
らんまとあかねのような居心地の良い空気感。あの時できなかったことを取り戻している感覚──「らんま1/2」第3期 林原めぐみさん×日髙のり子さんインタビュー
仲間の力の大きさを感じる収録
──キャラクターを久しぶりに演じる時は「呼び覚ます」と表現されることがありますが、今回の役ではすぐにスッと入れたんですか。
日髙:高校生の気持ちをもう一度思い出すという部分も大切なんです。自分自身がこの30数年の間に大人になっていますよね。そこでもう一回、その思春期を過ぎたぐらいの気持ちになるということ。
あかねは奥の奥から引っ張り出してきた懐かしいキャラクターなので、性格的なことは熟知しています。ただ、もっと十代に近かった時に、自分たちが演じていたわけですから、そこに戻して眠っていたものをいろいろ呼び覚まさないといけない作業があった気はします。
林原:アフレコ収録がみんな一緒にできたということも大きかったです。自分では女らんまとして「できるだろうか」と思ったけど、あかねの声を聞いたら、フッと自分が女らんまに戻る感覚があったり、勝平の声を聞いたら、何か起こそうと思っても起きなかったようなものが湧くように出てきたりしました。言葉はありきたりですけど、仲間の力って大きいです。久しぶりにクラス会で会って、ワッと話したら「あそこのトイレって、いつも詰まってたよね」という話で盛り上がる感じに近いかもしれません(笑)。いい経験でしたね。
日髙:確かに家で練習していても、「何かちょっと違う気がする」という感じがあったけど、みんなの声を聞いてからセリフを言うと、「あ、全然できる」という不思議な感覚がありました。
──「コピーにならないように」というお話もありましたが、どのような意識で臨まれるのでしょうか?
日髙:「なぞらない」ですかね。そのシーンで出てくるセリフを画に合わせていく。その瞬間、瞬間を生きているような形でやる。過去から何かを引っ張ってこないという感覚じゃないでしょうか。
一方で2回目の機会をいただいたのだから、もっと深く掘り下げて「らんま1/2」を作り上げたいという気持ちはそれぞれあると思います。その中で、男乱馬と女らんまのシンクロ率も、すごくパワーアップしていると感じました。
林原:「コピー」ということを説明するとしたら、例えば「このクソ親父」というセリフがあったとしたら、カラオケ番組でよく見る音が全部合っているかどうか確認できる波(表示)があるじゃないですか。そういう声の波をなぞるのではなくて「どうしてくれるんだ」という気持ちを増幅させる。
声を高いところにチューニングしたとしても、歌い方は違うという感じですね。勝平は勝平で、あの時は新人でしたし、私も演出に応えられなくて溺れていました。お互いがお互いをリスペクトするという余裕もなかった。今はお互いに活躍して、「ただいま」と帰ってきた時に、すでに男乱馬は見てきているし、女らんまも見てきている。勝平も私から盗むし、新たに勝平の言い回しを「あ、そうきたか」と思って、受け継ごうとする。そういうやり取りをしながら、向き合っている感じが改めて新鮮ですね。昔もやろうとはしていたけど、お互いが未熟すぎて、そこまでできていなかった気がします。
日髙:以前も「人のセリフを聞いて、自分のセリフを言う」という基本的なところは押さえていたつもりなんですけど、もっと広い視野で見られるようになったと思います。なので「今、勝平……めぐ風にやってみてる」「あの女らんまの要素を男乱馬に取り込んでやっている」というところに、気づく余裕もある。それがまた楽しいです。
長く関係性が続くからこその居心地の良さ
──最後に、お互いを見ていて「演じているキャラクターっぽいな」と感じるところを教えてください。
日髙:テンションが女らんまでガーッと上がっているので、めぐ(林原さん)の普段の休憩時間のテンションも、上がったまんまの時はありますね。
林原:あるね!
日髙:何か面白い話をした時の笑い出しのトーンが「ウヒョヒョヒョヒョ」と、すごく高いところから始まるんですよ(笑)。それを見て「あ、まだ女らんまのテンションが抜けきれていないんだな」って。
林原:某探偵アニメにいる時とは、全く違う感じですね(笑)。
日髙:そう。それが面白いです。
──林原さんご自身も自覚されているんですね。
林原:第1期の頃は「努めてそうしよう」という気持ちでいたこともあるんですよ。だけど、みんなでご飯を食べに行ったり、近況を話したり、あの時できなかったことを取り戻しているかのように、関係をさらに深められることが楽しくなってきて。すごくいい時間を過ごさせてもらっている分、今は遠慮せずに自分のテンションでいられます。
──林原さんから見た日髙さんはいかがですか。
林原:勝平ともよく話しているんですけど、ポロッと言ったノン子さんのひと言がちょっとずれていると、必ず私と勝平が顔を見合わせながら「そういうとこ」と突っ込むことがあります。例えば、(ムース役の)関俊彦さんに「ノン子さん、意外ときついこと言っているよな」とか(笑)。
日髙:関ちゃんには言われたことあるよ。「あなた、時々言い方きついから」って(笑)。
林原:でしょ?
でも、テンションが華やかだから、ひどいことを言っているように聞こえないんですよ。でも、よく聞いていると、意外と……。
日髙:言いたいことは分かります(笑)。
林原:ノン子さんはニコニコしているままで、関さんは受け止めている。ノン子さんは気づいてないんだけど、私と勝平も含めて「それでよし」となっているところがあかねちゃんっぽいと思っています。
[インタビュー/宋 莉淑(ソン・リスク)]


























