
たくさんの個性が集まった、“全人類”に届けたい物語――劇場アニメ『この本を盗む者は』御倉深冬役・片岡凜さん×真白役・田牧そらさんインタビュー|手を繋いで、壁ドンして……互いに助け合った声優初挑戦の収録秘話
声のお芝居でも“身体”が重要だった
ーー深冬と真白の関係性を演じる上で、特に印象に残ったシーンやエピソードをお聞かせください。
片岡:序盤の方なんですけど、深冬が真白を家に連れて行く場面が印象に残っています。「行くよ、真白」という一言だけの台詞なのですが、実際に手をつないで収録したんです。
そのシーンでは深冬のツンデレな部分、優しさと「行くよ!」みたいな雑なニュアンスを見せる必要があったので、実際に手をつなぐことで、そのニュアンスがうまく表現できたと思っています。
田牧:どのシーンも印象深いですが、深冬との掛け合いが多い中で、片岡さんに助けていただくことは多かったですね。個人的には、「素の片岡さんは深冬ちゃんに近いんじゃないかな?」と思っていて……。
片岡:ふふっ(笑)。
田牧:真っ直ぐなところや、たまに出る可愛らしい一面、そして格好いい部分が、自分の中では役柄と重なって見えたんです。
片岡:私自身はそれほど意識していなかったのですが、「似ている」とよく言ってくださるんですよ。だから「似てるんだ……!」と思いました(笑)。すごく嬉しいです。
ーー「一杯呑んでいこうと思って」という台詞で真白の声色が変化する場面も印象的でした。
田牧:個人的にも難しいシーンでした。監督からも「テイストを変えて、イケメンな感じで演じてほしい」と言われていたのですが、なかなか上手くできなかったんです。そこで監督に『ちょっと壁ドンをしてみてください』とアドバイスをもらって……。
ーー壁ドン……!
田牧:片岡さんにも協力していただいて、壁ドンしながら台詞を言ってみると、少し感覚がつかめたような気がしました。
ーーアフレコ中に身体を使って表現されたことは他にもありましたか?
田牧:(身体を使うことは)常に意識はしていましたね。画面だけを見て話していると、本当に表現できているのか不安になる瞬間もあって。画面の中のキャラクターと同じような動きをするように心がけていました。
片岡:私は体内の全てのエネルギーをマイクに当てる、ということを意識していました。ただ、役柄として脱力しながら話す場面も多かったので、そういう時は、いかに体をリラックスさせて話せるかに集中して、腰に手を当ててみたりとか。それはけっこうポイントだった気がしていて、表現する上での助けになっていたと思います。
たくさんの個性が集まった、“全人類”に届けたい物語
ーーおふたりは普段からアニメをご覧になりますか? 心に残っている作品があれば、ぜひお聞かせください。
片岡:私は『コブラ』や『あしたのジョー』が好きです。
ーー渋いですね。リッキー・マクロイに惹かれる理由が分かります。
片岡:幼い頃から家で流れていたので、よく観ていました。父の影響が強いかもしれません。
田牧:私も父の影響で『タッチ』や『スラムダンク』といったスポーツ系のアニメをよく観ていました。登場人物それぞれの葛藤が描かれているじゃないですか。子供ながらにすごく感動して、夢中になったことを覚えています。
ーー最後に、本作の見どころや注目ポイントを踏まえつつ、メッセージをお願いします。
片岡:たくさんの個性が集まっている作品だからこそ、自分と似ているキャラクターが見つかるかもしれません。そういう部分にも注目してほしいです。
田牧:私は、やはり「物語」をテーマにしているところを推したいですね。いろいろな物語の中に入って冒険する設定はワクワクするポイントだと思います。「泥棒は誰なのか」「真白の耳は何なのか」といったミステリアスな部分も多いので、謎解きするような感覚で、色々な年代の方にご覧いただきたいです。
作品のテーマである「本」や「物語」は、多くの方にとって身近なものだと思います。なので、大人だけでなく、若い世代の方々にも楽しんでいただけるはず。物語の世界に入り込むワクワク感を、観てくださる方にもたっぷりと味わっていただきたいです。
片岡:本当に全てが見どころだと思います。世界中の人……“全人類”に一度と言わず、何度でも観てほしいです!
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『この本を盗む者は』作品情報
あらすじ
書物の街・読長町に住む高校生の御倉深冬。曾祖父が創立した巨大な書庫「御倉館」を代々管理する一家の娘だが、当の本人は本が好きではなかった。ある日、御倉館の本が盗まれたことで、読長町は突然物語の世界に飲み込まれてしまう。それは本にかけられた呪い——“ブックカース”だった。呪いを解く鍵は、物語の中に——町を救うため、深冬は不思議な少女・真白とともに本泥棒を捕まえる旅に出る。泥棒の正体は一体誰なのか?そして、深冬も知らない“呪い”と“御倉家”の秘密とは……?
2人の少女が“本の世界”を旅する、謎解き冒険ファンタジーが開幕!すべての呪いが解けるとき、あなたは奪われた真実と出会う——
キャスト
(C)2025 深緑野分/KADOKAWA/「この本を盗む者は」製作委員会






































