
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第7回:島村三葉役・斉藤壮馬さん 後編|絶妙なバランスで成り立つ島村兄妹の関係性。それぞれが内面をさらけ出してぶつかっていく様子を楽しんでほしい
津田健次郎さん演じる中尾は、泣かせるキャラクター
ーー第6話の後半からは津田健次郎さん演じる中尾にスポットが当たっています。
斉藤:中尾は泣かせるキャラクターですよね。彼もぶっ飛んだ人ではありますけど、子分をちゃんと守ろうとする一面とか、どこか常識的な感性も持ち合わせています。もうひとつのストーリーラインとして中尾の存在があることが、この作品を重層的に見せているように思うんです。
ーー第7話では三葉の出番は少なめですが、中尾の過去を中心とした良いエピソードですね。
斉藤:本当に素敵な回です。お父さんとのエピソードがすごく温かいですし、ラストの「親父、まだ屋台やってたんだ」のシーンはたまりません……。
あと本筋ではないんですけど、最後に僕らが全員で言う「ないないないない」というセリフがあって、一発でキレイに揃いました。気持ちよかったです。
ーー素晴らしいチームワークですね。
斉藤:こういうセリフって、何回か録り直す中で徐々に揃えていくことも多いんです。でも今回は、全員が自然と息を合わせられていて、チームの一体感を強く感じました。
ーー中尾の子分である伊藤、石毛、佐藤の3人もすごく良い味を出しています。
斉藤:キャスティングから、非常に濃いですよね(笑)。僕らは直接絡むシーンこそないんですが、収録中にお芝居を聞いていても、中尾+3人の掛け合いのリズムがとても素敵なんです。全員アクが強いんですけど、それが津田さんの演技を立てる方向にちゃんと機能しているというか。中尾といるときは、子分としての立場も意識した演技になっていて、3人だけのシーンになると少し砕けたテンションになる。そのさじ加減が絶妙なんです。
ーーお話を伺っていて、突き抜けた世界観の中でも、キャストの皆さんが絶妙なバランスで演じているからこそ、キャラクターの魅力が伝わるのだなと感じました。
斉藤:そうですね。ベースには「大きな声を出す」というところがあると思っていて(笑)、それは間違いなくこの作品の特色なんですが、それだけではない。それぞれのキャラクターとストーリーの流れがありますから。そういうバランス感覚と爆発力を持った先輩方と一緒に芝居合戦ができるのはすごく楽しいです。
ーー物語もさらに激しさを増していくフェーズに突入するかと思います。最後に、今後の放送で楽しみにしてほしいポイントを教えてください。
斉藤:今後の展開は、一葉と三葉にとってのターニングポイントになると思います。特に三葉が“兄を超えられるのか”という部分には、ぜひ注目していただきたいです。それぞれのキャラクターの立ち位置や関係性が明確になったり、逆に変わったりするので、各々が内面をさらけ出してぶつかっていく様子を楽しんでください。
斉藤:原作を知らずに観ている方にとっては、きっと予想もしていない展開が待っているはず。「こうなるんじゃないか?」と予想しつつ、良い意味で裏切られてほしいというか。「そうなるの!?」という驚きも込みで観ていただけると嬉しいです。
[インタビュー/小川いなり]

























































