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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の龍幸伸先生による漫画『ダンダダン』。超能力に目覚めた女子高生・モモとオカルトマニアの同級生男子・オカルンが、襲い来る怪奇とバトルを繰り広げる物語です。
おぞましい姿ながらどこか惹かれてしまう怪異たちやそれらとのバトルシーンが注目されがちな本作ですが、原作ファンとして見逃してほしくないのは高校生たちの青春物語の部分。特に、主人公であるモモと同級生男子・オカルンのピュアなラブは尊すぎてたまりません。
というわけで、本稿ではモモとオカルンのカップルを中心に、『ダンダダン』の“ラブ”について語らせていただきたいと思います!
※本稿には原作の内容が含まれます。ネタバレにご注意ください。
まずはオカルン×モモ(通称:オカモモ)についてご紹介していきます。モモ(本名:綾瀬桃)はいわゆる勝ち気なギャルなのですが、硬派な男が好み。理想は俳優の高倉健で、部屋にはポスターも飾ってあるほど大好きです。
オカルン(本名:高倉健)はモモと同じ学校に通う同級生。オカルト好きなオタクで内気なため今まで友達ができたことがなく、孤独な日々を過ごしてきたようです。
同級生ではあるものの、別のクラスだったことから面識がなかった2人ですが、クラスで虐められていたオカルンをモモが気まぐれに助けたことをきっかけに交流がスタート。
“幽霊は信じてるけど宇宙人は信じてない派”のモモと“宇宙人は信じてる派”のオカルンは始めこそケンカになってしまいますが、その後どちらにも遭遇したことで和解し、さらに共に怪異と戦ったことで唯一無二の友人に。加えて、憧れの俳優と同じ名前で同じ口癖「ジブン不器用なんで」を使うオカルンに、モモはときめいてしまいます。(名前を聞くとトキメキすぎるため「オカルン」というあだ名をつけたほど)
一方のオカルンは、初めてできた友達に浮かれる日々を送っていましたが、モモが友達以上の大切な存在であることに少しずつ気が付いていきます。
かくして出会った2人は、怪異と戦いながら互いを意識していくようになるのです。
モモはいわゆる「オタクに優しいギャル」なのですが、気が強くとても男勝りな性格。口調も荒くパワフルなため、普段の生活はもちろん怪異との戦闘でも大人しいオカルンを引っ張っている印象です。
しかし、ひとたびオカルンを意識し始めると、その表情は乙女そのものに。いつも毅然としている態度はもじもじと気後れした様子になり、頬を染めるところは普段のモモにはない姿で、オカルンに恋をしていることを実感させてくれます。
また、オカルンに向ける表情が時を経るごとにどんどん可愛くなっていくところも胸キュンポイント。本当にオカルンのことが好きなんだなと感じます。
初登場の際は虐められていても言い返したりやりかえしたりすることなく、本を読みながらじっと耐えていた大人しいオカルン。しかし、モモとの出会い、怪異との戦いを経るうちにどんどん成長を遂げていきます。
オカルンの強くなりたいという気持ちの原動力となっているのは、モモを守りたいという強い思いです。初めて怪異(セルポ星人)と戦ったときも、自分をいじめっ子から庇ってくれたモモを助けたい一心で、セルポ星人に立ち向かいました。
その後、妖怪と戦ったときも、宇宙人たちと戦ったときも、オカルンが格好良いのはいつもモモを想っているときばかり。それだけモモのことを大切に思っているのでしょうね。
内気で大人しい人物として見られているオカルンですが、実は元から芯の強さは持っていたのではないかと私は感じています。なぜなら第1話で初対面のモモともしっかり口喧嘩しているからです。大好きなオカルトのことを否定されたら黙っていられない強さを元々持っていたのだと思います。
モモはきっとオカルトよりももっと大切な存在。彼女のことを傷つけられるなんて、許せないのも当然です!
明るく友達の多いギャルと内気で大人しいオタクという正反対の2人の共通点は、恋に不器用すぎるところ。そのため、端から見ると絶対両想いなのに、なかなか2人の想いは通じ合いません。
モモは友達付き合いはとても上手なのですが、硬派なところがあるため恋愛経験はほとんどゼロ。初めてできた彼氏も、顔が高倉健に似ているという理由で付き合っており、今のオカルンへの気持ちのような恋心は抱いていないように見受けられます。
そのためオカルンへの恋心を自覚してもその扱い方に戸惑っている様子。オカルンとの仲を友達に持て囃されてムキになったり、オカルンが他の女の子と仲良くしているとやきもちを焼いてつっけんどんな態度を取ったりとなかなか素直に気持ちを表現できません。
かたやオカルンはそもそもモモが初めての友達であり、恋愛なんてさらにハードルの高い人間関係はもってのほか。モモのことを意識していても積極的に行動に移せるはずもなく、どんなに仲良くなっても呼び方すら「綾瀬さん」のまま。だからこそ、呪いの力で変身した時の「モモちゃん」呼びとのギャップがたまらないのですが……!
オカモモカップルは恋に不器用な2人がじっくり仲を深めていくところが高校生らしくピュアで、ずっと見守っていたくなっちゃいます。
原作漫画でもまだ付き合うに至っていないオカルンとモモ。しかし、もはや付き合っているかのようにこっそりいちゃつくシーンは何度も登場しており、そんなシーンを見るたびに「これで付き合ってないのおかしいよ!」と叫びたくなります。ここからはそんなシーンを2つピックアップ。どちらもアニメ2期で描かれると思われるシーンです!
ワゴン車の三列目に並んで座ったオカルンとモモ。意図せず手が触れあい、オカルンは顔を赤らめて手を退かしますが、モモに「気ぃ遣いすぎ!」と言われ、元の場所に手を戻します。すると今度はオカルンの手をモモがこちょこちょしたり突いたり……。
「あの…綾瀬さん…さっきから何をしているんですか…」と聞かれても「何が?何もしてないよ?」ととぼけるモモ。最終的には手を重ねてみたりと、前の席に座る星子やジジに隠れて手だけでイチャイチャする2人。ジジに話しかけられた途端、慌てて手を引っ込めてそっぽを向くところまで含めて可愛すぎます。
メイドカフェでバイトを始めたモモ。そこへモモの友達に連れられてオカルンが来店します。客であるオカルンは当然先に店を出ますが、モモのバイトが終わる夜10時まで待ち、「こんな時間に女性を一人にするわけにはいきませんから‼」といっしょに帰ることに。
優しく紳士なオカルンに頬を紅潮させるモモは、オカルンの手を握り「寒いから」と一言。バイト終わりに手を繋いで帰宅するのに、付き合ってないなんて信じられません……!
オカルンとモモのカップルが大本命なのはわかっているのですが、捨てがたいのはジジ(円城寺仁)とモモのカップリング。こちらにも触れさせてもらおうと思います。
ジジはモモの小学校時代の幼馴染です。ジジが引っ越したため中学は別々になったものの、自宅の怪異の件で星子に頼ってきたため再会を果たしました。モモにとっては初恋の相手であるものの、今は特に恋愛感情はなく普通の友達。
しかし、ジジにとってはそうではないようで、モモのことを一人の女の子として好意を持ち大切に思っており、たびたびモモにアピールしています。
ジジと言えばチャラくて軽い言動が印象的。明るいキャラでどんな相手とも仲良くなれるコミュニケーション能力の持ち主ですが、そんな彼が大切なことをモモに伝えるときの真剣な表情にグッときます。
私が好きなシーンは、原作92話の眠れないモモをジジが気遣う場面です。モモは、最強の妖怪・カシマレイコのターゲットになってしまったことで、夜10時以降になると壁をバンバン叩く音が聞こえるようになり眠れなくなってしまいます。
不眠に苦しむモモを心配したジジが、練った氣を手に集めてモモの耳を抑えてみたところ、カシマレイコの騒音が聞こえなくなったのです。このまま一晩中耳を抑えておくと言うジジに申し訳なく思うモモでしたが、ジジは「一晩中もくもくと氣を練るから修行になる」と。
モモは「ジジってスゴイね…昔からさ ふざけてるくせに… 何でもできて…」と言いながらうとうと。ジジは「ふざけないと モモとまともにしゃべれないから…」と胸の内を明かしますが、その頃にはもうモモは夢の中。想いは伝わらなかったものの、自分の手の中で眠る好きな女の子にドキドキするジジの表情がかわいくて仕方ありません。
素直に気持ちを伝えられないオカルンに対して、ジジはストレートに気持ちを伝えられるところが格好いいところ。
モモが怪異事件に巻き込まれたことを、騒動が収まってから聞いたジジはなんで自分を頼ってくれなかったのかと真剣に怒り、「次から絶対 オレも誘ってよ!」「大切なんだ モモの事が」と面と向かってモモに伝えます。
また、モモが敵に襲われた際にも「オレの大切な女性が傷つけられたんだ」「傷つけた人間は許せない」とモモの前ではっきりと宣言。ジジの真摯な姿勢と真っ直ぐな想いは、モモにも伝わっている様子です。
オカルンとモモの恋の成就を願ってはいるものの、素直で真摯なジジの恋も応援したくなってしまうんですよね。
オカルンとモモは、原作最新話でもまだカップルにはなっていませんが、オカルンは想いを伝えています。モモが返事をしていないのは、告白したタイミングが怪異との戦闘中の切迫した状況だったためです。
全てが片付いてから改めて告白すると約束したオカルンでしたが、その後もモモは怪異との戦闘の影響を受けたままのため、告白し直せておらず、お互い両想いであることを認識しながらもカップル成立には至っていません。
おぞましい姿の怪異が怖くてドキドキ、激しいバトルシーンでドキドキ、そして高校生たちの甘酸っぱい恋模様にドキドキ、といろんな種類のドキドキを味わえる『ダンダダン』。モモとオカルンの恋路が気になる原作はもちろん、7月から放送されるアニメでも2人の距離が縮まるため、胸キュン間違いなし! 『ダンダダン』はラブコメも見逃せません!
| 作品名 | ダンダダン 2期 |
|---|---|
| スケジュール | 2025年7月3日(木)~2025年9月18日(木) MBS/TBS系28局「スーパーアニメイズムTURBO」枠にて |
| あらすじ | 霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモと、同級生でオカルトマニアのオカルン。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、 「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、 「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕! |
| 話数 | 全12話 |
| キャスト | モモ<綾瀬桃>:若山詩音 オカルン<高倉健>:花江夏樹 星子:水樹奈々 アイラ<白鳥愛羅>:佐倉綾音 ジジ<円城寺仁>:石川界人 満次郎:吉野裕行 ターボババア:田中真弓 ドーバーデーモン:関智一 太郎:杉田智和 花:平野文 鬼頭ナキ:磯辺万沙子 邪視:田村睦心 チキチータ:大空直美 坂田金太:藤原大智 |
| スタッフ | 原作:龍幸伸(集英社「少年ジャンプ+」連載) 監督:山代風我 Abel Gongora シリーズ構成・脚本:瀬古浩司 音楽:牛尾憲輔 キャラクターデザイン:恩田尚之 宇宙人・妖怪デザイン:亀田祥倫 色彩設計:橋本賢 近藤牧穂 美術監督:東潤一 撮影監督:出水田和人 編集:廣瀬清志 音響監督:木村絵理子 アニメーション制作:サイエンスSARU |
| 主題歌 | OP:「革命道中」アイナ・ジ・エンド ED:「どうかしてる」WurtS |
| 電子書籍 | 『ダンダダン』電子書籍(コミック) |

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
