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劇場版「Fate/stay night [HF]」第三章 下屋則子インタビュー【連載第5回】

劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 Ⅲ.spring song 下屋則子さんインタビュー|[Fate][UBW][HF]――桜と一緒に歩んだ道筋を振り返って【連載第5回】

印象に残ったスピンオフは、あのぶっとんだ作品!?

――これまで、桜としていろいろなスピンオフに出演されたと思うのですが、とくに印象に残っている作品はありますか?

下屋:『カーニバル・ファンタズム』(※2)ですね。とにかく桜の立ち位置がものすごいというか、到底ヒロインとは思えない描かがれ方がされていて……(笑)。


※2:カーニバル・ファンタズム
武梨えり先生によるアンソロジー『TAKE MOON』を原作に、TYPE-MOON10周年を記念して製作されたOVAシリーズ。『月姫』、『Fate/stay night』を中心とした歴代TYPE-MOON作品のキャラクターが共演しており、ほぼ全員がコメディ方面のキャラ付けがなされているのが特徴。「ランサーが死んだ!」等、本作を発祥とするネタの多くが定着し、現在もファンに愛され続けている。


――(笑)。確かに、『カニファン』の時の桜は、黒モードが全開というか……。

下屋:今でもはっきりと覚えているんですが、士郎がいろんな女の子とデートする回に、こっそりと桜がついてくるんですけど、そのデートを咎めるわけでもなく、ただただじっと眺めているだけっていう。あの頃は、桜の立ち位置ってホントかわいそうだなと、演じていて胸が痛くなりましたね(笑)。

あと『カニファン』の時は聖杯くんも演じていて、あれもすごいブラックなキャラクターなんですけど、当時はたまたま別役を振られただけだと思っていたんですけど、今考えるととても意味深なキャスティングだったなと。あれもお祭り的な作品だからこそできたことで、楽しかったんですけどね!(笑)。

あとはそれ以外だと、『衛宮さんちの今日のごはん』(※3)でしょうか。桜が一番求めていた何気ない平和な日常が続いて、サーヴァントも皆生きていて誰も争わない、本当に幸せな空間で。いつかまた演じたいという気持ちがとくに強い作品ですね。


※3:衛宮さんちの今日のごはん
ヤングエースUPで連載中の、TAa先生によるWEBコミックを映像化したTVアニメ。『Fate/stay night』の世界観をベースに、主人公・衛宮士郎の特技でもある「料理」に焦点を当てた作品。マスターとサーヴァントが全員命を落とさず、平和な日常を過ごす姿が描かれている。


――シリーズを通して、いろんなイベントに出演されたと思うのですが、とくに思い出深いものはありますか?

下屋:やっぱり一番思い出深いのは、2014年の劇場版[HF]の発表の瞬間でしょうか。今製作に関わって下さっているスタッフさんの中にも、「当時(イベントを)見てたときはまだ学生でした」という方もいて。

今そういう方々と一緒に作品を作っているのもそうですが、こうして取材していただくメディアの方々も含めて、皆『Fate』愛がすごく強い方ばかりで、タイトルだけに「運命」のようなものを感じることも多くて。こんなに恵まれた現場でお仕事させていただけるというのは、すごく幸せなことだと感じています。

――[HF]では、取材などでいろいろな方との対談があったと思うのですが、とくに印象に残っているものはありますか?

下屋:神谷さんとAimerさん、あとは浅川さんとの対談でしょうか。御三方とも[HF]でしか交われなかった方々というか、神谷さんとはずっと兄妹の役をやらせていただいていますが、作品やキャラクターについてお互い深く語ったことがなかったので。間桐家舞台挨拶のときも、神谷さんが慎二に対しての熱い想いを語られていたのも嬉しかったです。

Aimerさんとの対談も本当に貴重な機会で、Aimerさんが声優という仕事に興味をもっていただけていたのも印象的でした。ライダーも、HFをやるまでは交わることのなかったキャラクターでしたので、浅川さんとの対談も印象深いですね。

ただ強いて挙げるならという話で、川澄さんや佳奈ちゃん、杉山さんとお話させてもらったことを含めて、全部が私にとって特別な思い出になっています。

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3年間を振り返ってのメッセージ

――最後に、この[HF]との3年間を振り返りながら、ファンへのメッセージをお願いします。

下屋:いよいよ『Fate/stay night』最後のルートも、最終章にたどり着きました。最初は、「とうとう終わってしまうんだ」という寂しさもあったのですが、今はとにかく、『Fate/stay night』を愛して下さった皆さんに、その最後を見届けていただきたいということ、そしてそれを見た皆さんがどんな感想を抱くのか、楽しみな気持ちでいっぱいです。

[HF]というエピソードにはこれで一度区切りがつく形にはなるのですが、今後も末永く『Fate/stay night』という作品を愛していただけますように……。

この3年間、[HF]を応援し続けてくださったファンの方一人一人に対する感謝と、これからも『Fate』をよろしくお願いします、という気持ちを伝えたいです。

[取材・文/米澤崇史]

第二章インタビューアーカイブはこちら!

●下屋則子インタビュー【連載第1回・前編】
●下屋則子インタビュー【連載第1回・後編】
●下屋則子&杉山紀彰インタビュー【連載第2回】
●下屋則子&伊藤美紀インタビュー【連載第3回】
●下屋則子&Aimerインタビュー【連載第4回・前編】
●下屋則子&Aimerインタビュー【連載第4回・後編】
●下屋則子&川澄綾子&植田佳奈インタビュー【連載第5回】
●下屋則子&浅川悠インタビュー【連載第6回】

 

第三章インタビューアーカイブはこちら!

●杉山紀彰インタビュー【連載第1回】
●杉山紀彰&川澄綾子インタビュー【連載第2回】
●植田佳奈&諏訪部順一インタビュー【連載第3回・前編】
●植田佳奈&諏訪部順一インタビュー【連載第3回・後編】
●下屋則子&浅川悠インタビュー【連載第4回・前編】
●下屋則子&浅川悠インタビュー【連載第4回・後編】
●下屋則子インタビュー【連載第5回】

 

こちらもチェック!

●『Fate/stay night [UBW]』川澄綾子さん&下屋則子さんの溢れるセイバーと間桐桜への愛。声優インタビュー

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」III.spring song 作品情報

2020年8月15日(土)公開

イントロダクション

手にした者の願いを叶えるという万能の願望機「聖杯」をめぐる物語を描いた、ヴィジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』。劇場版アニメ三部作として紡がれる最終ルート[Heaven’s Feel](通称・桜ルート)が、ついに完結する。

アニメーション制作を担当するのは、2014年にTVアニメ版[Unlimited Blade Works]を手掛けたufotable。キャラクターデザイン・作画監督として数々のTYPE-MOON作品のアニメ化を手掛けてきた須藤友徳が第一章、第二章に続いて監督を務める。

2019年に公開された第二章[lost butterfly]は109万人を動員、興行収入は16.7億円を記録。2017年に公開された第一章[presage flower]を上回る成績を収めた。

第三章は「聖杯戦争」の真実と、少年と少女の物語の結末が語られるエピソード。全三章で贈る[Heaven's feel]がたどり着く場所とは──第三章[spring song]は咲き誇り、奏でられる。

ストーリー

「俺は、桜にとっての正義の味方になるって決めたから」

少年は、真実からもう目を逸らさない。少女を救うために。自分の選んだ正義を貫くために。

魔術師〈マスター〉と英霊〈サーヴァント〉が万能の願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。その戦いは歪んでいた。

ひとりの少女――間桐 桜は犯した罪と共に、昏い闇に溺れてしまった。桜を守ると誓った少年・衛宮士郎は遠坂 凛と共闘し、「聖杯戦争」を終わらせるため、過酷な戦いに身を投じる。

イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘争の真実を知る者として、その運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して己が悲願を叶えようとする。

「だから──歯をくいしばれ、桜」

激しい風に抗い、運命に挑む少年の願いは、少女に届くのか。終局を迎える「聖杯戦争」──。最後の戦いが、遂に幕を上げる。

メインスタッフ

原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
キャラクター原案:武内崇
監督:須藤友徳
キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦・田畑壽之
脚本:桧山彬(ufotable)
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:松岡美佳
編集:神野学
音楽:梶浦由記
制作プロデューサー:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:アニプレックス

メインキャスト

衛宮士郎:杉山紀彰
間桐 桜:下屋則子
セイバーオルタ:川澄綾子
遠坂 凛:植田佳奈
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン:門脇舞以
藤村大河:伊藤美紀
言峰綺礼:中田譲治
間桐臓硯:津嘉山正種
ライダー:浅川悠
真アサシン:稲田徹

公式サイト
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