
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第5回:雲田役・内山昂輝さん 前編|演じるうえで重要なのは、面白すぎるアフレコで「無」の感情を保つこと!?
「怪人が諭す側なんだ……」
ーーここからは第5話の中で、印象的だったシーンを振り返りたいと思います。
内山:まず全体を通して、物語やセリフが面白すぎて。自分のキャラクターというよりは、感情を掻き乱されないようにするのが重要でした。
ーーアフレコ現場で、笑わないようにするのも大変そうですね。
内山:例えば、三葉が「結婚するかしないか」を迫られるシーンとか。本当に、突然そういう話が出てくるので、つい笑ってしまいそうになりました。
当然スタジオに居合わせているので、頑張って「無」の感情を保つことが本当に大事なんですよね。そのドラマに乗っていくキャラクターであれば、どんどん感情を乗せていけるんですけど……雲田としては、あくまで平静を保つことが重要なんです。笑わないのはもちろん、演技の質的にも常に一歩引いた姿勢で、「とにかく冷静でいなければ……」と。自分の中では「何も面白くないぞ!」と頑張って思い込みながら、演じていた気がします(笑)。
ーー(笑)。そんな中で、雲田の「お前は毎日どこかで人に迷惑をかけているだろう」というセリフがとても印象的でした。第5話に関しては、あの雲田のセリフが視聴者目線に一番近い気がします。
内山:あのセリフは面白いですよね。「怪人が諭す側なんだ……」と思いました。「私の方がよほどマナーがいいぞ」とも言われていて、主人公側のアレな部分を指摘する感じが面白かったです。
ーー一方で戦闘においては、怪人としての圧倒的な強さを見せています。
内山:圧倒的に優位な立場という感じでした。本気を出している訳でもなく、雲田としては「軽く戦って勝てる相手だな」と思っているはずです。
戦闘シーンに関しては、セリフ以外の息遣いや力みなどは、「何もやらないで」と言われていて。特に序盤では雲田のキャラクター性や圧倒的な強者感を出すために、そういった演出が取られているようです。
ーー先ほどもお話にあがっていた「ケタケタ」という笑いについては、どのようなアプローチで演じられたのでしょうか?
内山:台本に「特殊な声で笑う」というト書きがあったんですけど、「どういう笑い方にしようかな?」というのは迷った部分ですね。最初は怪人っぽい笑い方であれば良いのかなと思っていたんですけど、スタジオで色々と話し合った結果、「ケタケタは残してほしい」と。文字通りに「ケタケタ」と笑うというのは、他のキャラクターでは中々やらないので、この作品・キャラクターならではの部分として、とても印象深いです。
ーーそして、最後には蜘蛛男に完全に変身しましたね。
内山:この辺りは怪人としての雰囲気を出すべきだと思ったので、人間を飛び越えた感じ、獣っぽいニュアンスを入れています。
ーー今後の展開も気になるところですが、雲田としてはどのような部分を楽しみにしていてほしいですか?
内山:自分自身を圧倒的強者と認識していた雲田にとって、ここから先は意外な展開と言いますか。冷静で一歩引いていたところとは、違う表情を見せてくれると思いますし、考え方も徐々に変化していきますので、注目していただけると嬉しいです。
[インタビュー/小川いなり]


























































