『進撃の巨人 The Final Season』朴璐美さんが迫真の生アフレコを披露！　10年間の重みを背負い、完結編後編へ挑む【MAPPA STAGE 2023 レポート】

2023年秋に完結編 後編が放送される『進撃の巨人 The Final Season』。本作のスペシャルステージが、5月21日（日）に東京ガーデンシアターにて「MAPPA STAGE 2023」で行われました。

エレン役の梶裕貴さん、ミカサ役の石川由依さん、ハンジ役の朴璐美さん、監督の林祐一郎氏が登壇。声優陣が鬼気迫る生アフレコを披露し、エンディングテーマを歌う神聖かまってちゃんが「僕の戦争」を生ライブパフォーマンスをしました。

本稿では、『進撃の巨人』ならではの張り詰めた空気感の中、完結編 後編のアフレコに向けた意気込みが語られたイベントの様子をお届けします。

張り詰めた空気こそが『進撃の巨人』らしさ！　圧巻の生アフレコを披露

『進撃の巨人 The Final Season 完結編』前編より、ハンジの最後の描かれた場面の生アフレコから始まった舞台。『とんでもスキルで異世界放浪メシ』のステージの和やかな雰囲気から一変、会場からは静寂と緊張感が張り詰めます。

最後となる特攻への緊張、巨人への探究心と恐怖で高揚しているハンジ。真剣な眼差しで朴さんが迫真の演技を披露し、ファンは固唾を呑みます。

そして息つく間もなく始まったのは、エレンの意識の中で対話する場面。覚悟が決まっているエレンを梶さんは重々しく演じます。対するミカサは、諦めきれずにエレンの名前を呼びますが、応じてもらえず。そんなミカサの切ない思いが石川さんの声を通じて苦しいほどに伝えられます。

声優じんの圧倒的な演技に引き込まれ、ステージは『進撃の巨人』らしい重厚な雰囲気へと変化しました。改めて、MCの天津向さんの呼び込みで、梶さん、石川さん、朴さん、林監督が登壇します。

朴さんの気迫のこもった演技を生で目の当たりにした梶さんは大満足。林監督は「本番より気合いを感じた」と話し、アフレコよりも男前なハンジになっていたと生アフレコを振り返ります。

朴さんがハンジに改めて「大好きです」

ここからは、完結編 前編の放送後の反響についてのトークが展開されました。朴さんは、どこに行っても「お疲れ様でした」と声をかけてもらえたとのこと。命を燃やして仲間に未来を託したハンジに改めて「大好きです」と愛を届けます。

アニメの1クール目の制作期間中に、漫画でハンジのラストシーンが連載されていた当時、林監督は「マガジンを読んでいて仕事が手につかなかった」と思い出話を披露。続けて、様々な感情が渦巻く中、武者震いをしてようやくヒーローになれる高揚感を得たハンジの複雑な心境と表情について熱弁します。そんな林監督の熱い思いを知り、目を潤ませてしまう朴さん。収録時は音響監督の三間雅文氏に止められるまで、何度もやり直しを繰り返したことを明かしました。

また、梶さんは「ハンジの最後を見たいような見たくないような」とファンの心を代弁して朴さんに伝えます。当初からハンジが大好きな石川さんは、異端ながらも人間らしいハンジにいつも魅了されていたとコメントしました。

エレンの「自由だ」の裏話とは？

ここでは、『進撃の巨人 The Final Season』の名シーンをおさらいします。まずは、アニとミカサが語る場面。石川さんはアニがアルミンへの恋心を話した際にミカサのリアクションが大きかったのが印象に残っていました。また、「アルミンの拠り所が見つかったようで嬉しい」と少し寂しそうな表情を見せつつも笑顔で話します。

次にエレンが「自由だ」と言うシーン。10歳の少年エレンの声へとガラッと変化する場面では、残酷さと無邪気さが入り混じるのが心苦しくなり、ファンは息を呑みながら鑑賞していました。梶さんはどの時期のエレンで台詞を言うのか、色んな演技プランを立てながら迷ったよう。人々の自由を奪いながら追い求めていた“自由”を口にするエレンに改めて心を抉られ、エレンの心を整理するきっかけにもなったとのこと。

また、ラムジに謝罪する場面を収録する際、涙が止まらなくなってしまった梶さん。これほど体ごと持ってかれたのは初めての体験だったようで、10年間の重みを感じつつ、収録当時にしかできない演じ方だったと語ります。林監督は（梶さんが）感情移入して演じてくれて嬉しい反面、見ていて心配になったと笑いながら振り返りました。

そして後編キービジュアルが公開された後、終焉の時刻に。朴さんは「10年間魂を込めて作っています」「私はハンジと一緒に燃え尽きました」と熱いメッセージを残しました。石川さんは「ハンジさんやたくさんの仲間の思いを受け継いで後編のアフレコに挑みます」とファンへ意気込みを伝えます。

梶さんは、後編の収録直前にステージに立てた喜びと感謝の言葉を述べ、「楽しい以外の気持ちも共有できるお芝居にしたい」とファンの期待を高めました。

ラストを飾ったのは、神聖かまってちゃんによる主題歌「僕の戦争」。イントロがかかると唯一無二の絶望的な世界観に様変わりし、赤いライトに照らされながら猟奇的に歌い上げます。見る人の目を釘付けにするライブステージを経て、イベントは幕を下ろしました。

【文／杉村美奈】

『進撃の巨人 The Final Season』作品情報

作品名	進撃の巨人 The Final Season 完結編
スケジュール	前編：2023年3月3日（金） 後編：2023年11月4日（土） NHK総合にて
あらすじ	世界を滅ぼそうと「地鳴らし」を発動させたエレン。無数の巨人たちが進撃を開始し、あらゆるものを踏み潰していく。 ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、ハンジ、ライナー、アニ、ピーク、そして瀕死の重傷を負ったリヴァイ……。残されたものたちがエレンを止めるため最後の戦いに挑む。
話数	全2話
キャスト	エレン・イェーガー：梶裕貴 ミカサ・アッカーマン：石川由依 アルミン・アルレルト：井上麻里奈 コニー・スプリンガー：下野紘 ヒストリア・レイス：三上枝織 ジャン・キルシュタイン：谷山紀章 アニ・レオンハート：嶋村侑 ライナー・ブラウン：細谷佳正 ハンジ・ゾエ：朴璐美 リヴァイ・アッカーマン：神谷浩史 ジーク・イェーガー：子安武人 ファルコ・グライス：花江夏樹 ガビ・ブラウン：佐倉綾音 ピーク・フィンガー：沼倉愛美
スタッフ	原作：諫山創（別冊少年マガジン／講談社） 監督：林祐一郎 シリーズ構成：瀬古浩司 キャラクターデザイン：岸友洋 総作画監督：新沼大祐　秋田学 演出チーフ：宍戸淳 エフェクト作画監督：酒井智史　古俣太一 色彩設計：大西慈 美術監督：根本邦明 画面設計：淡輪雄介 3DCG監督：奥納基 　池田昴 撮影監督：浅川茂輝 編集：吉武将人 音響監督：三間雅文 音楽：KOHTA YAMAMOTO　澤野弘之 音響効果：山谷尚人（サウンドボックス） 音響制作：テクノサウンド アニメーションプロデューサー：川越恒 制作：MAPPA
主題歌	前編：「UNDER THE TREE」SiM アニメイト通販での購入はこちら 後編：「二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・」Linked Horizon 後編（各話版）OP：「最後の巨人」Linked Horizon 後編（各話版）ED：「いってらっしゃい」ヒグチアイ
電子書籍	『進撃の巨人』電子書籍（コミック）

(C)諫山創・講談社／「進撃の巨人」The Final Season製作委員会