
「無限列車編」から続く役作り。柱稽古で成長した伊之助を自由に演じるーー『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』嘴平伊之助役・松岡禎丞さんインタビュー
絶対に勝てないと思わせる童磨の絶望感【ネタバレあり】
ーー「無限城編」第一章で最も印象に残ったシーンをお聞かせください。
松岡:(胡蝶)しのぶさんの戦いは本当にすごかったですね。早見(沙織)さん(胡蝶しのぶ役)のお芝居にしのぶさんの思いや感情の全てが乗っていて、しかもそれを宮野(真守)さんが全部受け流していくんですよ。その対比がすごく味わい深かったです。ufotableさんがあそこまで映像を作り込んでくださったことは、自分もすごく刺激になりました。
ーー童磨の印象はいかがでしたか?
松岡:マイナスの意味ではなく、プラスの意味で「ひどい」です。宮野さんのお芝居には、言葉にできないような説得力があるんですよ。童磨が意気揚々とすればするほど、絶対勝てないなと感じさせる絶望感が湧いてくるように感じました。ひとりでは太刀打ちできないと思わせるような雰囲気がありました。しのぶさんにすぐに逃げてほしいと何度も思いました。
童磨がすごいところは、自分を悪いとまったく思っていないところなんです。むしろ、良いことをしているとまで思っている。本当に、童磨の存在には感情を逆なでされました。
ーー宮野真守さんのお芝居も相まって、童磨の一挙手一投足から目が離せませんでした。
松岡:そうなんです。童磨は映像になることでより恐ろしさが増していると思います。しのぶさんと戦う場所もまた綺麗なんですよね。水の表現もそうですが、なにより童磨の血鬼術が美しくて、イラッとしました(笑)。

ーー炭治郎や柱以外でも各々の戦いが繰り広げられています。こういった周囲の人々の描写は、『鬼滅の刃』の魅力のひとつでもあるかと思います。あらためて、こういった人々のシーンで印象に残っている、鬼殺隊の描写をお聞かせください。
松岡:無限城にいる鬼殺隊士たちもいない鬼殺隊士たちも全集中で一緒に、鬼舞辻󠄀無惨を倒すために鬼や無限城と戦っているのだなと。その中で、無惨には本当に腹が立ちますね。
ーー今後の「無限城編」に向けて、どんなお気持ちで臨まれるのでしょうか。
松岡:僕は基本的に伊之助であろうと思っているので、台本をチェックするときも、伊之助のセリフを中心にチェックをしていて、伊之助が関わっていないシーンは極力見ないようにしているんです。伊之助の視点で考えると、そのときに自分の目が届かないところで起きていることを知るのは、現実的にはありえないことです。伊之助が全部を知っているわけがない。そういった周りのことを知りすぎると、芝居が変わってしまうおそれがあるので、僕は基本的に伊之助が出ているシーンだけに集中しています。今回の「無限城編」第一章でも、獪岳の戦いも猗窩座の戦いも本編映像で初めて観たのですが、本当にufotableさんはすごいなと思いました。僕たちもこれからも全力で臨んでいきたいと思います。
ーーそれでは、公開を楽しみにしている皆さまへ、ひと言メッセージを頂けますと幸いです!
松岡:劇場にいらっしゃる人は全員子分です。観客全員で無限城に向けて猪突猛進していきましょう。

[インタビュー・撮影/MoA]
インタビューバックナンバー
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』作品情報
あらすじ
入隊後、仲間である我妻善逸、嘴平伊之助と共に様々な鬼と戦い、成長しながら友情や絆を深めていく。
そして炭治郎は《鬼殺隊》最高位の剣士である《柱》と共に戦い、
「無限列車」では炎柱・煉󠄁獄杏寿郎、「遊郭」では音柱・宇髄天元、
「刀鍛冶の里」では、霞柱・時透無一郎、恋柱・甘露寺蜜璃と共に激闘を繰り広げていった。
その後、来たる鬼との決戦に備えて、隊士たちと共に《柱》による合同強化訓練《柱稽古》に挑んでいる最中、
《鬼殺隊》の本部である産屋敷邸に現れた鬼舞辻󠄀無惨。お館様の危機に駆けつけた《柱》たちと炭治郎であったが、
無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。
炭治郎たちが落下した先、それは鬼の根城≪無限城≫―
”鬼殺隊”と”鬼”の最終決戦の火蓋が切って落とされる。
キャスト
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable












































