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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
『名探偵コナン』のなかで非常に優秀なことでも知られる長野県警。大和敢助、諸伏高明、上原由衣の3人の関係性と深い絆、そして鋭い洞察力や高い推理力で事件の真相へと切り込む有能ぶりも魅力。2025年4月18日より公開中の劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』でも長野県警が大注目を集めています。
本稿ではそんな長野県警の「諸伏高明」の情報をまとめてご紹介。プロフィールや登場回、敢助との関係、諸伏兄弟の過去などを一挙に解説します。
※本稿には、『名探偵コナン』のネタバレが含まれます。
【長野県警捜査一課警部】
年齢:35歳
CV:速水 奨さん(少年期:岡本信彦さん)
頭脳明晰で東都大学法学部をトップで卒業するもキャリア試験を受けず、ノンキャリアで県警本部入りした変わり者。故事成語などを引用した比喩表現を好み、あだ名は名前を音読みした「コウメイ」。通称は「所轄のコウメイ刑事」です。いったん推理に入ると周りが見えなくなるほど没頭し、こうと決めたら危ない橋を渡ることも。
同じ長野県警の大和敢助とは小学校からの同級生。警視庁公安部の潜入捜査官・諸伏景光(もろふしひろみつ)は実の弟。江戸川コナンの洞察力や推理力を見抜いており「白眉の少年」と称しています。
これまで登場回が比較的少ないながらもファンの心を鷲掴みにしてきた長野県警。高明だけでなく大和敢助や上原由衣もまた優秀な刑事です。
勘助と高明は小学校からの同級生。何かにつけて競い合う間柄で高明相手だとつい熱くなってしまう敢助はほとんど彼に勝てたことがないのだとか。冷静に見える高明もまた心に熱いものを宿しているようで、敢助相手だとムキになったり煽りがち。
基本的に落ち着いており何事も粛々と進める高明ですが、子供っぽい一面もあり、意外にもいろんな表情を見せてくれるのも魅力。
好敵手とも言える二人は、言葉は交わさずともお互いの意図を汲み取ったり、言い争いながらも事件解決に向けて阿吽の呼吸で組んだりと、そのバディ関係も見どころです。
山本勘助に似た名前の大和敢助と、諸葛亮孔明を想起させる諸伏高明。共に軍師のような名前であり、卓越した推理力で事件の真相へと切り込んでいく二人。「高明(コウメイ)」「敢助君」と呼び合う仲であり、高明は敢助の幼馴染である由衣とも昔から知る間柄です。
それぞれ大切な人をなくした痛みを抱えている敢助、高明、由衣。大切に思いやる関係性ゆえ、それぞれ無茶をしてしまう傾向があり心配な一面もあります。
敢助は仮出所中に姿を消した男を追って入った山で雪崩に巻き込まれ、そのせいで左目と左足を負傷し、意識不明のままずっと収容されていました。
その追っていた男は、かつて長野県警の甲斐巡査が窃盗で捕まえた被疑者。敢助は六年前に起きた甲斐の謎の転落死と関係があると睨んでいたのですが、結局その男は甲斐の事件と無関係だったといいます。
敢助が雪崩に遭って重傷を負い、行方不明になっていた頃。敢助と何日も連絡が取れなくなり、高明は上司の命令を無視して単独で他県まで足を運び、かなり強引な捜査で敢助が追っていた被疑者を確保。敢助が雪崩に遭ったことを聞き出して病院で彼をみつけました。
おかげで高明はその責任を負って県警本部から所轄に異動させられており、初登場時は長野県警新野署の警部でした。その後、“自力で”県警本部に復帰を果たしています。
黒ずくめの組織に潜入捜査していた警視庁公安部の潜入捜査官・諸伏景光は、高明の実の弟です。景光は組織で「スコッチ」のコードネームを得るまでに至るも正体が露見してしまい、家族や仲間の情報が入ったスマートフォンごと自身の胸を拳銃で撃ち抜いて殉職。
公安に配属されたこと、殉職のことも家族に伝えられない規則ですが、その遺品であるスマートフォンは景光の幼なじみで親友、警察学校の同期・降谷零(ふるやれい)から密かに高明のもとへ渡りました。
高明は弾痕の穴が残るスマートフォン(穴の内側には黒ずんだ血痕があり、裏面には傷にみせかけた「H」の文字が刻まれている)を見て、それが景光のものであると察します。
高明の話によると、景光が警察を辞めて別の仕事に就いたと聞いてから音沙汰がなかったのだそう。おそらく警察を辞めたのではなく公安に配属されて、どこかに潜入中に命を落としたのだと考え、高明は弟の死を悟ります。
高明はそのスマートフォンが入った封筒を警視庁で受け取ったのですが、この封筒は降谷の警察学校時代の同期であり亡くなった伊達航のロッカーから見つかった小包に入っていたもので、「長野県警の警部に送ってくれ」という内容のメモ書きが。字は滲んでいましたが高明宛てであると推測できます。ところがその差出人の名前は見当たらず、あったのは「0」の一文字のみでした。
高明と景光の兄弟は子供の頃に両親を殺害されており、その時の状況が「警察学校編 Wild Police Story CASE.諸伏景光」(原作:警察学校編下巻)で明かされています。
事件当時、家に居たのは両親と幼い景光の3人。翌日、高明が中学の林間学校から帰ってくると両親が殺害されていて、隠れていた景光に何があったのか尋ねています。この事件は未解決のまま、高明は長野、景光は東京の親戚に引き取られて兄弟は離れ離れに暮らしていました。
事件のショックで幼い景光は軽い記憶喪失に。一時期失声症にもなってしまいましたが、降谷零との出会いをきっかけに喋れるようになったのだそうです。
両親を殺害した犯人を探すなかで少しずつ当時の記憶が蘇ってきた景光は、思い出した内容を兄の高明に電話で報告。兄の助言や警察学校の仲間らの助けもあり、やがて犯人へと辿り着きます。
高明は大学時代に降谷零と会ったことがあると、「36マスの完全犯罪(パーフェクトゲーム)」のなかで明らかになっています。
小五郎のもとへ依頼の手紙が届き、長野の山奥にある廃教会を訪れた小五郎、コナン、安室透(=降谷)、「米花いろは寿司」の板前・脇田兼則の4人は、長野県警の3人と連絡を取り合いながら事件の謎を解いていくことに。
この時、高明は小五郎から送られてきた動画に映り込んでいる安室の姿に気づき、大学時代に弟・景光が親友として紹介してくれた「降谷零」のことを思い出します。
「零(れい)=ゼロ」という名前から弟の遺品を届けた人物「0」のことが頭をよぎった高明は、事件解決後に安室と一瞬だけ顔を合わせますが、初対面のような素振りを見せました。
諸伏高明の初登場回は、第558話「死亡の館、赤い壁(三顧の礼)」(2009年放送)。この当時は長野県警新野署の所属でした。こちらは第557話「危険な二人連れ」から続くエピソードです。
この事件には敢助と高明の同級生だった小説家・小橋葵が亡くなったことが絡んでいるのですが、彼女の書いた小説『2年A組の孔明君!』に登場する名探偵のモデルが高明であり、高明がその本を大切に所持していることが明らかに。
大切な人の死が関係している事件でもあり、高明は容疑者の一人に名を連ねていますが、調べを進めていくなかで敢助と高明とコナンは同じ答えに辿り着き、犯人を欺くために皆で一芝居打ちます。高明が県警本部に戻れるように手柄を与えようとする敢助に対して「余計なこと」と言ってのける高明の表情や、酔っ払い役をこなす彼の名演技も必見。
所轄から県警本部へ戻ってきた高明は、“自力で”というのを強調して県警本部に復帰したことを敢助に告げています。一時期は敢助が行方知れずになり、由衣は刑事を辞めており、高明は所轄に異動となっていましたが、高明が戻ったことでようやく県警本部に三人が揃いました。
この赤女の事件には警察学校時代の敢助と高明も関わっていました。己の属する組織の過ちをも潔く認めて対応する姿勢も見どころです。
当時、長野県警の捜査一課長だった黒田兵衛が初登場。本事件では容疑者として敢助の名が浮上し、不穏な空気を漂わせながらも、黒田、敢助、高明、そしてコナンらの冴えわたる頭脳で犯人を欺き事件解決へ。
自分宛ての「封筒」を受け取るために東京を訪れていた高明が、怪盗キッドとの対決に参戦するエピソード。
弟・景光が警察を辞めて別の仕事に就いたと聞いてから音沙汰がないと、敢助との電話で話す高明。その後、弾痕が残るスマートフォンが入った封筒を警視庁で受け取り、弟の死を悟ります。
長野の山奥にある廃教会で事件が発生し、小五郎から送られてきた動画に映り込んでいる安室の姿に気づいた高明は、大学時代に弟・景光が親友として紹介してくれた「降谷零」のことを思い出していました。さらに「零(れい)=ゼロ」という名前から弟の遺品を届けた人物「0」に思い至ります。
長野と群馬の県境で殺人事件が発生し、長野県警の敢助、高明、由衣と群馬県警の山村ミサオが合同捜査することになります。
推理中の高明を見た山村は、幼い頃に県境にある秘密基地で一緒に遊んでいた幼馴染の“ヒロちゃん”こと景光を思い出し、山村と景光が幼馴染だったことが明らかに。さらに大人になった景光が秘密基地にメッセージを残していたことも判明します。高明の言葉も心震えるものがあり、涙なしには観れないエピソードです。
降谷零、松田陣平、伊達航、萩原研二、諸伏景光の警察学校時代を描く「警察学校編 Wild Police Story」の第4弾。諸伏兄弟の両親が殺害された当時のことも明かされており、回想シーンで若かりし頃の高明も登場しています。
原作コミック最新第107巻でも長野県警が登場。小学校時代の3人の貴重な思い出シーンも描かれています。
長野県警や小五郎の活躍、そして公安も動く重厚なストーリー。冷静な頭脳派でもある高明ですが、実際はかなり無茶をして体を張っており、銃撃戦や激しいアクションシーンも展開。大切な人をなくした高明の想いや思考、大切な人を守ろうとする行動からも目が離せない作品です。
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。