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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

『名探偵コナン』は、週刊少年サンデー(小学館)にて1994年より連載中の青山剛昌先生が描く人気推理漫画。TVアニメシリーズは長きにわたり親しまれ、劇場版も大ヒットを記録しています。
探偵たちの活躍と同時に警察組織についても緻密に描かれており、精鋭揃いの公安警察も注目を集める存在。警視庁公安部に所属している風見裕也は、警察庁警備局警備企画課の降谷 零の右腕として活躍中です。
本稿では、そんな風見裕也の情報をまとめてご紹介。登場回一覧や人物像なども解説していきます。
※本稿には、『名探偵コナン』の一部ネタバレが含まれます。
【警視庁公安部】
階級:警部補
年齢:30歳
CV:飛田展男さん
風見は警視庁公安部所属の刑事であり、警察庁警備局警備企画課所属の降谷 零の忠実な部下。年齢は降谷のひとつ上で、降谷と直接連絡を取れる数少ない捜査官の一人です。表立って捜査活動できない彼の手足となり、テロを未然に防ぐなど危険な任務にもあたっています。
劇場版第20作『純黒の悪夢』のオリジナルキャラクターで、その後原作やTVアニメシリーズにも登場。安室 透の探偵助手として「飛田男六(ひだだんろく)」と名乗ることもあります。毛利小五郎を調べるうちに、沖野ヨーコのファンになりました。
矢面に立つことが多い風見は、公安の強権を発動して強引な捜査を進める一面があり、刑事部に対して高圧的な態度をとることも。一方で、人使いの荒い上司のもとで激務をこなす苦労人であることや、降谷からの信頼が厚いことも見えてきます。
いつどんな任務を与えられても対処できる実力と忍耐力の持ち主で、非番であっても降谷からの指令に対応したり、時には不思議な指令を受けることもあります。
劇場版第22作『ゼロの執行人』にて「これでよく公安が務まるな」と降谷から叱責されていますが、第25作『ハロウィンの花嫁』では降谷が風見を“優秀な部下”と称し、第28作『隻眼の残像』では“信頼できる公安”としての姿が映し出されました。
<TVアニメ>
・925~926話「心のこもったストラップ」
・1053~1054話「牧場に墜ちた火種」
・1105~1106話「キッドVS安室 王妃の前髪(クイーンズ・バング)」
・1171~1172話「執事になった理由」
〈劇場版〉
第20作『純黒の悪夢』
第22作『ゼロの執行人』
第25作『ハロウィンの花嫁』
第26作『黒鉄の魚影』
第28作『隻眼の残像』
〈スピンオフ〉
『ゼロの日常』
『犯人の犯沢さん』
風見のアニメ初登場は劇場版第20作・2016年4月公開の『純黒の悪夢』ですが、その後原作に逆輸入され、TVアニメシリーズとしては2018年12月に放送の「心のこもったストラップ」が初登場。
コナンと少年探偵団はサッカー観戦を楽しんで帰宅しますが、灰原はスタジアムで入手した大ファンの比護選手のぬいぐるみストラップを紛失したことで激しく落胆。コナンたちは阿笠邸の前にいた安室を巻き込んでストラップ捜査に乗り出し、光彦が撮った帰りの電車の中の映像と会話から推理していきます。
そんななか安室は風見に電話をかけており、風見は指定された時刻の電車に乗り込んでいました。風見が指示された車両の扉の前に移動すると、しゃがんでその扉の窓に息を吹きかけろと言われ、戸惑いながらも従うと文字が浮かび上がってきます。これはいったい何の捜査なのか、わけがわからずともやり遂げる風見なのでした。
コナンと少年探偵団は、小林先生と若狭先生と一緒にニワトリを譲り受けるために鳩山牧場へ。乗っていたバスには、監禁されたという風見から連絡を受けた安室こと降谷も同乗していました。
無人状態の牧場を調べていると、歩美がはぐれてしまい、コナンたちは手分けして探すことに。そこへ牧場の経営者である鳩山義輔の弟・鳩山海輔が現れ、歩美を人質に取って、コナン、安室、光彦、小林先生を地下室に閉じ込めます。
すると、その地下室には風見が監禁されており、工事現場から盗まれた爆弾の行方を追っているときに海輔に捕まったといいます。
降谷が助けに来てくれたと安堵した風見は、「降谷さんだ‼︎ 助けに来てくれたんですね‼︎」と、みんながいる前で思わず「降谷さん」呼びをしてしまいますが、降谷はそれは偽名であると訂正し、風見自身も安室の探偵助手の「飛田男六」と名乗りました。本エピソードでは、風見の名推理も見られます。
コナン、蘭、園子の3人は、鈴木大博物館の「ロバノフ王朝の秘宝展」へ。展示されているティアラ「王妃の前髪」を怪盗キッドが盗むと予告したことで、会場には長い行列ができており、そこには喫茶ポアロの安室と榎本梓の姿も。
行列で待っているあいだ安室が蘭たちにカードマジックを披露していると、謎の男にマジックの種明かしをされ、その男の正体がコナンを挑発しにきた怪盗キッドであることを知った安室は、怒りを滲ませながら風見を呼び出します。
風見は非番でアイドルフェスに来ており、次はファンである沖野ヨーコの出番だと嬉しそうにしていましたが、安室=降谷に合流して警備に参加するはめになるのです。
新幹線の中で事件に巻き込まれた大岡紅葉の執事・伊織無我が、公安警察官時代の出来事を思い出すエピソード。公安を辞めて執事になった理由に関して、伊織の回想とモノローグにより判明します。
また、新幹線の事件解決後に風見が伊織を見かけた際、「警察学校時代の同期がいたような…」と降谷に話しており、とても優秀で降谷と同じ部署に配属されたけどもう辞めたらしいと説明。さらに、本エピソードでは降谷の動向も気になるところで、降谷は謎の人物から「江戸川コナンを調べ上げろ…骨の髄までな…」と指令を受けています。
黒ずくめの組織、FBI、公安警察が集結する記念すべき第20作目。バーボンこと公安の降谷 零、キールことCIAの水無怜奈は劇場版初登場。今作のオリジナルキャラクターである風見は冒頭から登場しています。
黒ずくめの組織のメンバー・キュラソーが警察庁に侵入し、機密情報であるノックリストを閲覧。キュラソーは降谷と赤井秀一とのカーチェイスで逃げ切るも、記憶を失ってしまいます。この逃亡劇により大規模な交通事故を巻き起こしてしまうのですが、これらの情報は警視庁には正確な情報が伝わっていないのだとか。
その後キュラソーはコナンたちと出会って仲良しに。発作を起こしたキュラソーが治療を受けている病院にやって来た風見は、捜査一課の目暮たちに高圧的な態度で彼女の引き渡しを要求しています。
警察庁の公安・降谷 零=安室 透がメインキャラクターとして登場し、正義を貫くことでコナンと対立。降谷と接触できる立場にある風見も活躍し、警視庁捜査一課管理官の黒田兵衛が劇場版初登場。本作では、公安警察と公安検察の力関係や、公安刑事の「協力者」についても切り込んでいます。
東京サミットを予定していたリゾート施設で大規模な爆発が発生。現場を警備していた警察官が死傷し、降谷と風見も負傷してしまいます。最初は事故として処理されるはずでしたが、風見が持ち込んだ情報により警視庁の捜査会議は一転。現場に残った指紋などから毛利小五郎が容疑者として浮上し、風見の手を振り払ったことを理由に公務執行妨害で逮捕されます。強引な捜査を目の当たりにし、コナンは公安の捏造を疑っていました。
降谷の右腕として動く風見ですが、コナンから盗聴器を仕掛けられたことに気づかず、降谷から「これでよく公安が務まるな」と叱責される場面も。風見は盗聴器を仕掛けられたことや、降谷に接触できる限られた刑事であることを見抜かれたことで、コナンに対して驚きを隠せずにいます。
降谷に対して畏怖の念を抱いている様子の風見は、彼の過去についてコナン相手に語りだしていました。とても子供に聞かせる話ではないけれど、何故かコナンにはこんな話ができてしまうのだといいます。
警察学校同期組の深い絆を描き、彼らが関わった過去の事件とも絡む物語。
警視庁の目暮警部の元同期・村中に脅迫状が届くなか、かつて萩原と松田を殉職に追いやった連続爆弾犯が脱走し、その手引きをした人物から風見を助けようとした降谷は首輪爆弾を付けられてしまいます。
降谷が閉じこもる地下シェルターを訪れたコナンは、今は亡き警察学校時代の同期メンバーたちと会った3年前の11月6日の話を聞き、正体不明の仮装爆弾犯「プラーミャ」と渋谷で遭遇した事件の詳細を知ります。身動きできない降谷は、頭を下げてコナンに捜査一課との協力を依頼。
風見は降谷の指示でコナンや捜査一課と協力して事件の捜査を行い、爆弾を分析して中和剤をつくるなど死力を尽くして任務にあたっています。降谷は風見を“優秀な部下”と称しました。
世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐ海洋施設「パシフィック・ブイ」を舞台に、老若認証システムにより「灰原=シェリー」の秘密が黒ずくめの組織にバレてしまう絶体絶命のストーリーが展開。ジンと確執のある組織のメンバー・ピンガ、バーボンこと降谷、そして赤井秀一の姿も。風見もわずかながら登場しています。
長野県警や小五郎、公安も動く重厚なストーリーで、隠れ公安や司法取引などのキーワードも登場。
長野県・八ヶ岳連峰未宝岳。長野県警の大和敢助が雪山である男を追っていたとき、不意に何者かの影が敢助の視界に入ります。気をとられた瞬間、ライフル弾が敢助の左眼をかすめ、大きな地響きとともに雪崩が発生。そのまま敢助を飲み込んでしまいました。
10ヶ月後、長野の国立天文台野辺山の施設研究員が何者かに襲われたという通報があり、さらに小五郎が警視庁で刑事をしていた頃の相棒・鮫谷が何者かに殺害されてしまいます。事件の鍵は長野で起きた雪崩事故にあるとして捜査へ。
この件に関して密かに公安も動いており、コナンは降谷や風見と情報を共有。ちなみに、風見は隠れ公安に依頼してコナンに盗聴器を付けるもコナンはあっさりと気づき、あえてそのままにして風見を翻弄。風見はというと激務をこなしながらコナンからも調べものを頼まれ、やつれた様子で「人使いが荒い」と漏らしていました。
警察官の職務倫理についても切り込む本作で、風見が敢助から“信頼できる公安”と評される場面も注目です。
また、風見は警視庁公安部に所属していた諸伏景光のことを「降谷さんの同期」と言っていますが、風見が景光と直接的な関わりがあったかは謎を残しています。
アニメで風見裕也を演じているのは声優の飛田展男(とびたのぶお)さん。11月6日生まれ、茨城県出身。『機動戦士Zガンダム』のカミーユ・ビダン役をはじめ、『ちびまる子ちゃん』の丸尾末男役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。
