『ウィッチウォッチ』若月ニコ役・川口莉奈さんインタビュー｜「ニコは裏表がなく、純粋な気持ちで行動する子。だからこそ、あまり考えすぎずに、等身大の気持ちで演じています」

「もっと面白く！」

ーーオフィシャルサイトに掲載されていたインタビューで「先輩方から学ぶことが多い」といったお話をされていました。もしよかったらそのエピソードについても教えてください。

川口：先輩方からは、いろいろなアドバイスをいただきました。最初の頃の自分を振り返ると、本当に緊張していて。でも、その緊張感が逆に「素直な演技」として良い方向に出ていたみたいなんです。

ただ、話数を重ねると、どうしてもキャラクターの演じ方が固まってきてしまいます。ある意味で、テンプレート的になってしまうんです。例えば、「ここでこうツッコまれたら、こうボケようかな……」とか、ちょっと考える余裕もできるんです。でも、そうすると「最初の頃のような“突発的な面白さ”が失われてしまう」といったアドバイスをいただき、それは自分でも納得しました。緊張した状態で、一生懸命出したものって、すごくリアルで、新鮮な感じがあると言いますか。コメディ作品では、考えて面白くするタイプと、その場の流れで自然に生まれる面白さがあるタイプに分かれると思うのですが、私は後者のほうが向いているのかもしれないなって。毎回の収録で余裕を持ちすぎず、適度な緊張感を持って臨むことを意識するようになりました。

ーー音響監督やスタッフからのディレクションで印象的だった言葉はありますか？

川口：「もっと面白く！」というディレクションは、よく言われます（笑）。あとは、「とにかく声を大きく！」とも。大きくすれば、それだけで面白くなることもあるので、とりあえず大きくしてみるというのは、すごく学びになりました。

音響監督の郷（文裕貴）さんも、私が最初すごく緊張しているのを察してくださって、イジってくれたり、和ませようとしてくださったんです。そういったやり取りを重ねるうちに、コミュニケーションも取れるようになり、「このシーンのニコはこういうニュアンスを入れてもいいですか？」と、台本にはないアドリブについて相談できるようになりました。

ーーアドリブの多い現場のようですね。

川口：本当にアドリブが多い現場です！　まさに、先輩たちのアドリブにめちゃくちゃ学ばせてもらいました。特に、鈴木さんのアドリブの量がすごくて。ご本人も驚くくらいでした。

たとえば、モリヒトと空を飛んで女性を助けるシーンがあるのですが、その後にニコがメッチャライトという魔法をかけて、モイちゃん（モリヒト）自身がすごく軽くなってしまうんです。その影響で、彼が（精神的にも）ずっとチャラくなってしまうので、そのテンションでペラペラ喋り続ける状態になって。ニコちゃんと助けられた女性がホウキで着陸するまで、裏でずっと喋っているのですが、半分以上が鈴木さんのアドリブでした。

台本にはセリフがほぼなく、「ここ、アドリブでお願いします」とだけ指示されていたのですが、鈴木さんは瞬時に対応していて。その姿を見て「すごい！」と感動しましたし、そういう対応力にも学ばせていただきました。

あと、今後登場するマガミケイゴを演じられている石川界人さんのアドリブもすっごく面白くて。裏でこっそり面白いセリフを盛り込まれていたり、独特のアドリブを仕込んだりしていて……。裏で喋っているので、音量的には小さいかもしれないのですが、ものすごく高いクオリティです。

ーーそこはぜひ注目して、音量を大きくして聞きたいところですね（笑）。

川口：ぜひ！　本当に面白いので！　映像として完成したときにどうなっているのか、私自身もすごく楽しみです。

ーー川口さんのアドリブも楽しみです。

川口：当初、私自身はアドリブを入れるのが怖くて「もし不要だったらどうしよう」とか、「これ、怒られたりしないかな……」などと思っていたんです。実際には「いらないときはいらないと言われるだけで、怒られることはない」ということが分かってきたのですが。こういうコメディ作品だからこそ、自由に楽しんで演じることが大切だと学びましたね。

ーー最後に、アニメならではの見どころや、これからの展開について楽しみにしてほしいところを教えて下さい。

川口：1話を見てくださった皆さんはお気づきかもしれませんが……アニメって、ただ原作がカラーになって動くだけではなく、SE（効果音）やBGM、オープニング、エンディングなどが入ることで、また違った魅力が生まれるんです。

特にSEが入ることで、テンポ感がとても良くて、一瞬たりとも飽きさせない構成になっているように感じました。原作の面白さをそのままに、アニメならではの濃密な30分間になっています。見ている間はある意味、休めないというか（笑）。ずっと笑ってしまうし、目が離せない。瞬きしている間に進んでしまうくらいのテンポの良さです。

個人的に『ウィッチウォッチ』の表紙イラストが大好きなんですけど、その彩色の綺麗さ、キラキラした雰囲気がアニメでもそのまま表現されていて、「すごい！」の一言でした。私はアニメ制作に詳しくないので、「すごいなあ」しか言えず、語彙力のなさを感じているのですが……（苦笑）。

ーーいやいや、お気持ちが伝わってきます！

川口：これからの展開では、コメディだけでなく、ラブ要素やバトルシーンもあります。しかもそれが一部分だけじゃなくて、1話のなかでずっと続いているのが、本当にすごいなって。原作を読むときとアニメを見るときで、ストーリーの速度感がどう変わっていくのか、私自身も楽しみです。

[インタビュー／逆井マリ　撮影／MoA]

『ウィッチウォッチ』作品情報

4月6日（日）よりMBS／TBS系全国28局ネットにて放送開始！

あらすじ

その魔法、想像の斜め上！！

魔女となるべく修行中のニコは、幼馴染で鬼の力を持つ高校生・乙木守仁と同居することに。幼馴染との再会にときめくニコの一方、守仁には予言された災いからニコを守る使い魔としての使命が。

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