『陰の実力者になりたくて! 2nd season』山下誠一郎さん×日高里菜さんインタビュー|メアリーとの出会いによって、クレアの内面が明らかに! 舞台が変わっても“いつも通りで変わらないところ”がシド/シャドウの魅力
クレアとメアリーの絆や、張り巡らされた伏線・サプライズに注目! そんな中でも“いつも通りで変わらないところ”がシドとシャドウの魅力
――7月にアメリカのロサンゼルスで行われた「Anime Expo 2023」での2nd season第1話ワールドプレミアに山下さんも同行されたそうですが……。
日高:いいなあ! うらやましい!
山下:次は姉弟で行くしかないでしょう!?
――第1話を上映した時の現地の反応はいかがでしたか?
山下:『陰実』をはじめ、「日本のアニメってこんなにすごいんだ!?」と実感することができました。アメリカの方は感動を素直に表現してくださって、特にシドとクレアの掛け合いはめちゃめちゃ盛り上がって、爆笑していました。
日高:嬉しい!
山下:すごく嬉しかったし、発見もありました。笑いどころでは日本と同じ反応で、流れがあって、オチがあるというのは世界共通なんだと。そういう意味で『陰実』は王道の笑いをやっている気がして。シニカルな笑いではなく、古典的でわかりやすい笑いを。(アメリカの声優さんが吹き替えた)英語版もある中で、あえて我々の声を聞きながら字幕で見てくれている人がいて、僕らと同じタイミングで笑ってくれたのはすごく感動しましたし、自信にもなりました。
日高:直接、皆さんの反応を感じられるのは大きいですよね。収録やラジオの現場で「評判がいいですよ」と伝えられても嬉しいけど、やっぱり生でお客さんが喜んでくれたり、反応する様子を見られたほうが実感できますし、安心します。9月に第1話の先行上映会に参加させていただいて、直接『陰実』のファンの方にお会いできて、表情を見られたことが、活力になりました。
山下:どんな作品でも皆さんの元に届くまでは不安で、今回もそうでしたが、アメリカでの反応を見られたことで、「2nd seasonも大丈夫だ」と確信できました。でもこの2nd seasonで世界的にもクレア人気が上がると思いますよ。
日高:本当に? なるかな?
山下:みんな、「オネエチャン!」って(笑)。
日高:実は1期の時はクレアが嫌われないかなと心配でした。現場でそんな話をスタッフさんと話したのも今ではいい思い出です(笑)。どうしても怒ったり、強いイメージのシーンが多かったので。スタッフさんから「クレアはみんなに愛されていますよ」と言われて安心したのを覚えています。
――クレアが真剣に怒れば怒るほど、視聴者にとってはおもしろいですから。
山下:それに心の中でシドを投影して楽しむ方もいると思います。
――お姉ちゃんに怒られたい願望の人にはたまらないかも?(笑)
山下:クレアみたいなタイプが好きな人も必ずいると思いますよ(笑)。シドが目立ち過ぎないことで、クレアがより魅力的に映って良かったと思っています。シドの我をあまり出さないように意識してやっていた部分もあったので。
日高:それは私も感じていました。シドのモノローグを聞いて、「くぅっ、やってるな」って悔しくて(笑)。でも、モノローグがあることでかわいく見える部分もあるので、いい描き方をしてくださってありがたいなと思っています。
山下:ああ、第2話以降のクレアの話も早く言いたい! クレアの見せ場はこれからですから。
――改めて、2nd seasonの見どころや注目ポイントのご紹介をお願いします。
山下:2nd seasonの話は結構してきたので……日高さんは推しキャラや気になるキャラはいますか?
日高:やっぱりメアリー。今回すごく重要なキャラクターだし、相棒感もあって。最初は利害の一致で行動を共にするんですが、境遇など理解し合える部分があるし、ピンチの状態で出会えたからこそ、仲間として信じ合えるのかなと。クレアとの絆を感じられたシーンは嬉しかったし、ほっこりしました。
山下:今までのクレアの人生の中で、こういう親友みたいな存在は初めてなのかもしれませんね。
日高:クレアの内面が深く描かれるので、そこに注目してほしいです。あと、クレアとシドの何気ない会話の中にも、実はいろいろな要素が含まれていたり。『陰実』は1回見た後にもう一度見返すことで発見があるところも魅力の1つですね。
山下:僕的には全部注目ポイントです(笑)。前シリーズ同様にいろいろな仕掛けやサプライズが施されていて、オンエアのたびに盛り上がるだろうなと確信しているので、早く皆さんに届けたいなというワクワクが止まりません。
シドとシャドウは変わりませんが、いつも通り変わらないところが彼の魅力で。だからこそ彼が知らないところで起こっている世界の脅威の深刻さがわかるし、それはクレアやメアリーにも大きく関わってきます。ディアボロス教団の動きなど、この物語のいくつかの根本的な謎も、深堀りされていくのがこの2nd seasonです。七陰も1期以上に内面的なものが見えたり、活躍の場が増えていくので、シドが望んでいる裏主役になり、表にいるキャラクターたちが主人公になり……という口火を切るのがクレアです。今回も作画、効果音、音楽、役者さんたちのお芝居やギャグの間など、どれも素晴らしい作品になっていると思うし、僕自身も1期で得たものをこのシリーズで還元する気持ちで頑張ったので、「あのシーンはどうなったのかな?」と毎回オンエアを楽しみにしながら見たいと思います。
――最後に皆さんへメッセージをお願いします。
日高:原作ファンの方や1期からアニメをご覧になってくださっている方に「期待してくださって大丈夫です!」と言えるくらいの作品になっています。第1話の収録から絵が完成しているということはまれで、それだけ皆さんの想いやこだわりの深さを感じましたし、その気持ちに応えたいと精一杯頑張って演じさせていただきました。1期があったからこそキャラクターの深堀りができたと思うし、新キャラも魅力的で、新キャラの登場によってこれまでのキャラの深い部分まで知ることができたので、より深いところまで魅力が伝わるシリーズになったと思います。
この記事をきっかけに『陰実』を知ってくれた方には、「一度見たらクセになるアニメですよ」と声を大にして言いたいです。新シリーズが始まるということで、何度か取材していただいて、そのためにアニメを3回見返しましたが、見るたびに印象が変わりました。1回目は「やっぱりおもしろいな。この中二病感」と思ったのに、昨日見た3回目では、みんなの全力感とまっすぐにぶつかってくる感じがカッコよく見えて。まず1回見てもらえればきっと沼にハマると思うし、それぞれのおもしろポイントが見つかるはずです。詳しいことがわかっていなくてもこの雰囲気だけでもハマると思います。みんなで「赤い月」の伝説の真実を見届けましょう!
山下:原作やアニメの1期から追ってくださっている方にはシャドウガーデンのメンバーが帰ってきた第1話の冒頭のシーンだけでも「そうそう! これが『陰実』だよね」と満足していただけると思います。
ざっくりした形ですが、これまでの振り返りもあるので2nd seasonからも楽しんでいただけます。これから初めてご覧になるという方は、初めて『陰実』に触れた時、僕らが感じたワクワクを感じられるのがうらやましいです。そこから、1期や原作にも触れていただきたいです。知らなくても楽しめますが、ここまでのお話を知ったらもっと楽しめますので。「何かわからないけど気になる」という不思議な引力が『陰実』にはあります。
2nd seasonのスタートと共に、各種コラボなど充実した展開を見せていますし、アニメで描き切れないところを補完するアプリ『カゲマス』もあります。この楽しい流れにみんなで乗って、毎回アニメを見て、ラジオや配信番組等で感想を語り合えたらいいなと思っています。
「赤き月は昇り、覚醒の刻は来た」
シャドウたちの作る歴史を見届けてください。
【撮影 MoA】
『陰の実力者になりたくて!2nd season』作品情報
あらすじ
キャスト
(C)逢沢大介・KADOKAWA刊/シャドウガーデン