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SAOアリシゼーション第16・17話 感想:松岡禎丞×島﨑信長 対談【連載】

【連載】『ソードアート・オンライン アリシゼーション』第16・17話 感想:松岡禎丞×島﨑信長 対談|塔外に投げ出されたキリトとアリス、一人きりになったユージオの心情は

2018年10月より放送中のTVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(SAOアリシゼーション)。第16話「金木犀の騎士」と第17話「休戦協定」が放送となりました。

※※※第16~17話のネタバレが含まれています。本編視聴後にご覧いただくことをおすすめします※※※

《整合騎士》ファナティオとの戦いに勝利し、《セントラル・カセドラル》の最上階を目指すキリトとユージオは《昇降係》の少女の案内によって80階《雲上庭園》に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、神器《金木犀の剣》を持つ《整合騎士》アリス・シンセシス・サーティだった。

キリトとアリスによる激しい戦いの中、破壊不可能であるはずの《セントラル・カセドラル》の壁が砕け、外に放り出されてしまったキリトとアリス。だがギリギリのところで生き残っていたふたりは、塔の内部に戻るまでの《休戦協定》を結ぶ。

そんな第16・17話の感想を、松岡禎丞さん(キリト役)、島﨑信長さん(ユージオ役)の2人がラジオ番組「ソードアート・オンエアー アリシゼーション」で語っていたので、そちらでのトークをお伝えしていきます。

<連載バックナンバー>
【第1話】アンダーワールド
【第2話】悪魔の樹
【第3話】果ての山脈
【第4話】旅立ち
【第5話】オーシャン・タートル
【第6話】アリシゼーション計画
【第7話】剣の学び舎
【第8話】剣士の矜持
【第9話】貴族の責務
【第10話】禁忌目録
【第11話】セントラル・カセドラル
【第12話】図書室の賢者
【第13話】支配者と調停者
【第14話】紅蓮の騎士 【第15話】烈日の騎士
【第16話】金木犀の騎士 【第17話】休戦協定
【第18話】伝説の英雄 【第18.5話】リコレクション
【第19話】右目の封印 【第20話】シンセサイズ

 

第16話:アリスと対峙するも、キリトと塔の外に吹き飛ばされて……

島﨑信長さん(以下、島崎):第16話の前に、第15話の映像、すごかったね!

松岡禎丞さん(以下、松岡):ファナティオさんの攻撃がやばすぎる! あんなものを食らったら消し炭になるよ。

島﨑:レーザー兵器だもんね(笑)。


松岡:なんらかレイみたいになっちゃうもん。

島﨑: (笑)。でも、みんなカッコよかったね。ということで第16話ですが、キリトの《武装完全支配術》でファナティオを撃破。傷ついたキリトを、過去にセルカとキリトでユージオを救った《トランスファー・ヒューマンユニット・デュラビリティ》で治癒するユージオ。で、キリトはファナティオのために短剣を使ってしまう。でもそこにキリトらしさを感じるよね。


松岡:助けたんだよね。でも助けたときに僕も「キリトだったら使うんだよな」と思ったんだよね。でも、のちのちのことを考えると、ここで1本短剣を使っちゃったら、このあとどうしようとなるよね。

島﨑:そうだね。でも、そこで使っちゃうのがキリトだよ。キリトは頭も良くて合理的なんだけど、冷徹ではないというか。情で動いたりするところがあるから。

松岡:だって、ユージオとファナティオ、それにアリスのことも全員救いたいんだと第15話で言ってたから。

島﨑:あの言葉は心強かった。ユージオも心がズタボロになっているときだったから。

松岡:憎しみは、そう簡単に抜けないからね。

島﨑:そうなんだよね。前も話したけど、客観的に見ると、デュソルバートにも事情があるし、《整合騎士》たちにも事情があるからしょうがないと思うかもしれない。

けど、ユージオからしたら目の前で大切な人を連れていかれた、しかも生きているか死んでいるかもわからなかったわけだから、極端なことを言ったら、殺されたくらいの気持ちなのに、「命令でやったんで」とか「操られてたんで」と言われても、その実行犯を許せるかと言ったら、許せないし、割り切れはしないよね。

そこでユージオはどんな答えを出すのかというところに、今後は繋がっていくわけなんだけど……。

あとは、昇降係ちゃん(少女)出てきたね。

松岡:出たね、昇降ちゃん。

島﨑:しかも107年やってるって。

松岡:「お昼に食事休憩を頂きますし」って、そういう話じゃねーんだよ!という(笑)。

島﨑:もはや自分の名前すら思い出せないというね。

松岡:これは何だろうなぁ……。107年も昇降係をやってくれと言われたら、自分ならどこかで心が折れると思うな。毎日朝から晩までずっとでしょ…。

島﨑:そうだね。でもある意味、そこに疑問すら持てないというのが悲しいことなのかも。そこは、アドミニストレータが作った秩序の歪みだよね。

松岡:逆に考えると、それだけガッチリとした世界なんだなと。

島﨑:《アンダーワールド》の中での社会制度とか、風習とか、それぞれその世界に生きているからこその考え方の違いとかが、しっかりと描かれているから『SAO』は本当にすごい作品だなと、いつも思うんだよね。

松岡:あと、あれも良かったよね。昇降ちゃんの夢。「あの空を……この昇降盤で、自由に飛んでみたい」という。

島﨑:そのへんの感性は一緒なんだよね。僕らが「鳥になって飛びたい!」みたいなものでしょ? そういうところがなんか良いよね。

松岡:だけどアドさんによって、天命の自然減少も術式で凍結されているんでしょ? そんなの自動でボタンを押したら来るとかでいいじゃんと思うけど。

島﨑:たぶん、それをあの世界でやろうとしたら、生体ユニットを組み込むとかになっちゃうんじゃない?

松岡:それはそれでイヤだな……。

島﨑:ボタンを押したら動くけど、実はその機会の中には生身の人間が入っていますよ、とかになっちゃう気がする。たぶんだけど。

松岡:だから、見栄を張って塔なんて高くするもんじゃないのよ!

島﨑:あははは(笑)。あとはついにアリスが出てきたね。しかも戦うという。


松岡:ユージオもいきなりやられちゃったからね。

島﨑:だって、これユージオからしたらどうしたらいいのかという話で、アリスが実力者なうえに、相性的にもユージオの術はアリスには効きづらいから…。

松岡:ユージオ的にはわかっていたけど、実際に目の前にアリスがいて、会話をしても、あんた誰?みたいな感じになっているわけでしょう。次は本気で切りますよって感じだったから。

島﨑:それもキツいよね。でも、もっとキツかったのは、ふたり(キリトとアリス)が塔の外に吹き飛ばされちゃったときだよね。

松岡:ぶっ飛んでいきました……(笑)。

島﨑:これキツいよ。だって、ユージオからしたら、一番大事なふたりをいっぺんに失うようなものだから、どうしたらいいの?という。あそこで1人で取り残されても大罪人ということになっているし、帰る場所もないに等しいしっていう。あそこはしんどかった。

ト書きにも半狂乱の絶叫をするユージオと書いてあったし、原作でもあそこのユージオの心情はぐちゃぐちゃになっていたから、僕自身も「うわあああ」という感じだった。

松岡:さらにつらいのは、壁が塞がっていったことだよね。

島﨑:助けにも行けないし、どうしようもないというか。あの壁をぶち破るだけの攻撃力がユージオにはないから、取り乱すよね。

松岡:壁の再生力がなければ、穴が空いたところで助けに行けないまでも、キリトとアリスの確認はできるけど、ユージオ的には生死の判断もつかないでひとり取り残されるわけだから、心細さもあるし。

島﨑:パニック状態だから、冷静に考えれば、キリトならアリスならばと思うかもしれないけど、あの瞬間は無理だし、ああなっちゃうよ。ただ、あのシーンは僕自身もどうなっているかはわからないんだけど。

松岡:まだ観られてないからね(笑)。

島﨑:どうなってるんだろうなぁ。

 

第17話:《整合騎士》が戦っている相手や事情が見えてきた回

島﨑:第16話のラストで、キリトとアリスが外に飛ばされてから第17話がスタートしました。

松岡:あれだけ外にぶっ飛んでいったふたりが、壁に剣をぶっ刺して生き、耐えていた。そこから上に登っていくふたりを見て曲芸選手かと思った。

島﨑:ふたりというか、キリトだけどね。

松岡:意外とアリスが高いところがダメだったという(笑)。


島﨑:こっちはひとりでどれだけ絶望したと思っているんだ(笑)! 第16話のラストでふたりがいなくなったのは、ユージオにとっては昔のトラウマと一緒だからね。キリトのことは半分覚えているかいないかという状態だけど、急にひとりだけ残ってしまったというのが無意識下でもあるから、ユージオからしたら頭が壊れそうになっている。

松岡:ユージオの気持ちを自分に置き換えてみたら、壁の隅っこでずっと体育座りしていると思う。

島﨑:自分の命よりも大切なくらいのふたりが、やっと取り戻したかもしれないところまでいったのに、また消えるからね。そこのユージオの気持ちは原作でもしっかり書かれているのでぜひチェックしてほしいんだけど、第17話では場面が変わって壁の外になるんです。ふたりでイチャイチャしやがって(笑)!


松岡:あの…これは言いたいんだけど、イチャイチャしてないと思う!

島﨑:まぁ、まぁそうだよね。キリトはちゃんとやり取りしているだけなんだよね。

松岡:でも、たぶん巷で言われるんでしょうよ、「攻略組」が始まったと(笑)。本来の意味と違うからね。ただ、予告を見ると“アリス、すごくかわいい顔してるじゃん! 頬赤らめてるじゃん!”と思って、これはイヤな予感がすると(笑)。でも、あえて言いたい、キリトは、アスナ一筋だから!

島﨑:キリトに下心はないんだよね。全力で説得したり、伝えたり、向き合ってやり取りしているだけだから。

松岡:そこはみなさん重々承知しながら見てください。

島﨑:ただ、ユージオからしたら「ちょっと! ちょっとそこは!」だけどね(笑)。

松岡:そんなこと言うなら、ちょっと悪い言い方をすると、キリトは上に登るためにアリスを利用しているだけだから(笑)!

島﨑:コラー(笑)! 違う!違う! 結果的にそうなっただけだから。でも、またちょっと違うからね。アリス・シンセシス・サーティとアリス・ツーベルクは。


松岡:そうなんです。

島﨑:人によっては、ユージオがアリスを取られたと思う人がもしかしたらいるかもしれないけど、そうではないんです。それは話が進んでいけばわかるし、テーマとして、そこは違うよということが描かれているから、それもより詳しいことは原作を読めばわかると思います。今はふざけて言いましたけど、ユージオ的には何も(思うところは)ないです。

松岡:あと、面白いやつも出てきたね。まさかキリトの口から「ミニオン」という言葉が出るとは思わなかった。

島﨑:まぁ複数形ではないから……(笑)。

松岡:そうだね。

島﨑:でも、そういった謎が見えた回でもあるよね。《整合騎士》が何と戦っているんだろうとか、《整合騎士》の事情も見えてくる回だった。

松岡:もともと《整合騎士》が、《ダークテリトリー》からの侵入者に対して何をしているのか。ミニオンが何でここに配置されていたのか。何で《ダークテリトリー》のやつがここにいるんだとか、《整合騎士》からしたら違和感しか感じない。そのなかでキリトがアリスに対して、キミはこういう人間なんだよという話をしたりするんだけど。

島﨑:そこは、アリスはアリスなんだなって思うよね。《整合騎士》としての高潔な精神とか、そう育てられたから硬いところもあるけど、アリス本来のかわいいところとか、魅力的なところとかの個性は残っているんだなと、ふたりのやり取りを見ていて思った。そして、ユージオはどうなっていくのかというところで、ベルクーリ・シンセシス・ワンが出てくるんだけど。

松岡:初代でしょ!

島﨑:ツーのファナティオでさえ、あんなに強かったんだよ。それがワンだよ! アリスもあんなに強いのに。

松岡:これはユージオ、たぶん勝てないね……。

島﨑:しかもタイマンだしね。どうするんだろう…というレベルだから、絶対に無理でしょ!

松岡:オープニングのサビのところでも出てくるけど、あそこのベルクーリのシーンがすごく好きで、一度剣を払ったあとに、後ろを見ないで剣を受けるでしょ。何だこいつ!と。


島﨑:場数が違うからね。だって、自分の村のおとぎ話に出てくる英雄だから、どうしろっていうんだと。

松岡:だから、この話を聞いたあとに第1話を見ると、また感慨深いものがあるよね。

島﨑:確かにそうだね。

松岡:おとぎ話の話ガッツリしてるから。

島﨑:第17~18話を見ていただいて、ベルクーリを知ってから第1話を観ると、またちょっと思うところがあるんじゃないかなぁ。

松岡:ユージオもとある言葉をベルクーリに話すので。

島﨑:そんな第18話もお楽しみに!

[文・塚越淳一]
 

作品情報

【イントロダクション】
「ここは……どこだ……?」

気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。

「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」

少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。

更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。名前は、アリス。絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

【放送情報】
TOKYO MX:10月6日より 毎週土曜 24:00~
とちぎテレビ:10月6日より 毎週土曜 24:00~
群馬テレビ:10月6日より 毎週土曜 24:00~
BS11:10月6日より 毎週土曜 24:00~
MBS:10月6日より 毎週土曜 27:08~
テレビ愛知:10月8日より 毎週月曜 26:05~

[配信情報]
AbemaTV:10月6日より 毎週土曜 24:00~(地上波同時配信)
*放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

【STAFF】
原作:川原礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:小野学
キャラクターデザイン:足立慎吾 鈴木豪 西口智也
助監督:佐久間貴史
総作画監督:鈴木豪 西口智也
プロップデザイン:早川麻美 伊藤公規
モンスターデザイン:河野敏弥
アクション作画監督:菅野芳弘 竹内哲也
美術監督:小川友佳子 渡辺佳人
美術設定:森岡賢一 谷内優穂
色彩設計:中野尚美
撮影監督:脇顯太朗 林賢太
モーショングラフィックス:大城丈宗
CG監督:雲藤隆太
編集:近藤勇二
音響監督:岩浪美和
効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
音楽:梶浦由記
プロデュース:EGG FIRM ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
製作:SAO-A Project

【CAST】
キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞
アスナ(結城明日奈):戸松遥
アリス:茅野愛衣
ユージオ:島﨑信長

【主題歌】
オープニングテーマ:ASCA「RESISTER」
エンディングテーマ:ReoNa「forget-me-not」

公式HP
公式ツイッターアカウント(@sao_anime)

(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
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