
『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第8回:ユカリス役・ファイルーズあいさん 前編|ユカリスの魅力は純粋な気持ちからくる“思慮深さ”。激化する戦いに女子も負けていられない!
ただ可愛いだけじゃない。たしかな実力を持ったユカリスの魅力
ーー演じるユカリスのキャラクター像については、どのように捉えていますか?
ファイルーズ:どこまでもまっすぐで、直情型のキャラクターだと思いました。ただ、それだけではない冷静な一面も実は持っているんですよね。
猪突猛進な部分が注目されがちなんですけど、実は一歩引いた視点から皆のことを観察している時もある。打算的なわけではなく、純粋な気持ちからくる思慮深さというか。三葉だけに夢中なように見える一方で、どうすれば三葉を良い方向に導けるかをちゃんと考えて行動しているんです。演じるうえでも、そのメリハリは意識していました。
ーーユカリス役はオーディションだったと伺っています。
ファイルーズ:今回はテープオーディションのみでした。そういう形式だと、私自身の人柄やユカリスとリンクする部分について、お芝居の中でしか伝えることができないんですよ。スタジオで直接ディスカッションすることができないんです。
なので、「ユカリスが鼻水を垂らしていたら、同じくらい汁っぽく叫ばないとだめだ!」って(笑)。そういう意味でも、オーディションの段階から声をどこまで汚くできるか、どこまでパワーを込められるかを考えていました。
ーーオーディションの段階から、熱を入れてユカリスという役を作り上げられたのですね。
ファイルーズ:決まった時は本当に嬉しかったです。私自身、いちオタクとしてもユカリスのようなキャラクターが大好きなので、「演じたい!」という気持ちが強くて。
ーーご自身とユカリスのリンクというお話もありましたが、ファイルーズさん自身と共通する部分もあるのでしょうか?
ファイルーズ:まあ……直情型……(笑)。
ーーなるほど(笑)。
ファイルーズ:ただ、これは尊敬している部分でもあります。私は何かひとつのことに集中すると、それしか見えなくなってしまうタイプなんです。所謂、0か100かみたいな。先ほども言った通り、ユカリスは似たようなところがありつつ、冷静に一歩引いている時もあります。
ーー似ている部分と憧れる部分が両方あるんですね。
ファイルーズ:ユカリスのように実力を伴って行動できる人間になりたいなと。現場でも先輩方に支えていただいてばかりです。いつかは自分が引っ張っていけるように……と言うとおこがましいですけど、誰かを安心させられるような存在になりたいですね。ユカリスはそれだけの能力がある子なので、私自身もそういう実力を身につけていきたいと思っています。
ーーユカリスは、レギュラーメンバーの中でも特殊な立ち位置にいるキャラクターでもあります。
ファイルーズ:そうですね。お話が進む中で、ユカリスは他のキャラクターたちからも一目置かれる存在になっていきます。“憧れ組”の目線からすると、「やっぱり本物は違うなあ」と感じる部分があるのかもしれません。
ユカリス自身は望んでそのポジションにいる訳ではないけど、皆が彼女をリスペクトして接してくれるのは嬉しかったです。彼女自身が悲観的じゃないのもいいですよね。自分の意志と三葉への愛で洗脳を解いたところに彼女の強さを感じますし、ただ可愛いだけじゃない部分がすごく魅力的です。
第8話のユカリスは視聴者を代弁している?
ーー第8話の中で印象的だったシーンを教えてください。
ファイルーズ:トーナメントが始まりましたね。全体的にみんなノリノリなんですけど、ユカリスだけが「え、なんでこんなことしてるの?」って(笑)。彼女だけが正気なんですよ。
ーーここに来て常識的な一面を見せるのは意外でした。
ファイルーズ:更に言えば、なし崩し的にショッカーになってしまったからこそ、周囲の熱量を見て「自分が間違ってるのかな……?」と少し揺らいでるんです。その感情の変化がすごく面白いですし、彼女の新たな一面が見えたのもいいなと思いました。
ーーここでは観ている人の代弁者的なポジションに見えます。
ファイルーズ:たしかに! ユカリスがいることで、視聴者の皆さんも置いてけぼりにならないという(笑)。ちょっと“裏回し”的な役割も担ってくれていますね。
ーー三葉とユカリスが謎の特訓をしている場面も印象的でした。ライダーマンの意外な弱点も判明して。
ファイルーズ:「何の特訓だよ!」って思いますよね(笑)。三葉とそれ以外のキャラクターとの掛け合いでは、声のトーンを明確に変えているんですよ。その高低差は意識的に演じているので、コメディ要素のひとつとして楽しんでいただけると嬉しいです。
ーー物語的にもますます激しくなりそうですね。
ファイルーズ:そうなんです! 第9話以降は、それぞれのキャラクターが本気でぶつかり合うので、女子も負けていられません! ユカリスはもちろん、茅野愛衣さん演じる岡田ユリコの活躍もぜひ楽しみにしていただきたいです。
[インタビュー/小川いなり]





























































