アニメ
『ダイヤのA actⅡ Second Season』梶 裕貴インタビュー

「彼らだけの空間、真剣勝負が詰まっていたと思います」──アニメ『ダイヤのA actⅡ Second Season』第2クール 成宮 鳴 役・梶 裕貴さんインタビュー

 

成宮 鳴という男の格好良さ

──お芝居のほかにも色々と活動されている梶さんですが、考え方などをはじめ成宮に共感できる部分はありますか?

梶:共感もしますし、でも、それ以上にかっこいい人だなと思いますね。

(鳴は)そもそも才能とか努力という意味で言うと、天才。すでにパラメータ的に突出しているものが絶対的にある選手ですけれど、その上で、自分のミスに対して責任をしっかり感じて、そして、しっかり反省することができる人。

まあ、それもプライド故かもしれないですけれど、あんなに子どもっぽいところがあるのに、意外と仲間の前だとそんな姿は見せず。…と思ったら1週間出てこないとか(笑)。でも、それだけの想いを持って1球1球投げているわけですよね。

焦燥感とか恐怖心とかと向き合って、乗り越えて、マウンドに立って。その間は「自分がキングだ」と、強い意思を貫き通すメンタリティ含めて、心の底から憧れます。

僕ら声優の場合は、一度マイク前に立ったら1人でなんとかするしかない。作品はみんなで作り上げるものですけれど、当然、自分の役は自分で生み出すしかない。

野球もチームスポーツなので、当然、みんなのサポートはあるけれど、彼の場合はピッチャーで、一度マウンドに立ったら1人でなんとかするしかない。キャッチャーの存在は大きいですけどね。でも、自分の1球で全てが変わってしまう可能性があるなかで、それでも強気で投げなきゃいけない。投げなきゃ始まらない。

ビビってしまったら、バッターはそれを見逃さないですから。その見極め合いだと思いますし、それをアウト3つ×9回分、プラスアルファ。相当なプレッシャーと覚悟だなと。

──野球において、ピッチャーは唯一自分から動かないといけない。そういう点では、お話されていた通りお芝居にも通ずる部分が。

梶:そうですね。僕も、自分が何かにアクションすることへの覚悟とか責任というのをすごく考えますね。当然、誰かに迷惑かけちゃいけないし。でも、やるべきだと思うからやっていることばかりで。

だからこそ「それは本当にやるべきことなのか?」「自分はそれを最後まで貫いてやれるのか?」という部分をしっかり持って臨まないといけない。それでも…だからこそ、やっぱり怖いというか、プレッシャーを感じる場面は多々あります。なので、きっとそういった部分で鳴と共感できるなと感じているんでしょう。

──2クール目で描かれる青道との決勝戦前、成宮が樹に見せた先輩としての顔が印象的でした。

梶:鳴をバッテリーとしてコントロールできる存在は、雅さん以外考えられなかった。でも当然、引退は決まっているわけで。そこに彗星のごとくといいますか、全く違うタイプの樹が現れて。やり方も全然違う中で、最初は物足りなさというか不安といったものが鳴の中にもあったのかなと感じます。それだけ雅さんが絶対的だったから。

だけど、やっぱり樹の「成宮 鳴」という存在に対する強い想い。勝たせたい、力を引き出したい。だから、とにかく真っ直ぐに向かってくるんです。すごく優しい子で、本来そういうタイプだと鳴の前では萎縮しちゃうことが多そうですけれど、それでも、それを凌駕するリスペクトとピュアさというか。

青道側でも全ての日々が描かれているわけではない中で、他校である稲実は、基本的には自分たちの試合、あるいは他の試合での1コマだけ。でも描かれていないだけで、実際には血のにじむような努力の日々が続いているわけです。

その中での樹に対する信頼感。「こいつ本気なんだな」「自分が輝くように最大限、努力・工夫してくれているんだな」というのが伝わって。もちろん、それがシンプルに嬉しいというのもあるでしょうし、だからこそ、そんな奴と勝ちたい、勝たせてあげたいっていう気持ちも、きっと鳴の中にあったのではないかと。

元々「チームで勝つ」ということを考えている人だとは思いますけれど、それでもやっぱりキング的な、“俺が”っていう部分はあって。その中で、樹の存在のおかげで自然と先輩としてと言いますか、導く側の振る舞いというのが染み付いていった1年間だったのかなと思いますね。

去年だって優勝しているわけではないですから。そこで悔し涙も飲んでいて。頼れる先輩は卒業し、今度は自分たちが引っ張る、最後の1年。そこの変化というのが、やっぱり高校野球ならではだなと。

──割と成宮は自分の思いを後輩に伝えようとしますよね。

梶:意外とそうなんですよ。別に面倒見がいいってわけではないと思うんですけど、思ったことはしっかり言うというか。みんなで勝つために当然必要なことだから、という前提はあると思いますけど。

キングなんだけれど、別に絡みにくいわけでもないっていう不思議な存在(笑)。行き過ぎると孤立しちゃうでしょうからね。可愛げも上手に出せる人で良かったなと。みんなが「こいつおもしれえな。こいつすげえな。こいつと一緒に勝ちてえな」と思えるカリスマ性が、成宮 鳴にはあるのでしょう。

──準決勝後、稲実メンバーたちが青道戦を見ているシーンにも出ていますよね。マウンドに立てば誰よりも頼れるエースだと思われてはいるけれど、言動は子どもっぽくて。

梶:そうですね。あとは監督とのやり取り。これまで、ああいった砕けた雰囲気はあまり描かれてきませんでした。国友(広重)監督は威厳たっぷりで、私情を挟まない人。だからこそ、ここにも信頼関係や愛情が多分にあったんだなと感じられて、すごく微笑ましかったです。

 

各々が過ごした1年を示す試合

──第2クールの見どころとファンの方へメッセージをお願いします。

梶:待ちに待ったファイナルシーズン。それが実際に訪れてしまうと、どこか少し寂しい気持ちもありますが…今回演じるにあたって、また原作を読み返して、改めて熱く素晴らしい作品だなと感じました。

彼らの時間軸の中で、2年間の戦い。そして昨年と同じ学校同士がぶつかるという、まさに因縁の対決。前回の光景がフラッシュバックする瞬間も多々あり、そんな局面を、それぞれがどう向き合って乗り越えてきた1年かを示す試合でもあるので、間違いなく前シリーズのクライマックス以上の興奮があると思います。

今回お話したように、鳴は自分の中でも、すごく印象深くて大好きなキャラクターですし、10数年付き合ってきている中で、多くの方から「成宮 鳴が好きです」と言っていただけるぐらいの存在感があるキャラクターなので。

圧倒的なキングとしての振る舞い。そんな存在感をマイク前で演出するというハードル、プレッシャーを与えてくれた唯一無二の役。成宮 鳴と一緒に『ダイヤのA』と向き合ってこられたから、今の自分があると思っています。

久しぶりに演じる上でブランクを感じなかったというのは、きっとその土台がしっかり出来ていたからなのかなと思うと、まだまだ若手だった当時、そんな試練を与えてくれた本作品に、感謝の気持ちしかありません。まさに自分の声優人生において欠かせないキャラクターと言えます。

なかなか稀有だと思いますしね。ライバルでありながら本当に強いし、なぜか嫌味にならない。そして、シリアスもコミカルもやらせてもらえるっていうキャラクターなんて。本当に出会えて良かったです。今回も、かなり早い段階からアフレコを楽しみにしていましたが、実際にやってみて想像以上に楽しかったですね。

まずは何より、この物語のクライマックスまできっちりと彼を演じ抜いて、皆さんの心に残り続ける成宮 鳴として、形にしたいなと思います。

勝敗がどうなるか、というのは原作をお読みの方はもうご存知かもしれませんが、是非、アニメとして毎週ハラハラドキドキしながら、試合展開を見守っていただければなと思います。最終回まで、欠かさずによろしくお願いいたします!

[取材・文/太田友基]

 

作品情報

ダイヤのA actⅡ Second Season

キャスト

沢村栄純:逢坂良太
降谷暁:島﨑信長
御幸一也:櫻井孝宏
倉持洋一:浅沼晋太郎
小湊春市:花江夏樹
川上憲史:下野紘
前園健太:田尻浩章
白州健二郎:下妻由幸
麻生尊:村田太志
渡辺久志:石田彰
金丸信二:松岡禎丞
東条秀明:蒼井翔太
奥村光舟:内田雄馬
結城将司:武内駿輔
瀬戸拓馬:山下大輝
由井薫:村瀬歩
浅田浩文:畠中祐
結城哲也:細谷佳正
小湊亮介:岡本信彦
滝川・クリス・優:浪川大輔
増子透:羽多野渉
片岡鉄心:東地宏樹
落合博光:赤城進
太田一義:竹内栄治
高島礼:内山夕実
成宮鳴:梶裕貴
神谷カルロス俊樹:KENN
白河勝之:保志総一朗
山岡陸:熊谷健太郎
矢部浩二:宮崎貴宜
多田野樹:山谷祥生
赤松晋二:代永翼
国友広重:仲野裕
轟雷市:小野賢章
真田俊平:神谷浩史
三島優太:鈴木達央
秋葉一真:金本涼輔
轟雷蔵:西凜太朗
天久光聖:木村良平
田原利彦:加藤亮夫
千丸浩二:宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
卜部昂也:仲村宗悟
柳楽宗一:田丸篤志
奈良晃司:濱健人
早乙女慎一郎:佐久間大介

(C) 寺嶋裕二・講談社/「ダイヤのA actⅡ」製作委員会・テレビ東京

 

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