
それでも「感情は動く」。日車が虎杖に問いかけたこと——TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第13回:虎杖悠仁役・榎木淳弥さん×日車寛見役・杉田智和さん前編
それでも「感情は動く」
ーー榎木さんから見た日車の印象についてもお聞かせください。
榎木:日車のエピソード、すごく面白いと思っています。敵として登場しますけど、彼なりの信念があって。中でも「弁護士」という職業を通して、人間の弱い部分に寄り添おうとしていた彼が、だんだん人間の弱さを美しいと思えなくなっていく。「絶望だけで、希望はないかもしれない」という考えに行き着いてしまうところは、色々な人に刺さりやすいテーマだと感じました。
榎木:実際、行ったり来たりだと思うんです。人間に絶望したり、また信じたいと思ったり。そもそも日車が「死滅回游」に参加した理由も、理不尽に抵抗するようなところがありますよね。「死滅回游」のルールには、法よりも絶対的なものがある。その曖昧ではない部分に、ちょっと希望を感じて参加しているのかもしれません。
杉田:やはり「感情は動く」と思います。弁護して、検察側は証拠を出して、裁判官が判決を言い渡す。ただ現実の判例を見ていると、被告人があまりにも反省していない場合など、裁判長が怒り出して、判決時に説教を始めたりすることもあるんです。それを見ると「人が人を裁くのに、感情がないわけがないな」と実感しました。
日車はその結果として、心が疲弊しきってしまった。何かのトピックやアイデンティティを通して「自分のことだけを言いたい」と思うと、結局は悲しいことになってしまいます。多くの人が「どうする?」と迷いながらやるしかない。心の中に相反するものがあって、それを天秤にかけて、判決を言い渡す。スッキリするわけがないですよね。
日車が虎杖に問いかけたこと
ーー第55話では、そんな絶望しきった日車と虎杖の邂逅が描かれました。「君は服を着て風呂に入ったことがあるか?」という日車の問いかけも印象的です。
榎木:映画的なシーンですよね。日車が普通じゃなくなっている、という印象を与えるシーンでもあるのかなと。
杉田:虎杖に“基準”を問いかけている気がします。彼の中では、普通じゃないものが普通になりつつあるけど、そもそも「普通」って何だろうという問い。理不尽や不条理を形にし始めている。
榎木:なるほど。
杉田:もしくは、これから戦う相手の人となりを見ておきたかったのかな。こういう聞き方をしたのは、この時点から「虎杖は何か違う」と見ている可能性もあると思います。そこは現実世界と違う部分です。現実の人間は、想像以上に弱い。それを嘲笑うなんて、ひどいことだと思うけど、みんな笑ってしまう。そういう社会にはしんどさを感じてしまいます。
[インタビュー/タイラ]
連載バックナンバー
『呪術廻戦 死滅回游』作品情報
イントロダクション
廻れ呪え 死の遊戯の中で
「渋谷事変」を経て、羂索により呪霊が蔓延る魔窟と化した
全国10の結界(コロニー)。
戦いは、呪術を持つ者達による殺し合い「死滅回游」へ。
加速していく混沌の中、伏黒の姉・津美紀が巻き込まれたことが発覚する。
五条の復活と津美紀救出の術を見出すべく動く虎杖たちだが…。
果たして、羂索の目的は何なのか。
「死滅回游」平定のためゲームに参加する彼らの行き着く先とは―。
キャスト
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒恵:内田雄馬
禪院真希:小松未可子
パンダ:関智一
乙骨憂太:緒方恵美
脹相:浪川大輔
九十九由基:日髙のり子
天元:榊?原良子
秤金次:中井和哉
星綺羅羅:榊原優希
禪院直哉:遊佐浩二
日車寛見:杉田智和
髙羽史彦:鶴岡聡
レジィ・スター:青山穣
コガネ:ニーコ
夏油傑(加茂憲倫):櫻井孝宏
スタッフ
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:矢島陽介 丹羽弘美
副監督:高田陽介・佐藤 威
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:志賀健太郎(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介,ACE
音楽:照井順政
音楽プロデューサー:小林健樹
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA











































