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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
薬と毒の知識を持つ少女・猫猫(マオマオ)が、その知識や観察眼で後宮で巻き起こる事件や謎を解き明かす人気作品『薬屋のひとりごと』。怪事件の全容が明らかになっていく様が痛快で、さらに後宮内の複雑な人間関係もその魅力のひとつです。
原作は日向 夏先生のライトノベルで、2023年にアニメSeason1が放送され、2025年1月よりアニメSeason2が2クール連続で放送されています。
本稿では、現皇帝の上級妃・四夫人のひとり「賢妃」梨花妃(リファひ)の情報をまとめました。基本プロフィールに加えて、性格や人柄、子ども、猫猫との関係や仕える侍女についてなど一挙にお届けしていきます。
※本稿には重要なネタバレが含まれます。
年齢:23歳(物語スタート時)
位:四夫人「賢妃」
住まい:水晶宮(すいしょうきゅう)
氏族:現皇帝の縁戚の名家(明確な記載はなし)
玉葉妃に次いで皇帝の寵愛を受ける梨花妃は、華やかで愛らしい美しさの玉葉妃に対して、凛とした強さと美しさを持つ女性です。
初登場時は、玉葉妃を平手打ちにして罵声を浴びせていたため、高慢で激情的な印象を与えますが、それは自分と息子が病に侵されていて余裕がなかっただけのこと。自尊心はあるものの、決して高飛車な性格ではありません。
猫猫が看病してくれた際にはきちんと感謝を伝えている他、自分を裏切った侍女が死罪にならないように計らったり、一介の下女に対しても温情をかけたりする様子からは、彼女が寵愛を受ける妃にふさわしい寛大な心と人の上に立つ品格を持つ人物であることがうかがえます。
美しさや教養、人柄や生まれはもちろんですが、梨花妃は特に皇帝を強く敬愛している点が壬氏に評価され、上級妃に推薦されました。玉葉妃も同じように壬氏のお眼鏡に叶い上級妃に推薦された人物なのですが、壬氏いわく梨花妃の皇帝への愛は「心酔の域に達していた」らしく、想いの強さは玉葉妃を上回っているよう。
気高く凛々しい美しさが魅力的な梨花妃ですが、猫猫から花街仕込みの秘術(笑)を教わった際には恥ずかしさに顔を赤らめ、年相応の可愛らしい女の子のような一面を見せています。私の個人的な想像ですが、好きな人(皇帝)の前ではより乙女な姿を見せているのではないでしょうか。普段の凛とした姿とのギャップも梨花妃の魅力のひとつであり、皇帝も彼女のそんなところを気に入っているのかもしれませんね。
猫猫は皇帝に命じられて病に臥せる梨花妃の看病をすることに。おしろいの毒に冒されたうえ、病気や看病の知識に乏しい侍女たちに囲まれていたせいで重篤な症状だった梨花妃は、猫猫の治療によって少しずつ体調が回復していきます。
梨花妃は甲斐甲斐しく世話をしてくれた猫猫を信頼している一方で、玉葉妃や壬氏付きの侍女であると認識しているためか、強く引き抜こうとする様子はありません。そうではあるものの、冬の園遊会では猫猫に簪を贈っており、猫猫を侍女として迎え入れたい気持ちは持っていると思われます。猫猫も彼女の妃として品格ある人柄に一目置いているようです。
梨花妃は、猫猫が後宮に来る前に皇帝との間にできた男児を出産しています。しかし、おしろいに含まれる毒によって自分もろとも冒され、子どもはそのまま死亡。自身も重篤な状態になるものの、猫猫の看病で一命をとりとめました。
その後、第二子となる男児を出産。しかし、梨花妃より少し前に玉葉妃も男児を出産しており、血縁的・政治的理由から玉葉妃が皇后、玉葉妃の第二子(男児)が東宮(皇太子)となります。とはいえ、梨花妃の息子を東宮にしようという勢力もいるようです。
梨花妃の氏族に関しては今のところはっきりと明かされてはいないものの、現皇帝の遠い親戚の名家の出身であることがわかっています。元々縁戚関係にあるため、血が近くなってしまうことと梨花妃の実家が勢力を強めてしまうことを懸念して、玉葉妃が皇后に選ばれたようです。しかしながら、素養に限れば国母(皇后)としてよりふさわしいのは梨花妃だと皇帝や壬氏から評価されています。
梨花妃には10人以上の侍女が仕えています。全員が名家出身のお嬢様で、統率は取れているものの、猫猫いわく「甲斐甲斐しさはない」。家柄に自信があるからか、高飛車な者が多いようで、梨花妃の看病のために水晶宮を訪れた猫猫に対し嫌がらせのようなことをしています。
しかし、病床に伏せる梨花妃に対する独善的な処置を猫猫に激しく糾弾され、恫喝されたり、ビンタされたりしたため、以降は猫猫を怖がるように。温室育ちのお嬢様にとって猫猫による仕打ちはトラウマになってしまったようです。
梨花妃の侍女頭・杏は、梨花妃の従姉妹です。彼女自身も妃として召し上げられてもおかしくない身分なのですが、皇帝本人ではなく、国母(皇后)という権力ある地位を欲しがっている人格的な難を見抜かれた結果、彼女ではなく梨花妃が妃として後宮に入り、彼女は侍女頭に留まりました。
そのことが屈辱的だった杏は梨花妃を恨み、堕胎剤を作って皇帝の子を身籠った彼女を流産させようとしますが、企みは猫猫によって暴かれます。計画が明るみになった彼女は梨花妃に対し、口汚く本音をぶちまけ、梨花妃は「主に暴言を吐いた罪」で彼女を解雇すると同時に後宮からも追放しました。
本来、皇帝の子を堕胎させようとした(殺そうとした)罪は非常に重く、死刑に相当するものですが、梨花妃は先に暴言を吐いた罪で彼女を罰することで、従姉妹を死罪から救ったのです。しかしながら、この温情ある措置に杏本人は気づいているかわかりません。
猫猫は、国母にふさわしい素養を持つ梨花妃に反して低俗な侍女たちが多かった理由は杏がそういう人材を集めたからだと推測しています。杏が去った後に入った侍女たちは優秀な人材が多いようです。
梨花妃を演じるのは石川由依さんです。1989年5月30日生まれ、兵庫県出身。『進撃の巨人』のミカサ・アッカーマン役をはじめ、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のヴァイオレット・エヴァーガーデン役など、数々の人気作品に出演しています。
作品名 | 薬屋のひとりごと |
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スケジュール | 2023年10月21日(土)〜2024年3月23日(土) 日本テレビ系にて |
あらすじ | 大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。 |
話数 | 全24話 |
キャスト | 猫猫(マオマオ):悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 阿多妃:甲斐田裕子 梅梅:潘めぐみ 白鈴:小清水亜美 女華:七海ひろき やり手婆:斉藤貴美子 羅門:家中宏 李白:赤羽根健治 小蘭:久野美咲 やぶ医者:かぬか光明 馬閃:橘龍丸 風明:日髙のり子 羅漢:桐本拓哉 翠苓:名塚佳織 陸孫:内山昂輝 鳳仙:桑島法子 皇太后:能登麻美子 子昌:チョー ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 監督・シリーズ構成:長沼範裕 副監督:筆坂明規 キャラクターデザイン:中谷友紀子 色彩設計:相田美里 美術監督:髙尾克己 CGIディレクター:永井有 撮影監督:石黒瑠美 編集:今井大介 音響監督:はたしょう二 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
主題歌 | OP1:「花になって」緑黄色社会 OP2:「アンビバレント」Uru ED1:「アイコトバ」アイナ・ジ・エンド ED2:「愛は薬」wacci |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(コミック) |
作品名 | 薬屋のひとりごと 第2期 |
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スケジュール | 2025年1月10日(金)〜 日本テレビ系にて |
あらすじ | 帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。 妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。 先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。 不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。 猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー |
キャスト | 猫猫:悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 小蘭:久野美咲 子翠:瀬戸麻沙美 姶良:Lynn 愛凛:原由実 羅半:豊永利行 ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 総監督・シリーズ構成:長沼範裕 監督:筆坂明規 副監督:中川航 脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみ キャラクターデザイン:中谷友紀子 美術監督:髙尾克己(ARED) 色彩設計:相田美里 CGI ディレクター:永井有 撮影監督:鈴木麻予(T2 studio) 編集:今井大介 音響監督:はた しょう二(サウンドチームドンファン) 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM 製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会 |
主題歌 | OP1:「百花繚乱」幾田りら OP2:「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE ED1:「幸せのレシピ」平井大 ED2:「ひとりごと」Omoinotake |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと(スクウェア・エニックス)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(小学館)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(ラノベ) |
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。