音楽

2024-03-25 20:00

結成20周年イヤーを経て新たな季節へ――その幕開けを彩る『天官賜福貮』オープニングテーマとなる「面影」で描いた、謝憐と三郎の愛の形／シドインタビュー

言葉で、音で、ひとつになる

――昨年発表された「微風」についても改めておうかがいさせてください。武道館ライブを経て「微風」に新しい風が入ってきた感覚はありますか？

マオ：そうですね。書いている時から、なんとなくあのステージをイメージしていたんです。歌っている時に、ずっと想像していた景色に重なった瞬間が何度かありました。その瞬間、感動しました。自分は歌っている側ではありますけど、聴いている側の気持ちにもなれるし、聴いている子たちは歌っている側の気持ちにもなっているんだろうなって。そうやって、つながった瞬間を感じられる曲だと思っています。ひとつになる、ってこういうことなのかなと。

――特に一体感を感じる曲でもあるんですね。

マオ：盛り上がる曲でひとつになることも、暴れてひとつになるステージもあると思うんですけども……こういう“聴いてもらう曲”でひとつになれるというのは、シドの特徴のひとつだと思うので、これからも大事にしていきたいですね。

――そこは作曲をされる上で意識されたところでもあるのでしょうか？

明希：武道館を迎えるにあたって新曲を作ろうと。会場のみんなが一撃で歌えるような、シンプルでかつポップなメロディがキーワードになっていたような気がしています。

最近……個人的な聴き方の傾向として、メロディや曲よりも歌詞を聴いてしまうことが多いんですよね。洋楽はまた聴き方がちょっと違うんですけども、邦楽は特にそうで。だからやっていて、「微風」という歌詞の世界の中に引き込まれていました。バンドをやってきた人間としては……夢を追っかけていた人も、現在これを仕事にしている人も、道半ば諦めてしまった人も、冒頭の一行で、あの時の情熱や思い出がわーっと持っていかれるような曲だなって。

――そういう歌詞にしようっていう話し合い的なものはあったんですか？

明希：僕らって曲先なんです。イントロやメロディも懐かしさを意識して作ってはいたんですが、特に歌詞をこうしてくださいっていう打ち合わせをするバンドでもなくて。そういう中でビタッと曲と雰囲気、言葉がマッチした1曲なのかなと。

――音楽の聴き方が変わったきっかけって何かあったんですか？

明希：年齢もあるんでしょうけど、変わりつつありますね。洋楽がずっと好きなので、サウンド重視で楽しんでいたんです。僕、本が読めないんですよ。小説とかが苦手で（苦笑）。でも歌だと言葉が入ってくるなって。

だからこそ、武道館では演奏していて、すっと言葉が入ってきて。「いちばん好きな場所」がシドの歴史だとしたら、「微風」はもっと、人生観に似てるような気がします。バンドと置き換えればそう聴こえますし、ファンの子たちが自分のことを何か乗せたら、そういう歌詞に変わるし。切なくもノスタルジックな曲だなって思います。

▼シド『いちばん好きな場所』Music Video

――期間生産限定盤にはアニメ『天官賜福』日本語吹替版オープニングテーマ「慈雨のくちづけ」もパッケージされています。今「慈雨のくちづけ」の制作を振り返ってみると、どのような思い出がありますか？

明希：この時をきっかけに『天官賜福』を知ったので、制作の方ともお互いに探り探りで。制作サイドの方も、きっとシドを深く知るきっかけになったのかなと思っています。

タイアップ曲は、キービジュアルを見えるところに置いたり、原作を読んだりしながら作ることが多いんですけど、『天官賜福』のアイデアや資料を参考に音のイメージを広げていって、類を見ないような構成にして、新しいシドを見せられるような音作りを出していきました。

マオ：「面影」も「慈雨のくちづけ」も『天官賜福』の世界観を意識して歌詞を書いているのですが、「慈雨のくちづけ」では作品を引きで見た時に分かるような世界観を書きたいなと思っていました。「面影」はもっと寄っていった感じです。

――『天官賜福貮』で作品と出会った方、シドを知った方にもぜひ聴いてもらいたい曲です。

マオ：そうですね。シドを知ってくれた場所ってそれぞれファンの皆さんの中にあると思うんですけど、どこで知り合っても好きになっていけるバンドを目指してずっとやってきています。ぜひ聴いてもらえたらと思っています。

――では最後にマオさんから5月18、19日に山梨・河口湖ステラシアターで行われる「SID LIVE 2024 -Star Forest-」に向けて、お一言いただけたらと思います。

マオ：二度目のタイトルとなるイベントなのですが、河口湖ステラシアターがすごく良い会場なんですよね。自然が豊かで、空気も綺麗で。シチュエーションはバッチリなので、あとはファンのみんなと一緒に最高の思い出を作れたら言うことはないかなと。それに向けて日々頑張っていきたいなと思っています。

それと、5月とは言え場所的にすごく寒いので、温かい服を持ってきてもらえたら、風邪とかを引かずにいられるのかなと思うので、そういう準備もしてもらえたらと。星の綺麗な場所なので、一緒に星空が見られたら最高ですね。

［文・逆井マリ］

シングル「面影」情報

発売日

2024年3月20日（水・祝）

価格

・初回生産限定盤（CD+Blu-ray）
KSCL 3493～94　2,750円（税込）

・期間生産限定盤（CD+Blu-ray）
KSCL 3496～97　2,750円（税込）

・通常盤（CD）
KSCL 3495　1,100円（税込）

▲初回限定版ジャケット

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▲期間生産限定盤ジャケット

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▲通常盤ジャケット

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CD収録内容

01.面影
02.微風
03.慈雨のくちづけ ※期間生産限定盤のみに収録

＜初回生産限定盤 Blu-ray 収録内容＞
01.“面影” Music Video
02.Making of Music Video “面影”
03.“park”（Live from『SID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」』）

＜期間生産限定盤 Blu-ray 収録内容＞
01.“慈雨のくちづけ” Music Video（「天官賜福」ver.）
02.“面影” Music Video（「天官賜福貮」ver. ）

購入者特典

■応援店舗特典
「面影」スペシャルB3ポスター（集合アー写1種＆ソロアー写4種の計5種よりランダム1種をプレゼント）
■アニメイト
ポストカード（「面影」アニメジャケット絵柄）

「面影」MV

「面影」配信まとめURL：
https://kmu.lnk.to/Omokage

「SID LIVE 2024 -Star Forest-」情報

日時・会場

2024年5月18日（土）　河口湖ステラシアター
2024年5月19日（日）　河口湖ステラシアター
OPEN 16：00 / START 17：00

チケット料金

全席指定　8,800円（税込）
※4才以上有料

詳細はコチラ
https://special.sid-web.info/starforest2024/

『天官賜福貮』作品情報

あらすじ

800年の物語が再び動き出す――

墨香銅臭（モーシャントンシウ）（代表作「魔道祖師」）が描く、美しく壮大な中華ファンタジーのアニメ化第2シリーズ！

仙楽国の皇太子として生まれた謝憐（シエ・リェン）は、人々を救うことを夢見て飛昇し神官となるも、禁忌を犯して二度も天界から追放されてしまう。
そして800年。三度目の飛昇を果たした謝憐は人間界で“三郎”と名乗る少年と出会う。

博識で物怖じしない不思議な少年・三郎（サンラン）の正体は、鬼界の王と恐れられ天界と敵対する鬼、“花城”（ホワチョン）。
謝憐はその正体に気付くも、ともに過ごすうちに彼との絆を深めていくのだった...。

半月関での事件を解決し、三郎が謝憐のもとを去ってから暫く経ったある日。
帝君・君吾（ジュンウー）によって天界に召喚された謝憐は、ある神官が救援を求めているという情報を聞き、死者の領域である鬼界に足を踏み入れる――