
高嶺の花だけど素の瞬間にキュンとさせられる! 『薬屋のひとりごと』第2期、梨花妃の愛が垣間見えた第6話を石川由依さんが振り返る/インタビュー
玉葉妃が羨ましい? なかなか周りに恵まれない梨花妃
──放送された第30話では、一連の騒動が杏の企みであると判明しました。
石川:身近な人が敵だったというのはすごく辛いなと思います。しかも、第一子を亡くしたことにも関わっていたかもしれないということでより辛いですけど、それでも梨花妃にとって杏は一緒に過ごしてきたかけがえのない存在ですし、もしかしたら逆の立場になっていたかもしれないんですよね。
梨花妃が杏の立場になったとしてもあそこまで感情的になるとは思えませんが、それでも杏の気持ちを理解はしていたんじゃないかなって。そういった事情もあって、怒りよりも悲しみのほうが強かったんじゃないかなって思います。
──後半は手を挙げる瞬間も。
石川:あれは怒りからの行動ではなく、自分の中での決別であったり、最大限の愛を込めたお別れのための平手打ちだったんじゃないかなって。そもそも、やろうと思えばもっと厳しく処罰できたんですよね。それでも後宮を追い出すに留めたのは梨花妃の愛であり、杏にとっても悔しいことでもあるので、この方法が一番だと思っていたんじゃないかなって。
──猫猫も言っていましたが、なかなか周りに恵まれませんね。
石川:そうですね。玉葉妃を見ていて「良いな〜」と思っちゃいます(笑)。でも難しいですよね。今回は侍女を取りまとめる人が悪かったから、どうしてもその下も上手く回らなくなっちゃうところがあったでしょうし。次は良い人が来てくれることを願います(笑)。
──新たな生命を宿していますし、明るい未来が待っているかもしれませんね。
石川:もちろん子を亡くした悲しみは消えないと思いますが、一歩踏み出す希望になってくれたら嬉しいですね。今後、彼女の出番がどうなるのかわかりませんが、物語の裏側でもなにか良いことが起こっていてほしいです。
──第30話は梨花妃のさまざまな面が描かれましたが、実際に演じてみていかがでしたか?
石川:未だに難しいなと思っています。彼女は模範的な妃であり、庶民の私とは全く異なる生活をしているので、妃になりうる声やお芝居ってどんなものなんだろうと悩んじゃうんですよね。今できることとしては呼吸をゆったり持って、心・懐の広さや愛情深さが出せたら良いなという気持ちで演じています。ほかにも姿勢を良くして、梨花妃のようにピンとしてみるとか。そうすることで出てくる声が変わりますし、気持ち的にもスッと入り込めるんですよね。
ただ、最近の梨花妃は子供を身ごもったということで、「自分はひとりじゃない」という強さを出せたら良いなと思って演じています。平手打ちのシーンも、ただ強いだけではなく、彼女の中にある悲しい気持ちを忘れずに芝居できたらなと思っていました。
──演じる上での感情も杏とは真逆になっているんじゃないかなと。
石川:対象的に見せないといけないシーンでしたね。杏が激怒している分、こっちはなるべくブレないように、芯があるように演じようと思っていました。
──杏役の木下紗華さんの演技をご覧になっていかがでしたか?
石川:強かったです。思った以上に悔しさに溢れていました。そのおかげで梨花妃が感じた悲しみが私にも伝播しましたし、「ここで決別する」という気持ちにさせてもらえたんじゃないかなって思います。
──第1期を含めて、演じるにあたってオーダーやディレクションはありましたか?
石川:よく言われるのは「上品に」ですが、私としては「上品ってなんだ〜?」と(笑)。
妃の中で特に上品さが仕上がっているのが梨花妃だから、そこを際立たせたいという思惑があるのかもしませんね。ただ、上品さを目指しすぎて生意気になってはいけませんし、かといって自分が思っている以上の上品さとはなんなんだろう、と。未だに模索中ですね(笑)。
説得力を感じる猫猫との掛け合い
──猫猫役の悠木碧さんと掛け合った感想をお聞かせください。
石川:碧ちゃんの演技は「説得力がある」と感じさせてくれます。掛け合ってみても“碧ちゃんと”ではなく、“猫猫と”話している感覚になるんですよね。
──本編でまた梨花妃と猫猫の掛け合いを見れることを楽しみにしています。
石川:あのふたりは不思議な関係性ですよね。梨花妃は猫猫に対して、普段はみんなに見せない自然な姿で接していたりして。その自然さは碧ちゃんのお芝居に引き出してもらっている部分があるんじゃないかなと思います。
──今作にはさまざまなキャラクターが登場するということで、ぜひお気に入りのキャラクターをお聞かせください。
石川:小蘭です! みんなの妹みたいな存在で、私もかわいいなって。小蘭と猫猫がいるシーンは、猫猫がお姉さんっぽかったり、逆に子供っぽいときがあるので良いなと思っています。
──梨花妃との会話があれば良いんですけどね。
石川:梨花妃と小蘭は……今後もないかもしれないです(笑)。
──(笑)。最後に、今後の放送を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。
石川:いつもご覧いただきありがとうございます。今後、梨花妃の登場は多くはないかもしれませんが、それでも彼女は猫猫に救ってもらった我が子のために生きていきます。みなさんには彼女のことをぜひ忘れずにいてほしいです。
私も一ファンとしてアニメの展開を楽しみにしています。みなさんも一緒に楽しんで、応援していただけたらなと思います。
作品概要
あらすじ
妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。
先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。
不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。
猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー
キャスト
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会












































