アニメ
『薬屋のひとりごと』第2期を悠木碧&大塚剛央が振り返る/最終回放送後インタビュー

ひとつ自分の心を知った猫猫とさらに成長した壬氏がどんな未来を歩むのかーー『薬屋のひとりごと』第2期を悠木碧さんと大塚剛央さんが振り返る【インタビュー】

 

壬氏の“人”としての実直さ

──後半は再び現れた翠苓が猫猫を連れて行く展開となりました。

悠木:これまでは基本的に後宮の中の話ばかりだったからこそ、後宮がいかに閉鎖的な場所で、そこには呪いが渦巻いていた、ということがわかるのが後半のお話です。さっき大塚くんが話していた通りで、第2期の1クール目から色々な伏線が散りばめられていたけど、それを一回忘れさせたところで翠苓が出てきたのは衝撃的でした。そこから猫猫がさらわれる展開だって、よく考えたら予想できたかもしれないですけど、そうは思わせない流れでしたよね。

 

 
ただ猫猫を演じていて思ったのは、色々なことがあるけどそんなにブレない。普通の人なら泣いちゃうこともあったけど、彼女が泣くのは小蘭の手紙だけで、それくらい平常心を保っています。そういう意味では場所が変わっても安心して見れましたし、物語的にはワクワクする仕掛けがたくさんあったなと思います。あと猫猫と壬氏で考えると、さらわれたお姫様と迎えに来た王子様に“一応”なるんですよね(笑)。

大塚:(笑)

悠木:猫猫はそんなつもりもなく、砦でも上手くやっているけど、後宮では羅漢がブチギレたりしてとんでもない事件になっているという(笑)。世間と猫猫の温度差が面白かったですね。

──そんな猫猫がいなくなり、壬氏が柘榴宮に乗り込むところはこれまでにない恐ろしさがありました。

大塚:身分が高く、基本的に立ち居振る舞いも優雅、見た目も華やかですけど、根っこの部分は真面目で実直です。そんな彼だからこそ猫猫がいなくなった焦りであったり、自分が管理する後宮で事件が起きたことで、ああいう感情が出てきたんじゃないかなって思います。

演じるにあたっては明確にどうしようとは考えていませんでした。あそこまで怒りをあらわにするのは初めてだったからこそ、やってみないとわからないなと思って。どこでどのくらいインパクトを持ってくるのか、都度調整しながら作り直していきました。

 

 

──第44話で羅漢に迫られたところは壬氏にとっての転換点のひとつだったのではないかと思います。

大塚:第2期の壬氏は自分と向き合う時間が結構あって、モノローグも増えています。そんな中、羅漢とのシーンでまた一段と覚悟が決まりました。本当はもう少し前から心の整理はできていたはずなんです。でもここのやり取りで一歩踏み出すことができたんじゃないかなと思います。

──このシーンの収録の雰囲気はいかがでしたか?

大塚:そこは残念ながら桐本(拓哉)さんとご一緒できなかったんです。でも、これまで一緒に収録させていただくことは何度もあったので、どんなお芝居をされるのか想像しながら演じることはできました。

 

なんだかんだ情に脆い猫猫

──そして後半、物語の舞台が里や砦に移ってからは子翠の正体が明らかになるなど、クライマックスに相応しい怒涛の展開でした。

悠木:原作やコミカライズ版とかで履修はしていましたけど、猫猫からしたら仲が良いと思っていた友達が大きな隠し事をしていたというのは結構ショックだったんじゃないかなと。あと、猫猫は洞察力に少しは自負があると思うから読みきれなかった悔しさもあるんじゃないかな。もっと早く気付いていれば結果も違ったでしょうし。そういったところを含めて、砦では猫猫の珍しい一面を見れたんじゃないかなって思います。

 

 

──表情からはあまり見えませんが、心は揺れ動いていたのですね。

悠木:子翠と楼蘭、どっちで呼ぶか考えた時も友人としての「子翠」を選んでいたり、自分の心が動いていることに気付きだしたりして。猫猫は自己評価としては“ドライ”と思っていますが、第1期の頃から壬氏が泣きそうな時に受け止めてあげたり、これを言ったら打首になってしまうから黙っといてあげようみたいな判断ができたりと、なんだかんだ情に脆いですし、命への尊重があるんですよね。

そこは羅門が優しく、悟った人だからでしょうか。まだまだ本人の自覚は薄いですが、子翠との出会いを通して、ちょっとだけ心の揺れ動きがわかるようになったんじゃないかなって思います。

──それほど子翠との出会いは大きかったと。

悠木:そうですね。これまでに大事な人がいなかったわけではないですけど、小蘭と子翠は妹分といいますか、面倒見てあげなきゃと思っていたはずなんですよね。自分も花街の姉ちゃんたちに面倒見てもらっていましたから。

だから子翠の正体は残酷な真実だったと思います。演じながらどの程度ショックを受けていいものか、さじ加減が難しかったです。やっぱりクールな子でもあるので、感情がどのくらい見えるのか、どのくらい感情を自覚していいのかを現場で指示していただきながら調整しました。

 

 

──第47話で壬氏は楼蘭の覚悟を目の当たりにしましたが、大塚さんはご覧になっていかがでしたか?

大塚:今、ふたりはなにを考えているんだろう、と自分でも考えさせられる場面でした。現場では楼蘭の行く末を見届けたくなるような空気感が流れていて印象深いです。ただ壬氏は難しい立場ですよね。情に流されてはいけないけど、自分の中では色々な感情が渦巻いていて。

あと最後にたくさんの伏線が回収されましたが、それでも本編では語りきれない裏の話があったんだなって。この時、この人はなにを考えていたのか、とか改めて想像の余地がある作品だと思いました。

 

続編発表! 猫猫と壬氏の行く末は?

──続編も発表されたということで、今後に向けた意気込みをお聞かせください。

大塚:僕としても、応援してくださるみなさんにとっても嬉しいお知らせでした。大きな出来事がひとつ終わった後の『薬屋のひとりごと』は一体どのように描かれていくのか、ぜひ楽しみにしていてほしいです。現在、色々なコラボとかも展開中ですので、それらを含めて引き続き応援いただけますと幸いです。

悠木:実は第1期のアフレコをしている時に「人気が出たら第2期をやるかもしれません」と言われていたんですけど、実際に放送されて、ちゃんと人気が出たから第2期が決まりました。そして第2期の収録中、「“ものすごく人気が出たら”続編をやるかもしれません」と(笑)。

大塚:(笑)

 

 
悠木:ついに発表できましたけど、これはもうみなさんが作品を真摯に受け止めて、その愛情を発信してくれたおかげです。私たちも『薬屋』が大好きですし、みなさんの声に応えられる続編にしたいと思っています。

そして大塚くんも言ってくれましたけど、これからも様々な施策が予定されています。放送が終わったとはいえ、みなさんを休ませるつもりはないので、これからも息を切らしながら着いてきてもらえると嬉しいです(笑)。

個人的には、ひとつ自分の心を知った猫猫と、さらに成長した壬氏がどんな未来を歩むのか、ぜひ見てみたいと思っています。原作のあのシーンをついに見れるのか、もしかしたら全然関係ない異世界に行ってしまうのか(笑)。まだなにもわかりませんが、私もみなさんと同じように“薬屋ロード”を楽しみにしていようと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします。ありがとうございました。

[文・MoA]
 

作品情報

薬屋のひとりごと 第2期

あらすじ

帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。
妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。
先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。
不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。
猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー

キャスト

猫猫:悠木碧
壬氏:大塚剛央
高順:小西克幸
玉葉妃:種﨑敦美
梨花妃:石川由依
里樹妃:木野日菜
小蘭:久野美咲
子翠:瀬戸麻沙美
姶良:Lynn
愛凛:原由実
羅半:豊永利行
神美:深見梨加
ナレーション:島本須美

(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 

おすすめタグ
あわせて読みたい

薬屋のひとりごと 第2期の関連画像集

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2025秋アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2025秋アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング