アニメ

2023-06-25 12:00

「何で呼ばれたんだ？」ペックの演技に大苦戦？　キャストの苦労が多分に反映された役作りとは？『THE MARGINAL SERVICE』宮野真守さん、森川智之さんらメインキャスト座談会・前編【連載12回】

ボルツとロビンの名コンビにも意外な事実!?　セオドア役はチューニングが大変

――杉田さんと中村さんは役柄がコンビっぽいので、収録はほぼ一緒だったのでは？

中村：そうですね。

杉田：似たもの同士でよく会話していそうな二人なのに、実は会話になっていないことが回を重ねるごとにわかってきて。ボルツという筋肉botをどう扱うか戸惑っていたと思うけど、ロビンはあきらめずに話を投げてくれて。

宮野：でも筋肉で返ってくるんだよね。

中村：プロテインの話だけ。気を失って倒れている相手に「なんだ？　勝負すんのか？」とすごんだり、おかしいですよね？

杉田：ロビンはこんなにいいヤツなのに、ボルツからロビンに提案することは一切ない。周りがボルツを持て余しているのが伝わってくるので、澁宿の人間まで彼をあきらめたら終わりだなと思います（笑）。

――あと、連載第2回の宮野さんと森川さんの対談で、三木さんがセオドア役を演じるにあたってどう枯れ方を出せばいいかと悩んでいた話題もありました。

三木：セオドアってどんな感じなのかなとテストでやってみたら「もうちょっと老けてください」と言われた直後に、「じゃあ本番いきます」と。だから老けた声を試す時間もなかったので、自分なりにチューニングして臨んだら本番でOKが出て。でも自分がつかみ切る前だったから2回目以降合わせるのが大変でした。

宮野：「どれだったっけ？」ってなりますよね。僕と森川さんは三木さんと一緒になることが多かったから、チューニングの様子も見ていたので。

三木：2話以降は、収録直前に第1話の音声を聞かせていただき、チューニングしてから臨んでました。慣れるまで。

森川：そうだったんだ。でも難しいよね。セオドアはただ年をとっているわけではないから。

宮野：最初に現場入りした時、「ただ白髪なのか、年をとっているのか、どっちなんだろうね？」という話もしていましたね。あと肉体派なのかなとか。

下野：絵を見たらすごいムキムキで。

宮野：でも枯れたまま声を張っているシーンもあって。

三木：あれはおじいさんでも整理できるくらいの事件しか起こっていないと、通行人に思わせないといけないから。

森川：普通だったら引退している年だよね。

宮野：キャストの頑張りがかなり反映された役作りになっていると思います。

ペックの役作りで悩んだ内山さん

三木：ペックはどうなの？　

宮野：ペックもチューニングしてたよね？

内山：ペックは指名で呼んでいただいたので、普通に自分らしい声でやればいいのかなと思ったら、「もっと高くしゃべって」と演出されて。できる範囲で高い音を出してみたら、「今度は裏声でしゃべってみてください」と。

それで裏声でやってみたら全然きれいに音が出なくて。これだとあんまりうまくいかないなと思っているうちに、何度かテイクを重ねたら最初の収録は終わってしまって。

（全員爆笑）

内山：ペックはかわいい表情のときとイカつい表情のときとで結構印象が変わるんですけど、そこではっきりキャラクターの雰囲気を分けるというわけでもなかったので。それからは自分なりにアレンジしていって、ひしゃげた声も追加して徐々になじんでいった感じです。

下野：第1話で一緒だったけど、内山くんは自分のなかに落とし込めた感覚がないまま帰っていったもんね。

内山：全然ミッションをコンプリートした手応えがなかったです。あと「何で俺が呼ばれたんだろう」と。

宮野：「裏声で」なんて、なかなか言われないよね。

内山：実績ゼロのところからここまで来ました。

森川：これからこういう役が増えるから。

内山：えっ!?

宮野：第11話で一緒になった時、絶対増えるなと思った。既に裏声ではなかったし。

内山：何声といっていいのかわからないけど、のどにはよくなさそうな気がします（笑）。

宮野：キャストの苦労が多分に反映された役作りです（笑）。

最終回は今までの風呂敷がハンカチに思える、より大きな風呂敷が！　結末をお見逃しなく！

――いよいよ次回が最終回となります。見どころのご紹介をお願いします。

森川：『THE MARGINAL SERVICE』が始まった時、僕らも「どんな話なんだろう？」という感じでした。世界は広いのに舞台もなぜか澁宿エリア限定で。人類と≪境界人≫の戦いを描いていくのかなと思ったら、第11話から雲行きが怪しくなって、もっと大きな目的が明らかになって。ここまでいろいろなキャラ、いろいろなエピソードが描かれてきましたが、この広げた風呂敷をどう畳むのかなと思ったら、今までに風呂敷がハンカチくらいに思えるほど更に大きな大風呂敷が出てきました。

宮野：終盤にきて畳むのではなく、更に広げるという（笑）。

森川：とにかくビックリしました。おちおち安心して眠れない世の中だなと。

三木：でも最終回では畳めていた気がします。緩く（笑）。

宮野：少なくとも三つの角は畳んでいました（笑）。

中村：あと1個は？

三木：休憩時間にも「僕らが戦っていたものは大きかったね」と話していました。

下野：まずどんな結末を迎えるのか、ぜひ見届けてください。

宮野：現場からは以上です（笑）。

[後編へ続く]

『THE MARGINAL SERVICE』連載バックナンバー

第1回：監督・迫井政行＆シリーズ構成・猪原健太

第12回：≪マージナルサービス≫座談会前編

第13回：≪マージナルサービス≫座談会後編

『THE MARGINAL SERVICE』作品情報

2023年4月11日より毎週火曜25:29から日本テレビ他にて放送開始！

放送情報

日本テレビ：2023年4月11日より毎週火曜25:29～
サンテレビ：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
KBS京都：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
テレビ愛知：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
BS日テレ：2023年4月12日より毎週水曜24:30～
TVQ九州放送：2023年4月15日より毎週土曜 6:30～
AT-X：2023年6月9日より毎週金曜20:00～
リピート放送毎週火曜 8:00～／毎週木曜 14:00～

※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。

スタッフ

原案：ジャパン境界人対策室
監督：迫井政行
シリーズ構成：猪原健太
キャラクターデザイン・総作画監督：小堺能夫
美術デザイン・メカニカルデザイン：石口十
境界人デザイン：橋本浩一とだま。
デザインワークス：あきづきりょう
グラフィックアート：荒木宏文
美術監督：E-カエサル渡辺幸浩
色彩設定：小島真喜子（studio.road）
撮影監督：花井延昌（アニメフィルム）
編集：定松剛
音楽：瀬尾祐介（a.k.a Starving Trancer/Xceon）
音楽制作：ジラフキックスタジオ
音響監督：髙桑一
音響効果：稲田祐介
音響制作：dugout
アニメーション制作：Studio3Hz