映画
劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』レビュー

劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』レビュー・感想|大人の渋さ×重厚サスペンス、アクションシーンも満載で最後までドキドキが止まらなかった

2025年4月18日(金)より公開中の映画『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』。

2023年公開の『黒鉄の魚影』、2024年公開の『100万ドルの五稜星』に続き、3作品連続で100億円突破という快挙を成し遂げている本作。

長野県警の渋い面々、眠らない小五郎、国立天文台野辺山の巨大パラボラアンテナ…かっこいいものづくしの本作は本当に見ごたえ抜群でした!

本稿では勢いの止まらないコナン映画最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』の感想を綴っていきたいと思います。

※本稿には劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』の多少のネタバレが含まれております。完全初見で楽しみたい方は本作をご覧になったあとに本記事をご覧ください。

関連記事
名探偵コナン 隻眼の残像
長野県・八ヶ岳連峰未宝岳(みたからだけ)。長野県警の大和敢助(やまとかんすけ)が雪山で“ある男”を追っていた時、不意に何者かの影が敢助の視界に。気をとられた瞬間、“ある男”が放ったライフル弾が敢助の左眼をかすめ、大きな地響きとともに雪崩が発生。そのまま敢助を飲み込んでしまい―10カ月後。国立天文台野辺山の施設研究員が何者かに襲われたという通報を受け、雪崩から奇跡的に生還した敢助と、上原由衣(うえはらゆい)が現場へ駆けつけた。事情聴取のさなか天文台の巨大パラボラアンテナが動き出すと、負傷し隻眼となった敢助の左眼がなぜか突如激しく疼きだす…その夜、毛利探偵事務所に、小五郎の警視庁時代に仲の良い同僚だった“ワニ”と呼ばれる刑事から電話が入った。未宝岳で敢助が巻き込まれた雪崩事故を調査しており、事件ファイルに小五郎の名前があったという。後日会う約束を交わした小五郎にコナンもついて行くが、待ち合わせ場所に向かっていた途中、突然響き渡った銃声—。果たせなかった約束と、隻眼に宿った残像。氷雪吹き荒れる山岳で、白き闇の因縁(ホワイトアウトミステリー)の幕が切って落とされる―作品名名探偵コナン隻眼の残像放送形態劇場版アニメシリーズ名探...

本作はかなり大人向けな内容

まず本作はシリアス要素が多めの作品です。コナンはもちろんのこと少年探偵団も活躍しますが、メインは長野県警と小五郎。大人たちのシリアスな展開は、さながらサスペンスドラマを観ているかのような印象を受けました。

そして本作の重要なキーワード「司法取引」。司法取引や証人保護プログラムに関連する改正刑事訴訟法が犯人の動機に繋がるのですが、正直観ている最中は「司法取引、証人保護プログラム、刑事訴訟法」というものをきちんと理解できていませんでした。

映画の中でも説明はありましたが、改めて用語を知ってから観に行くとさらに理解度を増すことができると思い、調べましたので用語の解説も載せておきます。

司法取引

司法取引とは、特定の犯罪において、被疑者や被告人が、共犯者などについての情報や証拠を提供することで、自身の刑事責任の減免を補償してもらう制度です。日本では、2018年6月に刑事訴訟法の改正によって導入されました。

対象となるのは、主に経済犯罪や薬物・銃器犯罪などの重大な犯罪に限定されています。

証人保護プログラム

アメリカ合衆国の法廷またはアメリカ合衆国議会における証言者を、暗殺などの報復措置(いわゆる「お礼参り」)から身辺を保護するための制度です。

この証人保護プログラムという言葉は、”黒ずくめの組織”に追われている灰原哀がFBI捜査官のジョディから受けないかと勧められ、別人として生きなくてはならないこともあって逃げたくないと断ったときにも出てきています。

なお、現在日本では法的な証人保護プログラムはありません。

刑事訴訟法

刑事事件の捜査、起訴、裁判など、刑事裁判の手続きを定めた法律です。簡単に言えば、犯罪の捜査から裁判、刑罰の適用までのルールブックのようなものです。

なかなかに難しいワードばかりなので、お子様には事件背景などはわかりづらいと思いますが、大人になって改めて観たときに面白いと思えるはず。何年たっても楽しめるのがコナンのいいところだとも思っています。

サスペンスものが大好きな私は今回のコナンにドハマりしました! 

警察官たちがかっこいい!

今作は警察が大活躍。メインはもちろん長野県警ですが、長野県では高木刑事と佐藤刑事が、本庁では黒田管理官・目暮警部・白鳥警部・千葉刑事が事件を追います。

そして更には公安・内閣情報調査室までもが秘密裏に動いています。ちなみに非常にかっこいいシーンが続く中、コナンにこき使われる風見警部補にはクスッとさせれました(笑)

特に今回かっこよかったのは、高木刑事と佐藤刑事が警察官の職務倫理を唱えるシーン。

「誇りと使命感を持ち国家と国民に奉仕し、恐れや憎しみにとらわれずに、いかなる場合でも人権を尊重し公正に警察職務を執行せよ」

これは、情報提供により刑が軽減される司法取引に怒りを覚えた身勝手な犯人への戒めの言葉です。この職務倫理はアニメ304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」や警察学校編「CASE.松田陣平」にも登場していますよね。

警察官の正義や信念が非常にかっこよく描かれていてグッときてしまいました。

蘭の空手やド派手なアクションシーンあり! 

今作もちゃんとあります、アクションシーン! 銃撃戦や雪崩、カーチェイス、子どもたちを空手で助ける蘭など派手なアクションシーンが多く、これぞコナンという感じがしました。

ストーリー自体は社会派で難しめですが、適度にアクションシーンがあることでバランスが取れており、お子様もちゃんと楽しめるようになっていると思います! そして、映画序盤はスケボーで、終盤はスノボー(正確にはボードではないですが……)で締めるという演出も個人的に非常に良かったなと思いました。

今作は登場人物全員に見せ場があって、そこもよかった点の1つです。

おわりに

毎年恒例のGWのコナン映画。今作は何度も言うように「大人向け」そして「大人たちがかっこいい」内容でした。長野県警の3人、公安、そして眠らない小五郎は本当にかっこよかったです! 小五郎活躍回にハズレ無しです。

普段コナンをあまり観ない方でもストーリーがしっかりしているので、最後まで楽しめると思いますが、事前に「風林火山」シリーズを観ていると長野県警の3人の原点がわかるのでより楽しめると思います。

大和敢助と上原由衣の関係性や諸伏高明のかっこよさも伝えたいところではありますが、書ききれなくなりそうなので本稿では割愛させていただきます(笑)

関連記事
「長野県警の3人はどんな関係性なの?」「諸伏高明の弟って?」 劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』につながる!おすすめアニメエピソードまとめ
4月18日(金)に公開を迎え、歴代No.1ヒットスタートを切った劇場版『名探偵コナン隻眼の残像』。舞台は長野県ということで、大和敢助(やまとかんすけ)、上原由衣(うえはらゆい)、諸伏高明(もろふしたかあき)の長野県警が活躍するストーリーに話題沸騰中です。ただ、普段アニメシリーズや原作を読んでいない方の中には、「長野県警の3人はどういう関係なの?」と疑問を抱いている方も多いはず。実際に、筆者の私自身も原作勢でもなければアニメを毎回見ているわけでもなく、毎年の劇場版を密かに楽しむ程度。案の定、わからないシーンが結構出てきたので「これじゃもったいない!」と長野県警に関連するアニメ回をほぼ制覇した上で映画を再び鑑賞。その結果、1回目とは異なる感動と興奮を味合うことができました。映画の魅力がさらに深まるこの感覚を、より多くの人に味わってもらいたい!ということで、本記事では、劇場版『名探偵コナン隻眼の残像』(以下、隻眼の残像)につながるアニメエピソードをご紹介。ぜひ参考にしてくださいね!※劇場版『名探偵コナン隻眼の残像』に関するネタバレはありません。長野県警に関連するアニメエピソード(TVアニメシリーズ)風林火山迷宮の鎧武者/陰...

5月30日(金)からは3面スクリーンの上映システムであるScreenXと、4DXとScreenXが融合したULTRA 4DXでの上映などが始まり、さらには次回作の第29弾にまつわる後付け映像の追加が決定しています。

一人でも友達とでも家族とでも、みんなで楽しめる『名探偵コナン 隻眼の残像』を是非劇場でご覧ください!

[文/五反田ちさと]

『名探偵コナン 隻眼の残像』作品情報

名探偵コナン 隻眼の残像

あらすじ

長野県・八ヶ岳連峰未宝岳(みたからだけ)。長野県警の大和敢助(やまと かんすけ)が雪山で“ある男”を追っていた時、不意に何者かの影が敢助の視界に。気をとられた瞬間、“ある男”が放ったライフル弾が敢助の左眼をかすめ、大きな地響きとともに雪崩が発生。そのまま敢助を飲み込んでしまい―

10 カ月後。国立天文台野辺山の施設研究員が何者かに襲われたという通報を受け、雪崩から奇跡的に生還した敢助と、上原由衣(うえはら ゆい)が現場へ駆けつけた。事情聴取のさなか天文台の巨大パラボラアンテナが動き出すと、 負傷し隻眼となった敢助の左眼がなぜか突如激しく疼きだす…

その夜、毛利探偵事務所に、小五郎の警視庁時代に仲の良い同僚だった“ワニ”と呼ばれる刑事から電話が入った。未宝岳で敢助が巻き込まれた雪崩事故を調査しており、事件ファイルに小五郎の名前があったという。

後日会う約束を交わした小五郎にコナンもついて行くが、待ち合わせ場所に向かっていた途中、突然響き渡った銃声—。

果たせなかった約束と、隻眼に宿った残像。

氷雪吹き荒れる山岳で、白き闇の因縁(ホワイトアウトミステリー)の幕が切って落とされる―

キャスト

江戸川コナン:高山みなみ
毛利蘭:山崎和佳奈
毛利小五郎:小山力也
灰原哀:林原めぐみ
大和敢助:高田裕司
諸伏高明:速水奨
上原由衣:小清水亜美
鮫谷浩二(ワニ):平田広明
安室透(降谷零):草尾毅
風見裕也:飛田展男
黒田兵衛:岸野幸正
阿笠博士:緒方賢一
吉田歩美:岩居由希子
小嶋元太:高木渉
円谷光彦:大谷育江
大友隆:山田孝之
円井まどか:山下美月

(C)2025 青山剛昌名探偵コナン製作委員会
おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2025秋アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2025秋アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング