
『メイクアガール』公開記念スタッフトークショー開催! 安田現象監督、川瀬好一プロデューサー、背景美術・内田要氏が制作秘話を語る
1月31日(金)より大ヒット公開中の劇場アニメ『メイクアガール』。
本日2月15日(土)立川シネマシティ シネマ・ツーにて、『メイクアガール』公開記念スタッフトークショーを実施。安田現象監督をはじめ、本作の制作に携わったスタッフ陣が作品の裏側を語るイベントとなりました。
劇場アニメ『メイクアガール』公開記念スタッフトークショー公式レポート!
今回、安田現象監督をはじめ、プロデューサーの川瀬好一、背景美術の内田要がイベントに登壇。満席の会場の大きな拍手に迎えられながらイベントがスタートした。
はじめに、本作『メイクアガール』の制作で担当された部分を説明する運びとなり、川瀬は「簡単に言うと、プロデューサーと監督の関係は、監督は“カルピスの原液をそのまま飲ませたい人“、プロデューサーは”その原液を水で薄めたい人“です。」と冗談まじりに答えた。
本作は監督以外7人のスタッフしかいない作品であり、その中でも内田は3D映像の背景を担当した。安田監督は「3D映像を技術として選ぶ人たちは、実はしっかり画も描ける人がそんなにいなくて、画作りは割と変化球寄りな思案を試していく中で、3Dクリエイターだからこそできる技を、自分たちで一つ一つ見つけて、約950カットを内田君の手で描き切ることができました。」と話した。
対して、内田は「約950カットの背景を僕ともう一人の2人でつくったのですが、今思うと多すぎだよなと思いました。元々700カットくらいと思っていたが、段々と増えていって最終的には950カットに上がっていきましたね。」と率直なコメントを返した。
そんな内田について、1回目のクラウドファンデイグが終わる頃、その結果を受けて、スタッフを一人追加できることとなり、最後の追加メンバーが内田だったことが明かされた。
安田監督と内田は大学時代の先輩後輩の関係で、当時、サークル活動で知り合ったという。そこで安田監督は内田へ「3Dアニメーションは楽しいぞ!」と進めていたという。
前職では、3Dアニメーターとして、「ゼルダの伝説」シリーズにも携わっていた内田は「3Dアニメーターとしていろんな所に携わっていて、最後のラスボスがでるムービーなどを担当させていただきました。」と話すが、安田監督は「3Dアニメーターとして活躍しているのだけれど、本作の『メイクアガール』ではやったことのない背景美術を中心にお任せしてしまいました。」と吐露した。
安田監督は「自分一人でアニメーションを作っていたころ、時間に追われていたので、一つ一つの作業を研究することができなかったんです。本作では一人一人が専門の箇所を作業してくれたおかげで、自分ひとりでは到達できなかった表現まで押し上げていただき、チームワークって面白いなと思いました。」と本作のチーム制作について語った。
さらに、本作では予算と人数も限られている中で、作中の舞台が制作スタジオの近くにあった秋葉原だったとことを川瀬が明かすと、安田監督は「明が住むマンションは、元々自分が住んでいたマンションだったんです。SNSでみていると聖地巡礼されている方もいて、楽しく拝見させていただきました。」と新事実を明かした。
川瀬Pからみた安田監督について、川瀬は「監督は普段一人でアニメーションを作っているので、手を抜いてもいいところは抜けるんです。見えないところまで凝って作業する監督もいて、その結果、制作スケジュールが大きく遅れたり、予算も上がったりもする。でも、安田現象監督は違うんです,,,,『はやく、早く観てもらいたい!』という気持ちが溢れているんです。」と安田監督について熱く語る場面も
「ただ多少手を抜いているからと言って、クオリティは下がっていません。」と改めて川瀬は作品のクオリティに言及すると、安田監督も続けて「70点で100%作り上げた後に、やはりバッファという期間を設けることができて、そのブラッシュアップでより100点に近づけていく。表現の研究も安心して行うことができました。」と本作でより制作と表現の成長があったことを語った。
さらに、川瀬Pが安田監督に声をかけたきっかけを聞くと、川瀬は「僕は最初「ヰ世界情緒」の安田監督のMV「とめどなき白情」を当時中学生だった娘に見せてもらって、脳を焼かれたのがきっかけです。その後、「メイクラブ
、「異世界システム」をみて、『とんでもない作家だ!アート性もあり、大衆的なものもいける!」と感じて、2020年の秋ごろから、浅草橋のコメダ珈琲で、毎週何時間も話し合って映画制作を決めました。」と当時のエピソードを語った。
そして、公開と同時に解禁となった安田現象劇場アニメプロジェクト第2弾について、モチーフになるのは安田監督が初期に多く出していたショートアニメのキャラクターであることを語った。
川瀬は「あの子が海外ヨーロッパやアメリカで人気を博していて、よりアクションが重たそうなので、少しドキドキしています。」と話すと、安田監督は「1作目を経て、アニメーターは5人しかいない中ですが、その実力はバッチリ仕上がっているので、皆さん2作目も期待して待っていてほしい。」と会場のファンへコメントした。
イベントの最後に、内田は「本編最後の映像で次回作の制作予定を『2027年』と文字入れたのは私なのですが,,,,あと2年かと思いながらも、僕自身も全力で考えて仕込んでいけたらと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします」と期待のコメントを残した。
続けて、川瀬Pは「コアな安田現象監督をこの作品で知っていただいた良いタイミングだと思いますし、安田現象監督の初めての作品としていいスタートになったお手伝いができました。2作目もより監督の作品を広く世に送り出したいと思っています。」と挨拶した。
安田監督は「本作はすべてが模索の連続で、『もっとこうしたかった』と思うことが多いのですが、これが決して悪いことではなく、自分が成長したといういい事でもあるので、2作目では一つ一つの新しいチャレンジ・課題を乗り越えてよりいい作品を作れればと思います。本日はありがとうございました。」と次回作の意気込みを込めて挨拶し、イベントを締めくくった。
今月14日(金)からは新たな入場者プレゼントとして、「座談会トーク付きバレンタインカード」が配布中。
また、0号役の種﨑敦美と水溜 明役の堀江瞬、安田監督による「オーディオコメンタリー」が劇場のスクリーンを観ながら「副音声」で楽しめる企画もスタートしている。また違う目線で作品を楽しめるここだけの貴重なトーク満載の企画で、さらに『メイクアガール』の注目が集まるところだ。
劇場アニメ『メイクアガール』作品情報
あらすじ
これまで個人制作の3DショートアニメやMV、企業のプロモーションアニメなどで日本国内のみならず海外からも高い評価を得てきた安田が手掛ける本作は、全編フル3DCGによる“安田現象純度300%”の完全オリジナル作品。制作にあたって実施されたクラウドファンディングでは、目標を遥かに上回る230%超えを達成し、その圧倒的な人気と注目度の高さを証明した。
舞台となるのは、現在より少しだけ先の未来。人々の生活をサポートするロボット・ソルトを開発、製品化することに成功した天才的な頭脳を持つ科学少年・水溜明は、新たな発明がことごとく失敗し、行き詰まりを感じていた。そんなとき友人からカノジョを作れば「パワーアップ」できるという話を聞いて、文字通り人造人間のカノジョ“0号”を科学的に作り出してしまう。プログラムされた感情と、成長していく気持ちの狭間で揺れ動く0号。人と心を通わせることに不慣れな明との間に芽生えるのは“恋”なのか、それとも......?
物語を紡ぐ魅力的なキャラクターを演じるのは、『SPY×FAMILY』アーニャ役や『葬送のフリーレン』フリーレン役など、変幻自在の演技力を輝かせる種﨑敦美(0号役)と『僕の心のヤバイやつ』市川京太郎役を始め、様々な人気作品で主役の抜擢が続く堀江瞬(水溜明役)。安田現象が描く予測不能な展開が待ち受ける超新感覚サイバーラブサスペンスが今、世界へと拡散される────!!
キャスト
(C)安田現象/Xenotoon・メイクアガールプロジェクト































