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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

原作者の尼子先生がプロット(原案)を制作したエピソード。土井先生が利吉や山田先生と出会った時のことを思い出すなか、利吉の回想形式でその出会いや共に過ごした日々が明かされます。利吉が土井先生に心を開き、兄のように慕うようになった過程も描かれるオススメ回です。
また、第20シリーズ第90話「おかえりなさいの段」でも土井先生の回想で山田家との出会いが語られており、一年は組と共に山田先生の家に向かう途中、かつて山田家と出会った場所でそっと微笑む土井先生の姿があります。
尼子先生プロット回。利吉のようなプロ忍者になりたいという忍術学園事務員の小松田さんは、利吉がどこで忍術を習ったのか聞きたがり、利吉が母や土井先生から教えを受けたこともあるという過去が語られています。
「忍たま30ベストコンビ投票」の結果をもとに制作された5つのお話のうちのひとつ。土井先生の教材攻撃に興味を示す利吉が、その技を見せてほしいと土井先生にお願いするなど楽しそうな二人のやりとりが見られます。
現在は配信されていませんが、本エピソードでは土井先生がきり丸を自分の家に居候させている理由が描かれており、“ただいま”と“おかえり”を言い合う土井先生ときり丸の心温まる関係が見られます。ある日、きり丸が「先生はどうして僕のことを気にかけてくれるんですか?」と聞いてみると、土井先生は「同じような育ち方しているからかな」と答えています。
尼子先生のプロット回で、土井先生の回想による忍術学園で教師を始めた頃のお話。土井先生はある事情により自分の名前を名乗れず、他の先生たちから「若い人」と呼ばれていました。そして、当初の土井先生は殺伐とした空気を纏っていたといいます。山田先生が土井先生に「半助」と名付けたことや、土井先生と一年生の頃の六年生たちの出会いも描かれる注目回です。
タソガレドキ忍者の諸泉尊奈門は、また土井先生に勝負を挑んで負けてしまい、忍術学園の医務室で手当てされていました。そこへ、山本陣内と高坂陣内左衛門が尊奈門のお迎えに。こちらは尼子先生プロット回で、尊奈門はじめ部下たちが上司である雑渡昆奈門を慕う理由など、タソガレドキ忍軍の貴重なエピソードが詰まっています。
一年ろ組の保健委員・鶴町伏木蔵が医務室の当番をしているところへ、タソガレドキ忍軍忍び組頭・雑渡昆奈門がやって来ます。傷を負っている雑渡を伏木蔵は一人で手当てをし、医務室で休ませてあげようと邪魔が入らないように奮闘。雑渡が部下である尊奈門を身を挺して守る姿、さらに雑渡と伏木蔵の愛らしい絆が見られるエピソードです。
忍者らしき怪しい老人に出会ったことをきっかけに、一年は組や土井先生たちは怪しい屋敷へと辿り着きます。実はドクタケ忍者が忍術学園や他の城への攻撃を企んでおり、攻撃をやめさせるために伝子さんと利子さんは屋敷を爆破することに。
こちらのエピソードでは、実戦に強いは組らしい描写をはじめ見どころが様々ありますが、爆破された屋敷を見て「もったいない」と嘆くきり丸に対して、土井先生が返す言葉も心に残るものです。
“いくさとはもったいないものさ 浪費と破壊と消耗 そこからはなにも生み出すものはない”
『最強の軍師』の鑑賞前に特にオススメしたいのが、2011年公開の『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』。
『落第忍者乱太郎』第37巻と第42巻がベースとなっており、“全員出動”のタイトル通り、忍術学園の生徒や先生をほぼ網羅できるというのも魅力のひとつ。ギャグ要素が多めでありながら、戦乱の時代における合戦のリアルのなかで、教師陣も連携した忍術学園総動員の作戦や助け合う姿を描く作品です。
お馴染みのキャラクターが多く登場し、『最強の軍師』で注目を浴びる土井先生や山田先生をはじめ、忍術学園六年生、山田利吉、雑渡昆奈門の人物像にも触れることができます。また、タソガレドキ忍軍が忍術学園に対して中立の立場をとるようになった経緯も見どころです。
〈ストーリー〉
一年生から六年生の宿題がごっそり入れ替わってしまい、夏休みが終わった忍術学園は大騒ぎ。一年は組の山村喜三太が当たったのは、六年生用の「オーマガトキ城主のふんどしをとれ」という難易度の高すぎる宿題でした。姿を見せない喜三太は、どうやらオーマガトキ城に捕まってしまったのだといいます。
現在オーマガトキ城はタソガレドキ城と戦のまっただ中。まずは忍術学園の特命選抜チームが喜三太の救出に向かい、さらに二つの城の戦に巻き込まれた園田村から依頼を受けた忍術学園は、全員出動の大作戦で忍務にあたります!
◆こちらもオススメ!
『全員出動』の土台となっているTVアニメシリーズのエピソードもオススメ。第16シリーズ第36話「急ぎの老人」~第39話「園田村へ急げ」は4話連続のエピソードで、第46話「再び園田村への段」~第50話「燃える逆茂木の段」へと続きます。
『忍たま乱太郎』初の劇場版。八方斎率いるドクタケ忍者の悪役ぶりが際立つ作品であり、女装して潜入する山田先生(伝子さん)と土井先生(半子さん)、さらに利吉も活躍。仲間のために立ち上がる一年は組らしい救出劇も見られます。
ドクタケ忍者に盗まれた巻物を取り戻す忍務のためにドクタケ忍者に扮した利吉のイケメンっぷりは是非とも観ていただきたいですが、半子さんとの共闘や仲睦まじいやりとりも注目です。
〈ストーリー〉
忍術学園は夏休みを迎え、学園長の頼みで硝石の運搬を手伝っていたしんべヱと団蔵。その道中で極悪非道の稗田八方斎率いるドクタケ忍者隊に襲われ、硝石を盗まれてしまいます。
団蔵が八方斎の後を追ったためしんべヱは団蔵がさらわれたと勘違いし、忍術学園一年は組の仲間とともに八方斎の潜むドクタケの出城へ。乱太郎、きり丸、しんべヱの三人組は、そこで八方斎が硝石を火薬として使うのではなく、中国の秘薬・軽身剤の材料に使うことを知ります。その軽身剤とは飲めば空を自在に飛ぶことができるという幻の薬で──⁉︎
◆土井先生ときり丸
・第21シリーズ第4話「笑ってお別れの段」
・第29シリーズ第29話「楽しみなお休みの段」
・第32シリーズ第59話「一緒に帰るの段」
◆タソガレドキ忍軍
・第29シリーズ第17話「伊作先輩と諸泉尊奈門の段」
・第29シリーズ第73話「伊作のぬり薬の段」
・第30シリーズ第37話「タソガレドキの演習の段」
・第30シリーズ第65話「伊作の調合の段」
・第33シリーズ第16話「文房具への恨みの段」
◆その他
・第16シリーズ第26話「委員会活動停止の段」~第29話「保健委員会ののろしの段」
・第30シリーズ第54話「いつから知ってた?の段」
・第31シリーズ第40話「知る事は困難だの段」~第44話「魔界之先生の真実の段」
・第33シリーズ第6話「委員会委員長会議の段」~第10話「委員会委員長会議開催!の段」
忍たまたちはそれぞれ何かしらの委員会に所属しているため、委員会を知ると『忍たま乱太郎』をより楽しめると思います。委員会活動では授業や課外活動の補佐、学園内施設や道具の管理などを行っており、各委員会の委員長は六年生が務め、六年生不在の委員会は五年生が委員長代理に。全学年仲の良い忍術学園ですが、委員会活動を通してより絆は深いものとなっています。
尼子先生のプロット回は本稿でいくつかご紹介しましたが、他のエピソードも『忍たま乱太郎』のキャラクターたちを深掘りした内容となっています。
【第30シリーズ】
第31話「鍛練のはじまりの段」
第32話「籠城の記憶の段」
第33話「無口なわけの段」
第34話「同室の思い出の段」
第35話「思い出した手当ての段」
【第31シリーズ】
第65話「七松家への家庭訪問の段」
第66話「金吾と喜三太の段」
第67話「ゴローとコージの段」
第68話「久々知の豆腐の謎の段」
第69話「竹谷の一人部屋の段」
【第32シリーズ】
第60話「一緒に帰るの段」
第61話「喜八郎と滝夜叉丸の段」
第62話「イライラするの段」
第63話「嫌われる理由の段」
第64話「若い人の段」
六年は組の同室の善法寺伊作先輩と食満留三郎先輩、猪名寺乱太郎をめぐる「同室」エピソードや、摂津のきり丸、潮江文次郎先輩、中在家長次先輩、七松小平太先輩が奮闘する「アルバイト」エピソード、立花仙蔵先輩が福富しんべヱと山村喜三太のドタバタに巻き込まれる「厳禁」エピソードもオススメです。

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。
