
猗窩座の圧倒的な"強さ"を紐解く――『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』上弦の参・猗窩座役 石田彰さんインタビュー
猗窩座を演じる面白さとは?
ーー先ほどのお話にもありましたが、猗窩座の強さを象徴するものとして、戦闘自体を楽しんでいる空気感がありますよね。
石田:猗窩座は基本、戦うことを楽しんでいます。相手が強ければ強いほど、それを楽しむ人だと思っているので、今回は義勇とやり合っている時の楽しみ加減を意識して収録しました。
ーー櫻井さんは、今回の石田さんとの戦いで「圧倒された」とおっしゃっていました。
石田:そうなんですか?炭治郎や義勇は猗窩座とは違うスタイルで、違う熱量で向かってくるキャラクターです。
ふたりと対峙する中で、猗窩座の構え方ひとつとっても、変化しているような感覚がありました。特に戦闘の始めは炭治郎を完全に舐めきっている感覚さえあって。
戦いの中で炭治郎を認めても猗窩座は、決して炭治郎に「鬼になれ」とは言わないんです。
“狛治”の生と痛み。猗窩座の過去に迫る【ネタバレあり】
ーー猗窩座が感じている炭治郎への苛つきも、狛治のエピソードを知ると納得感がありますよね。
石田:生きていく中で師範(慶蔵)と出会い、「世の中捨てたもんじゃない」ということを理解するような経験もできた。そういう人生を歩んだ経験が彼を深みのあるキャラクターにしています。
ただ、それでも最終的に鬼になった。この点が、本編を見ていただけるとわかりますが彼独自のドラマチックな部分です。狛治、そして猗窩座というキャラクターの見どころだと思います。
ーー師範である慶蔵(けいぞう)と、その娘・恋雪(こゆき)についてはいかがでしょう?
石田:慶蔵のような人に出会えたことは狛治にとって大きな救いになっていると思います。彼の泥沼のような、いくらあがいても抜け出せない人生から救ってくれた存在です。
狛治の置かれた社会構造から、違う世界を見せてくれた存在である師範に対する感謝と、このような関係性の尊さを感じます。
また、恋雪が狛治のことを人として認めてくれたことも大きい要素だと感じています。
恋雪は狛治を認めてくれます。そういう人と出会えたからこそ、やり直せるかもしれないという希望を持つことができた。恋雪は彼にそういう可能性を与えてくれた存在です。
あの親子は彼にとって、大きなターニングポイントであり、大切なふたりだったと思います。
ーー最後に、今後の物語を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
石田:今回は「猗窩座再来」ということで、サブタイトルにも入れていただいています。
もちろん彼の物語も楽しんでほしいですが、エピソードが本当に盛り沢山になっていて、見ごたえのある映画です。ぜひ劇場に足をお運びいただいて、これから続いていく、二章、三章への流れに乗っていただきたい。『鬼滅の刃』のゴールへ向けて、共に向かっていければと思います。
[インタビュー/タイラ]
インタビューバックナンバー
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』作品情報
あらすじ
入隊後、仲間である我妻善逸、嘴平伊之助と共に様々な鬼と戦い、成長しながら友情や絆を深めていく。
そして炭治郎は《鬼殺隊》最高位の剣士である《柱》と共に戦い、
「無限列車」では炎柱・煉󠄁獄杏寿郎、「遊郭」では音柱・宇髄天元、
「刀鍛冶の里」では、霞柱・時透無一郎、恋柱・甘露寺蜜璃と共に激闘を繰り広げていった。
その後、来たる鬼との決戦に備えて、隊士たちと共に《柱》による合同強化訓練《柱稽古》に挑んでいる最中、
《鬼殺隊》の本部である産屋敷邸に現れた鬼舞辻󠄀無惨。お館様の危機に駆けつけた《柱》たちと炭治郎であったが、
無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。
炭治郎たちが落下した先、それは鬼の根城≪無限城≫―
”鬼殺隊”と”鬼”の最終決戦の火蓋が切って落とされる。
キャスト
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable













































