていて、人を描いているのか、世界を描いているのかが判断しにくいかもしれませんが、いいバランスになっているのかなと。わかりやすくはないかもしれないですが、一度見てみたら心にどこか引っかかったり、刺さるポイントがあれば、続けて見てもらえるのではないかなと思います。
ジャンルとしてはブロマンスだと思いますが、きれいに動くアニメとしても見ていただけますし、中国では馴染みがある文化を中国の方が描いて、我々日本人が触れた時にどう感じるのかという興味本位でも楽しめると思います。その中で主眼となっている謝憐と花城の関係に興味を感じる方であればよりハマれるはずです。
神谷:中国の作品であることが一番大きいと思います。日本文化とは違うものを作品から得られるし、技術が高いアニメを見せてもらえることが魅力かなと。アニメの基本は絵が動くことですから、きれいで滑らかに動いている映像で、1話の中に必ず1カ所、素敵だなと思える演出もあるので、2期からでもそういう部分を楽しんでいただけるかなと思います。
――コメディとシリアスのメリハリや緩急の付け方が上手だなと思いました。
神谷:緩急という点では、本来なら全体像として物語を描くのが正しいと思いますが、この作品では謝憐と三郎の関係を描くことに重きを置かれているので、いざ三郎が登場した時の時間の進み方が遅い(笑)。「時が止まっているのかな?」と思ってしまうくらい丁寧な描き方をされていて。それまではテンポよく問題を解決するためのヒントが提示されたり、解決手段を手に入れたりするんですが、三郎と会った途端に次元のゆがみが生まれるんですよね(笑)。
福山:いわゆるドラゴ〇ボールのナメック星爆発まであと5分みたいな(笑)。
神谷:精神と時の部屋とか(笑)。演じている側は楽しんでやっています。
福山:(作中の)周りの人もよく付き合ってくれますよね。なぜか花城のやることを全肯定してくれて。二人のやり取りをアップで延々と見せられて。
神谷:あの時間、みんなは何してんだろうなって(笑)。
――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
福山:2期からご覧になっていただいている方には、なぜそこに至ったのか、二人の関係性の根幹となっている1期を見て、二人のぜいたくな時間を味わいながら物語をさかのぼっていただけたらと思います。
1期からご覧になっていただいている方には、ゆったりした時間が流れた1期とは打って変わって、激しく物語が動いていきます。でも謝憐タイム、花城タイムはしっかりある安全設計になっています(笑)。郎千秋など、2期からの新しいキャラが二人にどう関わっていくのか楽しみにしつつ、最後まで見届けていただけると幸いです。
神谷:1期をご覧になってくださった方は、2期もきっとご覧になっていただけているはずと信じています。皆さんが期待している以上のものが見られ、展開していきますので引き続きお付き合いください。
2期からご覧になっている方には、なるべくなら1期をご覧になることをオススメします。1期の完全生産限定盤Bru-rayBOXが上下巻が発売中ですが、各6話ずつノーカットで収録されていますので、より『天官賜福』の世界を堪能していただけると思います。各配信サイトで配信もされていますので、ご覧になっていただければ幸いです。
そして『天官賜福 貮』も放送版とオリジナル版がありますが、放送尺に合わせたものが放送版、ノーカットで長めのものがオリジナル版になっています。両方見比べてみるのも楽しいかもしれません。これからも『天官賜福』をよろしくお願いします。
『天官賜福 貮』作品情報
あらすじ
墨香銅臭(モーシャントンシウ)(代表作「魔道祖師」)が描く、美しく壮大な中華ファンタジーのアニメ化第2シリーズ!
仙楽国の皇太子として生まれた謝憐(シエ・リェン)は、人々を救うことを夢見て飛昇し神官となるも、禁忌を犯して二度も天界から追放されてしまう。
そして800年。三度目の飛昇を果たした謝憐は人間界で“三郎”と名乗る少年と出会う。
博識で物怖じしない不思議な少年・三郎(サンラン)の正体は、鬼界の王と恐れられ天界と敵対する鬼、“花城”(ホワチョン)。
謝憐はその正体に気付くも、ともに過ごすうちに彼との絆を深めていくのだった...。
半月関での事件を解決し、三郎が謝憐のもとを去ってから暫く経ったある日。
帝君・君吾(ジュンウー)によって天界に召喚された謝憐は、ある神官が救援を求めているという情報を聞き、死者の領域である鬼界に足を踏み入れる――
キャスト
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