アンデッドがうらやましい!? 喉が弾け飛ぶくらいのアフレコ! 秋アニメ『アンデッドアンラック』アンディ役・中村悠一さん&出雲風子役・佳原萌枝さんインタビュー
作中の少女マンガ『君に伝われ』も!? アニメならではの描写やシーンが盛りだくさん!
――映像をご覧になった感想をお聞かせください。
中村:これはアニメならではだなと印象的だったのは、原作の中で風子が愛読する少女マンガ『君に伝われ』。アニメでも登場していて、絵柄や演出など本編とは違う手法で描かれているのでお得感があると思います。違うアニメを見ているみたいで(笑)。
佳原:確かに全然違いますね。劇伴やSEだけでなく、それぞれのキャラクターの息遣いなど音が付いたことで改めて迫力があるなと思いました。そして、風子の目が丁寧に描かれているカットも多くて、例えば少女マンガみたいにキラキラ輝いたり、そこがすごいなと。あと、アンディが再生していくカットもすごかったです。
中村:ああやって、治るんだって。
佳原:中から順番に。
中村:クオリティが高すぎて気持ちが悪い感じですけど(笑)。
――アンディはずっと全裸ですが、中村さんは全裸で通すキャラクターを演じたことはあまりないのでは?
中村:これが割とあるんですよね(笑)。『FAIRY TAIL』のグレイは本気を出す時に脱ぐし、この間までやっていた作品でもなぜか裸になって出てくる感じだったので、結構あるなと最近思いました。
佳原:裸っぽい声なのでしょうか?
中村:裸っぽい声って?(笑) でもアンディほど始終、裸なのはないかも。戦い方や生き様を見ていると、ずっと普通の洋服を着ているわけにはいかないし。数話の間は最初から最後までずっと裸で、一瞬服を着ているシーンがあるくらいですね。
――風子も全裸のアンディにすぐに慣れてしまって。
佳原:そうですね(笑)。最初は強烈に拒絶していましたけど、ちょっとお話が進んだら当たり前のように接していて。もしかしたら風子もちょっと変なのかもしれません(笑)。
――アンディのモザイクは、よくTVアニメがパッケージ化した時にモザイクがはずれることがあるので、この作品でもモザイクなしになるのかなと。
佳原:それはいやですね!(笑)
中村:そんなに挑戦的な作品ではありません。特殊需要を満たすための作品になってしまうので。
佳原:むしろモザイクに一定の需要がありそうです。連載されている「週刊少年ジャンプ」の中で行われたキャラクター人気投票で、アンディのモザイクもなぜか入っていて(笑)。
中村:たぶんスタッフさんもいざ描いてみて、動かしてみたら、意外に面倒くさかったというのはあると思います。でも裸を描くのは難しいと思うんです。関節など洋服でごまかせる部分があると思うけど、裸だとちゃんとデッサンや作画しないと違和感が出ると思うし、手間がかかるうえに見えるか見えないかという部分もあるし。『この角度だと横から見えるからちゃんとモザイクつけなきゃ』とか(笑)。
佳原:あれだけモザイクにこだわっているのだから、とっちゃうのはやっぱりもったいないですね(笑)。
風子とアンディの出会い、二人の物語を丁寧に描き、ワクワク感を描いた第1話は必見!
――第1話をオンエアに先駆けて拝見させていただきましたが、1話全体が壮大なプロローグになっていて、かなりのひきになっているなと思いました。
中村:第1話は風子とアンディが出会って、お互いがどういう能力を持っているのかの説明もされていて、まとまっていると思います。その分、登場人物が少ないので、情報がシンプルにまとまっていて、見やすくなっているかなと。
これから話が進んでいくと、小出しにはなりますが、いろいろな要素が出てきます。ある時を境に、組織の人たちが出てきた途端、情報量が一気に増えるので、最初のうちにちょっとずつ紹介して、彼らを全部知った上で、他のキャラクターに移行する作りになっているので、丁寧に二人を描いてもらえているなと感じました。
佳原:二人が出会ってから物語が始まるまでの最初の部分をまるまる1話使っているので、主人公二人のキャラクターは十分につかめると思います。インパクトの強い出会いから世界観の説明や、否定者や能力がどんなものなのかまで描かれていて、これから始まるワクワク感を与えてくれて終わる、良い1話だと思うので、ぜひ第1話をお見逃しなく。
――では楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。
中村:既に原作を読まれている方には、いい形でアニメをお届けできるんじゃないかなと思います。収録は(取材時点で)もうそろそろ最終回を迎えそうなところまで進んでいますが、毎週収録しながらそう感じています。
すごく丁寧に作りながらも、順番を前後させたほうが演出的にはいいかなというところは変えているので、原作とそのまま一緒ということはありませんが、大事なセリフなどは削らずそのまま生かす方向でやってくれていて。(八瀬祐樹)監督やスタッフの皆さんの原作へのリスペクトもすごく感じる作品になっていますので、ぜひ見ていただきたいです。
このアニメで初めて『アンデッドアンラック』に触れるという方は、アニメで感じたノリやテンションは原作そのままですので、アニメをおもしろいと思ったら原作も読んでいただいて、それぞれのテンポ感の違いなどを楽しんでいただくのもいいのではないかなと思います。アニメはおよそ30分をこちら側が作ったテンポで見せていきますが、原作は読者の方それぞれのテンポがあるし、見え方もきっと違うのかなとも思うので、ぜひ両方共楽しんでいただきたいです。
佳原:原作を読まれていた方はアニメ化の発表からずっと楽しみに待ってくださっていたと思います。そのドキドキワクワクする気持ちそのままでアニメの1話をぐっと集中して見ていただければ、お待たせした分だけ期待を裏切らないと思いますし、きっと満足していただけるのではないかなと。
アニメで初めてご覧になる方には、出演される皆さんがとても豪華だからとか、キャラクターの絵に興味が湧いたとか、好きなスタッフさんが関わられているとか、どんなきっかけでもいいので、まず『アンデッドアンラック』の世界に一歩足を踏み入れていただきたいです。独特な設定感やキャラクターの雰囲気など、他の作品にはない魅力がいっぱい詰まっているので、アニメもマンガも含めて、『アンデッドアンラック』をたくさんの方に好きになっていただけたら嬉しいです。
[取材・文/永井和幸 撮影/嶋脇]
『アンデッドアンラック』作品情報
あらすじ
触れた人々に不幸な事故をもたらす不運“アンラック”な少女・風子。
その特異な体質から一度は死を覚悟した風子の前に、絶対に死ねない不死の体を持つ“アンデッド”のアンディが現れる。
彼は風子の力で“本当の死”を得るため、彼女と行動を共にすることに。
しかし、アンディと風子のような異能の力を持つ【否定者】を狙う謎の組織“ユニオン”が2人の前に現れる。
これは、二人が最高の死を見つけるお話。
キャスト
(C)戸塚慶文/集英社・アンデッドアンラック製作委員会